オレゴン州ポートランド
寒波のアメリカで切れた電線が路駐していた車に垂れ下がり、車から外に出た3人が感電死するという事故が起きています。西海岸オレゴン州のポートランドです。東海岸メーン州にもポートランド市がありますが、人口が多いのはオレゴン州のほうです。
何がNG行為だったのか、複数のニュースに接しても正確には理解できません。
車内の3人が降りようと地面に足をつけたことで感電し死亡
産経新聞>米、寒波で55人死亡 オレゴンなど10州で事故相次ぐ 2024/1/19
3人は車から降りた時に感電したとみられる
NHK>アメリカ 厳しい寒波で40人が死亡 電線の落下による感電など 2024年1月19日
地元消防は「タイヤのゴムで絶縁されていた車内から外に出て、足が地面に着いた瞬間に感電死した」としています
テレ朝news>米オレゴン州、悪天候で電線が車の上に落下 3人が“感電死” 2024/01/18
消防によると、切れた電線が車の上に落ちても、タイヤのゴムで絶縁されているため安全だが、車から降りた途端に感電する危険があるという
YAHOO!ニュース>暴風雪のオレゴン州で感電 切れた電線が路駐の車に接触 1/19(AP)
接地して感電?
一般に、車の中は落雷に直撃されても安全だと言われています。ニュース映像の電線は車の屋根から後部にかけて引っかかっており、後方の別車両にもかかっています。前部は見えません(一部報道ではボンネットに落ちた電線と報じられています)。
今回のケースでは自動車の金属部分が帯電していたのは間違いないようです。縦列駐車状態だったため、バックで電線から離れることはできなかったようです。左に前進すれば外せるような気もしますが、映像ではそこまで確認できません。サイドミラーに引っかかるかもしれません。
車から降りたことによって「電線-車の金属部分-人間-地面」の回路が成立したのだろうと思われます。もしドアに触れずに降りたら助かったのでしょうか? タクシーなら、ドアの開閉は運転手任せです。ましてスライドドアならまったくドアに触れることなく乗り降りしているはずです。
一般の乗用車から降車する場合、開いたドアを閉める動作に移る関係で、接地したままドアの金属部分に触れることになります。ただ、今回の場合は車内から逃げることが目的だったはずです。ドアを大きく開いて金属部分には触れないように降りればよかったのかもしれません。
それにしても、1人ならいざ知らず3人死亡が少し謎です。ニュースでは、運転席と助手席と後部座席の3人がそれぞれに感電したようにも解釈できます。普通は時間差になるはずですから、3人目は怪しむものではないかと思われます。
あるいは、先に出た1人が感電して倒れたことから、助けようとした残りの2人が飛び出してそれぞれに感電したということなのかもしれません。もし感電した人に触った連鎖感電なら、そのように報道されてもよさそうです。
連鎖感電
旧・統一教会(統一協会)施設で高圧線直下の建物があったのを思い出しました。すでに閉鎖済みの教団施設で、今は放課後デイサービスになっています。白い平屋建てです。
電力会社は高圧電線から2m以内で作業しないよう指導しています。労基法では1mのようです。高圧線は触らなくても感電する危険があるということです。駅のホームで自撮り棒が禁止されている理由の1つのようです。ひょっとすると、非接触感電だったのでしょうか?
いずれにしても、電線が車体に触れてしまったときは、車体と電線が切り離されたことを確認したうえで、車外に出なければならないようです。そうは言っても、電柱に激突した事故直後で車が動かなくなったらどうするのかという問題はありそうです。
もしそうした現場に居合わせてしまったときは、救護は電気の遮断を待ってからということになるのかもしれません。触れても大丈夫な被覆線なのかそうでないのか、確認する方法がない以上、触らないのが原則なのでしょう。
そうだとしても悩ましいケースはあるはずです。子供が感電(筋肉が収縮)して固まってしまって電源を離せなくなったとき、隣にいた親が素手で引き剥がそうとして連鎖感電するのは責められないように思われます。
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