統一教会の献金目標額は年500億円だそうだ

ビッグモーター未満

ビッグモーター社Webサイトに掲げられたニュースリリースは8月1日付「街路樹の原状回復対応に関しての対応窓口」が最後です。「現在、ホームページの一部機能を改修しております」が長らく続いています。

ただ、先月末で閉鎖した4店は店舗検索できなくなっています。ごく当たり前の話です。閉店した店舗をいつまでも残していたら、ユーザーに無駄足を踏ませるのかという話になるはずです。

気の利いた会社なら「長らくご利用いただきましてありがとうございました。統合先の◯◯店で業務を引き継ぎます。引き続きのご愛顧をお願い致します」ぐらいのことは案内するはずですが、そのような記載は見当たりませんでした。個別に案内しているのかもしれませんが…。

世界平和統一家庭連合のWebサイト「教会紹介」のページには「全国に284の家庭教会があります」と記述されています。「家庭教会に関心のある方は、下記「最寄りの家庭教会」より、お近くの教会までお問い合わせください」とのことです。

「最寄りの家庭教会」のページには松濤本部と地方教会289教会が掲載されています。私の「統一教会(統一協会)関連施設MAP」は、このリストをベースにして去年の8月に作成したものです。

最新のリストではなく、2020年5月の「天の父母様聖会」発足以前のリストではないかと疑いを持つようになるまでそれほどの時間は要しませんでした。1年以上経っても更新された様子がありません。

世界平和統一家庭連合サイトに中山達樹弁護士による「申入書」が掲載されたのは今年9月5日です。同申入書は去年12月14日付で永岡文部科学大臣宛に提出されたものだそうです。この中に旧・統一教会(統一協会)の教会数についての記載があります。

この献金目標額は、5つの地区及びその下の67の教区にそれぞれ割り当てて伝達される。教区の下の285の各教会に対して

世界平和統一家庭連合>文部科学省の家庭連合に対する解散命令請求の不行使を求める申入書(12ページ)

中山氏の「申入書」では教会数は285です。物販や飲食店ではありませんから、教会所在地をオープンにする実益はないということなのでしょう。まあ、間違ったアクセスマップを掲載していた教会もあったほどです。

報道では、旧・統一教会(統一協会)は文科省の質問の2割に当たる約100項目に答えていないということです。どういう質問にどう反応したのか詳細がわかりませんが、本日14時から教団側の会見があるようです。また顰蹙会見になるのでしょうが、絵を描いたのは世界本部です。

1人当たり50万のマジック

さて、中山氏の「申入書」には献金の年間目標額が記載されています。

年間目標額は、最近では500億円程度である。これは高額に感じられるかもしれないが、信徒数を60万人(法人規則32条に基づく法人備付の信者名簿登録者数、文化庁へ届出)と計算すると、各人が年間約8.3万円である。一方、信徒数を10万人(半年に一度以上の礼拝参加者と家庭連合が把握する数)とすると、一人当たり年間50万円(月に4万円強)にすぎない。

世界平和統一家庭連合>文部科学省の家庭連合に対する解散命令請求の不行使を求める申入書(11ページ)

500億円を10万人で割れば50万円です。1人当たり年50万ということは、夫婦ともに会員の世帯では年100万の負担になるはずです。入信した妻が伝道実績を確保したいために夫の分も献金しているケースもあるものと推察されます。

自民党の党費は一般党員で年4000円です。立て替え払いが効く範囲の金額ですので、本人が知らないうちに党員になっていても別に意外ではありません。年賀状販売にノルマがあったように、自社商品の購入を強いられるのもよくある話です。

ブラック企業でなくても、営業成績によって歩合が変化する場合に営業マンが自腹を切るのは当たり前です。1000万以上の営業成績で歩合が5%から10%になるなら、990万だった営業マンは10万を自己負担したほうが歩合給が増えます。社員に対してむしろ良心的な営業会社です。

990万5%49.5万
1000万10%100.0万

信仰の深さが献金額や伝道した人数で問われてしまうなら、過分な負担を強いられるのはあり得ることです。世界平和統一家庭連合も創価学会も会費はありません。とはいえ、今では誰しもが知っているように、旧・統一教会(統一協会)にはおびただしい数の関連団体があります。

教団系互助団体・真の家庭運動推進協議会は月額3500円ですから年会費としては4万2000円です。夫が平和大使協議会の一般会員なら年2万4000円、妻が世界平和女性連合の会員なら会費は年3万8400円です。これだけで年10万のプラスになります。

平均で1人当たり50万の献金だから適切な額だというのは、あくまでも数字上の話です。教団本部視点ではそうなるというだけのことで、被害者視点とは異なります。平均から逸脱したケースこそが問題視されているのです。

