マイマイクお断り「貸出しマイク以外はご遠慮ください」

【2022/07/14追記】2018年の話です。今でも一定の需要があるようですので、一部加筆のうえ改題しました。

貸出しマイク以外のご使用はご遠慮ください

私が3番目によく行っていたカラオケ店が「マイマイクお断り」になっていました。これまで私はマイマイク派ヒトカラ―として100店舗以上のカラオケ店に行きましたが、明示的にマイマイク禁止が掲示されているのを見たのは初めてでした。

2018年当時、JOYのマイクジャックはマシンの背面にありました。2019年発売のMAX GOは前面1、背面2の配置です。背面ジャックにマイクを接続するには機械を動かす必要がありますが、DAMは昔から前面ジャックですのでマイク端子を差し込むだけです。

私はヒトカラを始めた初期からのDAM派であり、ヒトカラ・デビューから半年ほどでマイマイクを持ち込むようになりました。かつてはマイクスタンドも持ち込んでいた時期もありましたが、スタンドは1年ほど使っただけで今は埃をかぶっています。

マイマイクお断り

カラオケ店舗備え付けのマイクは(今では)おおむね充電式の赤外線マイクです。赤外線+有線の店も数店舗ありましたし、有線の骸骨マイクをスタンド付きで貸し出している店舗もありますが、有線オンリーの店はヒトカラーになってから経験していません。

マイクは、(1)充電器とともに部屋に備え付けられている場合と、(2)受付で渡される場合があります。後者の場合、1人で行っても2本渡されるのが通例だと思われますが、1本だけのこともあります。フリータイムで長時間の場合は電池切れになることもあるわけです。

同じ店に通い詰めてマイマイク使用が知られると、受付で渡されるカゴに赤外線マイクを入れなくなる店員や店長もいます。私は複数の店舗でそういう扱いを受けてきました。どうせ放置プレイになるだけのことですから、私も不満はありません。

時間が空いたのでマイクを持たずに寄ったとき、何も言わずに様子を窺ったことがあります。まだ働き始めて2~3か月のバイトくんでしたが、カゴには番号札とグラスだけが入っています。「今日は手ぶらだから」で赤外線マイクをゲットしました。

無線マイクの登場は1980年代後半

一般社団法人 全国カラオケ事業者協会の「カラオケ歴史年表」には、1987年の欄に「ワイヤレスマイクが脚光あびる」との記載があります。

それ以前は有線マイクしかありませんでした。マイクケーブルに躓いたり、次の人にマイクを渡そうとしてグラスを倒したりということは比較的日常の光景だったのです。

私の世代は、入学式も卒業式も文化祭も体育祭も遠足のバスの中も、すべてが有線マイクです。カラオケボックスが全国展開する1990年代には無線マイクが主流になっていました。屋外の運動会などは今でも有線でしょうが、30歳台以下は有線マイクにあまり馴染みがないはずです。

ネカフェ系やアミューズ系の複合店舗にとって、カラオケは付録に過ぎません。DAMとJOYの区別のつかない店員がいても(実話)、無理はないのです。マイマイクお断りの店舗も複合施設です。同じチェーンの別の店舗で1年ほど前(2017年頃)にこんな経験をしたこともあります。

その店舗はワンオーダー制です。私はマイマイクを接続して歌っています。店員はフードを運んできたとき、私のマイマイク使用を認識することになります。しばらくして、その店員が店長らしき人物と2人でドアの外から私の部屋を覗き込んでいる光景を目にしました。

マイボールやマイバレルはOKなのに

マイマイク使用を確認していたのではないかと思われます。店長?も店員も私の部屋に入ってくることはありませんでした。インターホンが鳴ることもありませんでした。スルーされたようです。もしダメだと言われればもちろん従いますが、釘は刺すつもりでいました。

