「三原」は多いのに、「二原」が少ないのはなぜ?

「一原」から「九原」と「百原」「千原」「万原」

地理院地図で「一原」から「十原」までと「百原」、「千原」、「万原」を検索してみました。

一原4件島根県邑南町仏一原(ほとけいちはら)
二原7件宮崎県小林市 二原遺跡公園(にわら)
三原205件広島県三原市(みはら)
四原1件熊本県南関町四ツ原(よつはら)
五原0件
六原7件岩手県金ケ崎町 東北本線六原駅(ろくはら)
七原7件石川県白山市七原町(しちはら)
八原7件茨城県龍ケ崎市 市立八原小学校(やはら)
九原0件
十原5件長野県飯田市南信濃南和田十原(とつぱら)
百原3件都城市山田町山田百原(もばら)
千原70件熊本市 市立千原台高校(ちはら)
万原2件島根県松江市 万原郵便局(まんばら)
▲「一原」から「万原」

文字列の検索になってしまいますので、「一原」では「福島第一原子力発電所」がヒットします。地名としての「一原」は実質1件です。件数=箇所数ではありません。

「宮崎県小林市真方二原」はNAVITIMEさんでは「にら」のフリガナですが、小林市Webサイトでは「二原遺跡公園」が「にら」です。小字は「にはら」で、遺跡公園は「にわら」なのかもしれません。動画もあります。

姓と同様、地名でも圧倒的に多いのは「三原」であり、「千原」がこれに続きます。おそらく数字にあまり意味はないものと思われます。もし数字に意味があるなら、3より2のほうが多いはずです。3が多くて2が少ない理由を合理的に説明することができません。

三原市と三原山と源氏説

広島県三原市に関して、Wikipediaには次のような記述があります。江戸時代にはこの説が唱えられていたようです。

三原の名の由来は、旧三原市街地の後背にそびえる桜山などの谷間に、湧原、駒ヶ原、小西原の3つの川の流れ出たところにできた平地である原があり、その3つの「ハラ」から「三原」と呼ばれるようになったとの説がある。

Wikipedia>三原市

城と隣接しているのが三原駅です。3つの原を探してみました。

三原市中心部
三原市中心部(地理院タイルを加工)

「湧原」に相当するのは東の「和久原川」のようです。「駒ヶ原」は「駒ケ原町」が残っています。「駒ケ原トンネル」や「駒ケ原橋」もありますので、三原駅に向かって南下する川のことだと思われます。そうすると「小西原」は「西野川」になります。

伊豆大島の三原山に関しては次のように記述されています。

名前の「三原」は、出産のように溶岩や土石流を噴出することから、子宮や体内を表す「御腹(みはら)」から来ているとされる

Wikipedia>三原山

福岡県小郡市には御原小学校や御原郵便局があります。読みは「みはら」です。三原については源氏由来とする説もあります。「源」を分解すると、「さんずい」と「原」になるというわけです。地理院地図で「美原」を検索すると120件ヒットします。

「原」のつく基礎自治体

現存する基礎自治体で「原」がつくのは次のとおりです。

青森五所川原市わら
宮城栗原市はら
宮城大河原町わら
福島北塩原村ばら
栃木大田原市わら
栃木那須塩原市ばら
群馬長野原市はら
千葉茂原市ばら
千葉市原市はら
東京檜原村はら
東京小笠原村わら
神奈川相模原市はら
神奈川小田原市わら
神奈川伊勢原市はら
神奈川湯河原町わら
山梨上野原市はら
長野原村はら
岐阜各務原市はら
岐阜関ケ原町はら
静岡牧之原市はら
愛知田原市はら
滋賀米原市ばら
大阪松原市ばら
大阪柏原市わら
奈良橿原市はら
奈良田原本町わら
岡山井原市ばら
広島竹原市はら
広島三原市はら
広島庄原市ばら
広島上石高原町
愛媛久万高原町
高知梼原町はら
高知三原村はら
長崎島原市ばら
長崎南島原市ばら
熊本西原村はら
宮崎高原町はる
沖縄西原町はら
沖縄与那原町ばる
沖縄南風原町ばる
▲「原」を含む現存市町村

消滅自治体も調べようとしましたが、あまりにも数が多くて断念しました。「田原村」だけでも15あります(愛知県田原市のみ現存)。

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