富山県東端のアメダス泊は消防署移転でアメダス朝日に

2019年台風19号に伴う関西の降水量

奈良県では台風19号による人的被害は発生せず、住戸被害も床下浸水が3棟のみでした。避難指示や避難勧告も出ていません。ただし、雨量は意外に多く、10月12日の日降水量は県内13か所のアメダス観測地点のうち7か所で歴代10位以内でした。

観測所日降水量過去最高開始
3位曽爾310.5mm370mm(2017/10/22)1976~
3位172.0mm220mm(1982/8/1)1976~
4位大宇陀163.0mm235mm(1982/8/1)1976~
6位吉野194.0mm270.0mm(2017/10/22)1976~
2位五條149.0mm254.5mm(2017/10/22)2005~
9位葛城126.0mm256.5mm(2017/10/22)1981~
▲奈良県の日降水量

天川(てんかわ)は296mmで5位でしたが、観測開始が2010年ですので除外しています。1位の記録が多い2017年10月22日は中心気圧950hPaで掛川に上陸した台風21号です。

関西では次の4地点でも歴代10位以内の降水量が観測されています。

観測所府県日降水量過去最高開始
9位新宮和歌山300.0mm532.0mm(2017/10/22)1976~
6位河内長野大阪140.5mm263.5mm(2017/10/22)1976~
6位信楽滋賀163.0mm235mm(1982/8/1)1976~
8位東近江滋賀119.0mm217.5mm(2017/10/22)1976~
▲関西の日降水量

2019年台風19号に伴う富山の降水量

富山県では、正午過ぎから富山市などで停電が発生し、土砂崩れによる県道の通行止めも発生しています。新潟県境近くのアメダス朝日では10月12日に観測史上1位の降水量を記録しました。

観測所日降水量過去最高開始
9位猪谷107.5mm222.5mm(2018/7/5)1996~
1位朝日230.0mm212mm(1985/7/8)1976~
▲富山の日降水量

アメダス観測点は1970年代に設置されていますが、泊駅の近くで旧・泊町にあったせいか「泊」の名称でした。すでに消滅した観測地点ですので、特定したストビューを掲載しても問題はなかろうと思われます。朝日町のストビューは2014年9月撮影のものしかありません。消防署の屋上に風向風速計を確認することができます。

気温や雨量観測の露場は建物の裏に設けられていたようです。この消防署は2017年10月に現在地に移転しています。これに伴い、アメダス観測点は約2キロ離れた箇所に新たに設置されました。

アメダス朝日
アメダス朝日(地理院タイルを加工)

アメダス朝日

朝日における観測は2017年9月末から始まっていますが、風向風速以外は「泊」時代の観測値を継承しているようです。朝日の標高は43mで、泊時代の標高は12mか13mほどです。アメダス朝日の2020年の観測値は次のとおりです。冬の降水量が多く日照時間が少ない北陸の気候ですが、風速は強めです。

年降水量2806.5ミリ185位/1293地点
年平均気温14.3℃433位/922地点
年最高気温35.8℃459位/922地点
年最低気温-6.5℃481位/922地点
年較差42.3℃482位/922地点
年平均風速3.1m/s187位/921地点
年日照時間1506.9時間670位/841地点
▲アメダス朝日の2020年観測値

月別の降水量は次のとおりです。

アメダス朝日の月別降水量
アメダス朝日の月別降水量

富山県下新川郡朝日町は1954年に泊町など1町6村の合併で成立しています。町名は朝日岳に由来するそうです。

アメダス朝日周辺(地理院タイルを加工)

朝日町は富山県最東端の自治体です。越中と越後の関所跡付近はそのままの「境」という地名です。県境の川となる「境川」の先には親不知・子不知があります。なお、北海道の士別市朝日町に同名のアメダス朝日があります。自治体としての朝日町は山形と三重にも現存します。

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