10分刻みの40℃到達回数、日本で一番暑い日は?

東京や横浜では7月の平均気温が観測史上1位になることがほぼ確実です(27日時点でタイ)。仙台はこれまでの1位を0.5℃も上回っています。

日本で一番暑い日

日本で一番暑い日は、いつのどこだったのかというのが今日のテーマです。シンプルに考えれば、国内最高気温41.1℃が観測された2018年7月23日の熊谷2020年8月17日の浜松になるはずですが、それでは面白味に欠けます。

気象庁サイト「過去の気象データ検索」では、過去76回の40℃以上のうち70回については10分ごとの観測値が示されています。この10分ごとの観測値で40℃を何回クリアしたのかをカウントしてみました。

気象庁サイトで10分ごとの観測値が掲載されているのは、気象台・旧測候所については2008年7月以降、アメダス観測所については1994年4月以降のようです。

今のアメダスは10秒ごとの観測ですので、観測回数は1日に8640回です。その最大値が日最高気温となります。10分ごとの観測値では40℃が0回というケースももちろんあり得ます。むしろ近年の40℃はこれが多数派です。

一方、1990年代は10分ごとの観測でした。1日に144回です。日最高気温が144回の最大値ではなく、毎正時24回の最大値だった時代さえあります。「幻の40℃」が発生した時代です。結果的にこの両者を同一のモノサシで見ることになります。

【10分ごとの観測値40℃以上の最多=13回】
2007年8月16日の多治見
【もっとも早い時間帯の40℃以上=12:00】
1994年8月4日の天竜、2007年8月17日の多治見
【もっとも遅い時間帯の40℃以上=16:10】
2007年8月16日の多治見

2022年までの40℃クリア組

(↓)観測所名左の白抜き数字が10分ごとの観測値で40℃以上が観測された回数です。「1/n」はもっとも早い時間帯、「n/n」はもっとも遅い時間帯を示します。リンク先は気象庁サイトです。

年月日時刻最高観測所1/n気温n/n気温
1927/7/2240.2宇和島
1933/7/2540.8山形
1978/8/0340.1酒田
1994/8/0413:0040.66天竜.112:0040.214:5040.1
1994/8/0513:0040.36愛西13:0040.314:2040.0
1994/8/0813:0040.63かつらぎ12:5040.213:1040.1
1997/7/0514:0040.27越谷.113:1040.414:3040.2
1998/7/0414:0040.35上里見13:4040.314:2040.1
2001/7/2414:0040.23佐久間.113:0040.014:0040.2
2001/7/2414:0540.0前橋.1
2004/7/2013:2040.22牛久12:4040.013:2040.2
2004/7/2113:0840.4甲府.1
2007/8/1514:4040.21館林.114:4040.214:4040.2
2007/8/1613:5040.42越谷.213:5040.414:0040.2
2007/8/1614:2040.913多治見.113:3040.816:1040.2
2007/8/1614:4040.01美濃.114:4040.014:4040.0
2007/8/1614:4240.9熊谷.1
2007/8/1615:0040.31館林.215:0040.315:0040.3
2007/8/1714:2040.88多治見.212:0040.014:5040.3
2013/8/1013:0640.74江川崎.114:0040.414:4040.2
2013/8/1014:2940.51勝沼.114:3040.214:3040.2
2013/8/1014:3140.73甲府.214:2040.214:4040.0
2013/8/1014:4140.10館林.3なし
2013/8/1113:3540.41江川崎.214:1040.014:0040.0
2013/8/1214:3740.61甲府.314:3040.214:3040.2
2013/8/1213:4241.02江川崎.313:1040.013:3040.3
2013/8/1313:0840.00江川崎.4なし
2018/7/1814:1940.64美濃.214:2040.114:5040.0
2018/7/1814:3040.72多治見.314:3040.715:3040.0
2018/7/2313:2940.81青梅13:3040.513:3040.5
2018/7/2313:4040.73多治見.412:5040.014:4040.3
2018/7/2314:2341.14熊谷.213:3040.614:2040.8
2018/7/2315:3140.31甲府.415:3040.215:3040.2
2018/8/0214:1340.20多治見.5なし
2018/8/0314:0140.32名古屋.114:0040.214:1040.1
2018/8/0415:3440.30美濃.3なし
2018/8/0614:0241.01金山.114:0040.414:0040.4
2018/8/0614:2240.40多治見.6なし
2018/8/0615:5040.31美濃.415:5040.215:5040.2
2018/8/0813:2040.51金山.213:2040.113:2040.1
2018/8/0813:4341.01美濃.513:4040.513:4040.5
2018/8/2313:4940.00大潟なし
2018/8/2314:2740.86中条.114:1040.015:1040.0
2018/8/2314:4340.46三条.113:0040.015:2040.0
2019/8/1412:5440.30高田なし
2019/8/1512:3040.00三条.2なし
2019/8/1513:1040.43鼠ケ関13:1040.214:3040.2
2019/8/1513:1640.71中条.213:2040.313:2040.3
2019/8/1513:1940.60寺泊なし
2019/8/1513:4940.10志賀なし
2020/8/1113:4940.20鳩山.1なし
2020/8/1114:3140.52桐生.114:2040.114:3040.4
2020/8/1114:4240.54伊勢崎.114:3040.015:5040.0
2020/8/1612:4040.92天竜.212:4040.612:5040.0
2020/8/1615:1840.20浜松.1なし
2020/8/1712:1041.13浜松.212:1040.912:3040.2
2020/9/0313:5440.00中条.3なし
2020/9/0314:2340.43三条.313:2040.114:2040.3
2021/8/0813:3440.61多治見.713:2040.013:2040.0
2022/6/2514:5640.21伊勢崎.215:1040.015:1040.0
2022/6/2914:5340.00伊勢崎.3なし
2022/7/0113:2640.00熊谷.3なし
2022/7/0114:1540.10鳩山.2なし
2022/7/0114:2640.43桐生.214:2040.215:1040.1
2022/7/0114:3740.20勝沼.2なし
2022/7/0114:5340.00多治見.8なし
2022/7/0115:3740.30伊勢崎.4なし
▲2022年までに日最高気温40℃を観測した観測所