ボウリングのコーナーではマイボールやマイシューズを売っています。ダーツでもマイバレルを販売しているのです。むしろマイマイクを売り込んで収益につなげるほうが企業としては賢明なはずです。優待券目当ての株主としては、そういう論法も用意していました。

マイマイク使用によって、店舗が不利益を被ることはほぼありません。私が使わないことで備え付けマイクの寿命は伸びるわけです。マイク消毒の手間も1回省くことができます。店の赤外線マイクは充電式ですので、電力消費の抑制にもかすかに貢献します。店舗にも地球にもやさしいのです。

▲【2022/07/14追記】このチェーン店は、コロナ禍に赤外線マイクを景品とする企画を展開していました。冒頭の店舗がどう対処したのか私は知りません。あのテプラはたぶん数か月で剥がされたに違いないと踏んでいますが、別の事情もあってその後は1度も足を運んでいません。

では、冒頭の店はなぜマイマイクを禁止にしたのでしょうか。全然見当違いかもしれませんが、考えられる理由は3つほどあります。1つは、音量ゼロ(または電源OFF)にせずマイクを抜き差ししたことで、スピーカーやアンプを破損させてしまったというケースです。

音量ゼロで抜き差しすべし

有線マイクをカラオケ機器に接続する場合、カラオケ側の音量をゼロにしてから接続しなければなりません。音量を絞らないままで接続したり外したりすると、予期せぬ大音量のノイズが発生することがあります。「けいおん!」にもそんなシーンがありました。

ノイズが発生しないこともありますが、ビックリするような不意打ちを食らうこともあります。これが心臓によくないのは、単に自分が驚くという理由だけでなく、機材にダメージを与えるからです。実際にはリース契約が圧倒的に多いのでしょうが、カラオケ機器やスピーカーは高価です。

もし店側に直接的な被害が生じているなら、マイマイクを禁止したくなるものでしょう。とはいえ、仮にマイクの抜き差しが原因でスピーカーが壊れたのだとしても、店側が因果関係を証明することは困難だと思われます。

マイクケーブル

もしスピーカーから煙が出ている状態で店員が部屋に駆けつければ、アクシデントが起きた直後だということはわかります。なぜそうなったかを店側が把握することはできません。

私は内部ツマミの戻し忘れがマイマイク禁止の原因ではないかと睨んでいます。もともと入力ツマミは赤外線マイクに最適化された設定になっているはずです。ですから、有線のマイマイクを使おうとすると、入力ツマミの調整が必要となる場合があります。

内部入力ツマミの戻し忘れ

退出時に元に戻せば何の問題も起きませんが、故意であれ過失であれ、これを忘れてしまうと、次の客が赤外線マイクを使うときに大音量でハウリングしまくることも起こり得ます。

ボウリング施設の支配人がカラオケ機器の内部入力ツマミの存在を知っているとは限りません。メンテ契約はしているでしょうが、自分たちで解決できなければ、しばらくその部屋が使えなくなり、店舗には実損が生じます。

実際、入力ツマミを最大にしてもマイクがほとんど入らなかったことがありました。店の赤外線マイクでも入らないのです。しばらく格闘して店員を呼ぼうと思ったところで、アンプが目一杯絞られていることに気づきました。

冒頭の「マイマイクお断り」は内部ツマミの戻し忘れが原因だろうと私は考えています。なぜなら、私はこの店舗で内部ツマミが異常な位置にセットされているケースを何度も経験していたからです。それは例外なく採点履歴が100点で埋まっている部屋でした。

私のマイクはその設定ではハウリングを起こしてしまいます。歌えたものではありません。私は内部ツマミの位置をメモして元に戻していますが、このようなケースでは無難に12時の位置にセッティングして帰っています。何月何日何号室と特定することは今でも可能です。

行かなければいいだけ

実はもう1つの可能性があって、赤外線マイクのマイマイクを持ち込んだのかもしれません。ただ、ワイヤレスならマイク端子は使わないわけですから、あの場所にテプラを貼り付けることはないでしょう。貼るとすればレシーバーのほうです。

