「歌唱を伴う飲食店」を「カラオケ店」と呼ばないで

建築基準法では、カラオケボックスは第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域には「建築してはならない」とされています。いわゆるカラオケ喫茶は、制限がもっとも厳しい第一種低層住居専用地域であっても、住居兼用で床面積制限をクリアすれば開業可能です(営業時間帯は条例次第です)。

迷惑なのが「カラオケ店」というくくりです。一般的にはカラオケ店とはカラオケボックスを想像するはずです。茨城県は、クラスターのおそれがあるということで複数の「歌唱を伴う飲食店」の利用者に対して保健所への連絡を求めています(8月5日時点では店名公表せず)。

飲食店等で歌唱を通じた感染が広がっています
茨城県>飲食店等で歌唱を通じた感染が広がっています

これは歓迎できない発表です。報道では「歌唱を伴う飲食店」が「カラオケ店」になっています。東海村は読谷村に次ぐ人口2位の村で、町制施行要件は満たしています。それでも人口3.7万人の村に多くの「カラオケ店」があるわけではありません。Google Mapで「東海村 カラオケ」を検索すると1件しかヒットしません。

2014年5月撮影のストビューを埋め込みました。東海駅から徒歩7分、村役場に向かう途中のもみじ通り沿いです。

メディア等で報道されております、
東海村のカラオケ店を利用された方が
新型コロナウイルスに感染された件について
カラオケドレミ東海店におきましてはそのような事実はございません。

カラオケドレミ>東海村近隣施設の新型コロナウイルス感染報道について

1件しかヒットしないなら、疑われてしまうのは当然のことです。「東海村 カラオケスナック」で改めて検索するとドレミさんを含めて8件、「東海村 カラオケパブ」なら5件、「東海村 カラオケ喫茶」なら4件ヒットします。クラスターのおそれがあるのは「カラオケ機器を備えた飲食店」なのであって、茨城県は「カラオケボックス」と断定していません。

8月6日になって、那珂市の「カラオケ店」については店舗名が公表されています。ストビューでこの店舗を見ると、昼の部と夜の部の営業時間を記した看板を確認できますので、カラオケ喫茶やカラオケスナックのカテゴリーに属する店舗と思われます。

個室があるのがカラオケボックスです。したがって、建築基準法(施行令?)ではネカフェやテレクラはカラオケボックスに準ずる扱いを受けます。私はwithコロナではヒトカラしか行っていませんので、感染リスクはほとんどありません。

私は義理の拍手やヤケの手拍子を苦痛に感じますし、ましてキンキラリン(チンチクリン?)の衣装を身につけるのはまっぴらです。ヒアキントスはおぞましく、見るのも見せるのも避けたいと考えるタイプです。

カラオケ喫茶あるいはカラオケスナックもしくはカラオケパブまたはカラオケバーでは、店内のカラオケ機器はおおむね1台であり、同一の閉鎖空間に複数人が押し込められます。しかも客は入れ替わり立ち替わりです。キャバクラやホストクラブのVIPルームなら人数が限られ、ライブハウスは時間が限定されますので、まだ感染リスクは少ないはずです。

結果的にカラオケボックスが不当に酷い扱いを受けているように感じられてなりません。個室のカラオケボックスと、店内1台のカラオケ機器で多人数が歌う歌唱を伴う飲食店を、十把一絡げで「カラオケ店」としてほしくありません。「混ぜるな危険」なのです。

なお、「カラオケスタジオ◯◯」はカラオケボックスの屋号としてそれなりに実在しますが、カラオケ喫茶、あるいはカラオケスナック、もしくはカラオケパブ、またはカラオケバー、ときにはカラオケラウンジ、それにカラオケステージの類であることが圧倒的に多いと思われます。

総務省の経済センサスでは、カラオケボックス業は「個室において,主としてカラオケを行うための施設を提供する事業」とされています。カラオケスナックは「バー,キャバレー,ナイトクラブ」のくくりであり、カラオケ喫茶はおそらく「喫茶店」です(「音楽喫茶」は例示されていますが、カラオケ喫茶は明示されていません)。

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