幻の40℃

主に1990年代に発生した「幻の40℃」についても同じように調べてみました。

年月日時刻最高観測所1/n気温n/n気温
1994/8/0515:0039.91枚方.a14:4040.014:4040.0
1994/8/0715:0039.91多治見.a13:2040.013:2040.0
1994/8/0713:0039.91枚方.b13:2040.013:2040.0
1994/8/0713:0039.51愛西12:5040.212:5040.2
1994/8/0813:0039.63枚方.c14:2040.215:1040.3
1995/8/0412:0039.52天竜12:5040.214:3040.1
1995/8/1915:0039.62佐久間12:3040.313:1040.0
1997/7/0514:0039.72鳩山15:2040.015:3040.2
1997/7/0514:0039.61館林13:4040.113:4040.1
1997/7/0513:0039.81古河13:5040.013:5040.0
2001/8/0116:0039.46多治見.b13:3040.215:5040.2
▲幻の40℃

さて、日本で一番暑い日は?

2018年7月23日の熊谷、2020年8月17日の浜松、2007年8月16日の多治見について、朝8時から夜9時までの10分ごとの気温をグラフ化しました。

日本で一番暑い日は?
気象庁>多治見(岐阜県) 2007年8月16日(1時間ごとの値)など

浜松は13時前には日照が途切れ始めて13:20には36.2℃まで落ち込みます。日差しが回復してから38℃台まで戻しますが、40℃台は30分程度です。一番暑かった日認定はできそうにありません。

熊谷の41.1℃は14:23に観測されています。13時台と14時台は40℃をめぐる攻防が展開されますが、15時台は39℃キープに終始して、16時30分には37℃台です。

これに対して多治見は、立ち上がりこそ出遅れ感があるものの17時でもまだ39.5℃です。瞬間の額面で熊谷と浜松に及ばないだけで、40℃の攻防を長時間に渡って繰り広げたのは明らかに多治見です。

年月日観測地日平均日最高日最低日照時間
2007/08/16多治見32.9 ℃40.9 ℃26.0 ℃11.6時間
2018/07/23熊谷33.5 ℃41.1 ℃27.8 ℃11.2時間
2020/08/17浜松33.0 ℃41.1 ℃27.8 ℃12.2時間
▲3地点の観測値

なお、この日の多治見は早朝に26℃台を観測しており、暦日の平均気温で熊谷や浜松を下回っています。したがって、別の視点で「日本で一番暑い日」を探すことが可能です。

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