何度か客から苦情が入る→前に誰が使ったか調べる→あいつはマイマイク派だ→マイマイク禁止にしてしまえ、という乱暴な発想でそうなったのだろうと私は推理しています。生まれたときからの赤外線マイク世代なら、有線マイク禁止を言い始める店長がいてもおかしくありません。

ユーザー側が店舗に確認してからマイマイクを使うべきだという議論があるのは承知していますが、私は同意できません。その理屈で言えば、スマホの充電やヘッドホンの接続もいちいち許可を要することになるはずです。

責任者がいればまだしも、何も知らないバイト店員には可否を判断することができません。結果として待たされるだけです。要は、店とトラブルにならなければそれでいいわけです。ワンオーダー制なら、店員の前でマイマイクを使っていて何も言われなければ、それは黙示の承諾です。

もしNGだと言われるのなら、郷に従うだけです。それが理不尽で不合理な理由なら、ユーザーには次から行かないという選択肢があります。

第119回決勝第2ラウンド

さて、「マイマイクお断り」は第119回の決勝第2ラウンドでした。通常回の決勝ラウンドでは15曲を2セット歌っています。マシン内部のマイク入力のツマミはMIC1が10時でMIC2が12時でした。

受付で渡されたカゴには緑と黄色のマイクが入っていましたが、どちらがMIC1なのかわかりませんので、両方とも12時にセットして前半15曲を歌いました。前半15曲の平均はボーナス込みで93.8点でした。

得点(素点+ボーナス)音程安定性表現力リズムV&L
前半93.8(92.4+1.4)点88.3%82.985.596.485.7
後半94.5(93.2+1.3)点88.2%81.888.897.186.5
去年94.5(92.9+1.7)点85.6%82.490.996.085.9
117回93.0(91.2+1.8)点83.5%79.290.196.782.4
118回93.7(91.8+1.9)点84.0%79.692.694.883.3
119回93.7(92.0+1.7)点85.2%78.990.597.284.0
▲チャート5項目の比較

後半は内部ツマミを14時に設定して、同じ黄色のマイクで歌いました。後半15曲の平均は94.5点でした。この94.5点は去年1年間の精密DX-Gの平均と同じです。決勝ラウンドの平均は予選ラウンドより2点前後上がるのが通例ですが、今回は平常営業です。

原因は明らかです。表現力が上がりません。表現力が出ないのでリズムを犠牲にして音程を意識したのが第119回決勝第2ラウンドです。カラオケ店舗の赤外線マイクは当たり外れが大きく、調整に手間取ることがあります。

今回はサンプル採取のために「前半12時、後半14時」で固定しましたが、その目的がなければもっといじったはずです。去年の精密DX-Gで、表現力の数値別の平均点を調べてみました。括弧内は95点以上、95点未満90点以上、90点未満の比率です。

表現力得点(95以上、95-90、90未満)
98-9695.2点(63.5%、34.4%、 2.1%)
95-9395.1点(60.8%、37.6%、 1.6%)
92-9094.6点(47.3%、50.6%、 2.1%)
89-8794.1点(37.6%、60.4%、 2.0%)
86-8493.2点(15.9%、77.3%、 6.8%)
83-8192.6点( 4.0%、86.7%、 9.3%)
80-7892.0点( 0.0%、86.7%、13.3%)
77以下92.1点( 3.4%、75.9%、20.7%)
▲表現力に対応する得点(DX-G)

表現力が86~84では95点以上の比率は15.9%に過ぎず、95点取るのに四苦八苦するわけです。第115回の「すこしだけやさしく」では、表現力75で95点オーバーがありましたが、これは音程92%に助けられたレアケースでした。

  • 95.343(93.947+1.396)点 92% 安84 表75 リ99 VL93

というわけで、この店舗からはしばらく足が遠のくことになりそうです。

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