だいたい韓国に直接現金を持参した場合、松濤本部の会計には入らないはずです。80歳の韓鶴子氏と生きていれば103歳になる文鮮明氏の年齢を足して183万というふざけた根拠の献金などがカウントされているのか疑問に思わなくもありません。

献金総額のワナ

さて、松濤本部に入る(通過する)献金額が年500億だとしても、これが信者による献金総額とイコールだとは限りません。受領証が発行されなかった時代には、いわゆる中抜きが横行していたはずだということは容易に想像できます。

1億円の高額献金があったとします。受領証を発行しなくていいなら抜き放題です。献金に定価はないからです。5000万を教区長と教会長で折半して残りの5000万を本部に入れたとしても、本部では抜かれた金額を把握できません。

このような場合、本部の選択は中抜きを否定せずノルマを設定することになりがちです。地方教会では、中抜き分をプールして翌月分以降に回すなり私的蓄財に励んだりできるわけです。もしこの構造が成立していたのなら、本部で集約する数字は実態と派手に異なるものになります。

日本基督教団では振込の場合でも領収書を発行していたようです。

これまで皆さまから頂戴した献金には、漏れなく領収書を発行しておりましたが、郵便料金値上げに伴い、これを原則廃止とさせていただきます(第40総会期第2回常議員会にて了解済)。郵便払込取扱票をご利用になった際に振替払込請求書兼受領証が残りますので、それをご利用ください。銀行口座からお振り込みの場合は、通帳記帳をもって領収の証しとさせていただきます。現金の場合は、これまで通り領収書を発行いたします。

日本基督教団>領収書発行についてお知らせ 2017年7月31日

一方、旧・統一教会(統一協会)では、献金に対して受領証を発行しないのがデフォだったようです。昨年10月4日の会見で、勅使河原本部長は収入の10分の3を超える献金には必ず受領証を発行するよう改革することを語りました。

銀行振込に対してさえ領収証を発行していた日本基督教団との意識の差は歴然としています。簡単に中抜きできる環境にあった時代が、つい最近まで続いていたのではないかと疑いたくなります。高額献金・什一献金を教団本部への口座振込に限定すれば、わざわざ受領証を発行しなくてもいいはずです。

数えきれないほどの関連団体がなぜ存在するのかと考えたとき、1つの財布では都合の悪い人種がいたからだと結論づけたほうがしっくり来ます。地方教会は本部の出先機関だという認識でこの教団を捉えるのは危険かもしれません。

都道府県別教会数など

以下、これまで固定ページ「統一教会(統一協会)関連施設MAP」に掲載していた表を再掲します。邪魔になりましたので外しましたが、変化を辿る価値はあると思っています。女性連合の連合会数は2022/10/01付「WFWP・世界平和女性連合の支部は選挙区単位?」公開時のもので、今は更新されています。

第2列は「最寄りの家庭教会」に掲載されている教会数。
第3列は世界平和女性連合Webサイト掲載の地方連合会数。
第4列「教/M」は人口100万人当たりの教会数。
第5列「女/M」は人口100万人当たりの世界平和女性連合の連合会数。
(都道府県人口は2021年10月時点)

教会WFWP教/M女/M
島根416.01.5
鳥取315.51.8
山口644.53.0
長野934.41.5
香川434.23.2
富山423.92.0
奈良523.81.5
愛媛513.80.8
岩手413.30.8
福島643.32.2
和歌山333.33.3
青森433.32.5
広島953.21.8
新潟733.21.4
栃木623.11.0
高知212.91.5
山形312.80.9
滋賀422.81.4
徳島222.82.8
石川312.70.9
福井212.61.3
岐阜522.61.0
愛知19102.51.3
佐賀212.51.2
東京34182.41.3
千葉1582.41.3
北海道1262.31.2
熊本412.30.6
長崎322.31.5
三重412.30.6
宮城522.20.9
岡山432.11.6
秋田212.11.1
群馬422.11.0
大阪18172.01.9
静岡741.91.1
鹿児島311.90.6
宮崎211.90.9
大分211.80.9
神奈川1481.50.9
埼玉1141.50.5
兵庫841.50.7
茨城421.40.7
福岡751.41.0
山梨111.21.2
京都331.21.2
沖縄120.71.4
2891562.31.2
▲教団の都道府県別地方教会数等

人口100万人当たりの地方教会数では細田衆院議長の島根がもっとも多く、鳥取が2位、山口は3位でした。人口100万人当たりの女性連合は和歌山、香川、山口の順になります。

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