雑木林
体長3.5mのニシキヘビなら簡単に見つかるだろうと最初は思ったものですが、横浜市戸塚区で6日に逃げ出したアミメニシキヘビはまだ見つかっていません。ニュース映像では排水溝や川などが捜索されていますが、裏の雑木林に潜んでいるのではないかと私は睨んでいます。

この雑木林は横浜市戸塚区名瀬町と上矢部町にまたがり、結構な広さがあります。飼われていたアパートは標高25m弱ですが、山頂は60m以上です。雑木林には送電線の鉄塔が設置されたりしていますが、容易に足を踏み入れることができないところもあるに違いありません。
体長10センチのサソリならいざ知らず、いくら夜行性とはいえ3.5mのニシキヘビが2車線道路を渡れば誰かが見かけるのではないか思われます。雑木林の北側はそれなりに交通量がありそうな道路と並行して名瀬川が流れています。名瀬小学校は道路と川の向こうですのでそこまでは行かないでしょう。
雑木林の南の阿久和川に逃げ込むには民家を通過する必要があります。ニシキヘビがうまい具合に橋を渡るとも思えず、上矢部小のほうに出没することもないはずです。
川に入ったら江ノ島コース
名瀬川も阿久和川も柏尾川に合流します。川に入ってしまうと、護岸の傾斜からして自力では上がれそうにありません。柏尾川は東海道線に沿って南流し、藤沢で境川に合流します。その行き先は江の島です。

インドネシア産のニシキヘビだったようです。乾燥地帯の生き物ではありませんので、いずれは水場を求めて移動することになるはずです。逃げ出した当日は雨です。
辻堂 | 海老名 | 横浜 | |
5/1 | 11.0 mm | 10.5 mm | 11.0 mm |
5/2 | 0.0 mm | 0.0 mm | 0.0 mm |
5/3 | 0.0 mm | 0.0 mm | – |
5/4 | 0.0 mm | 0.0 mm | 0.0 mm |
5/5 | 0.0 mm | 0.5 mm | 0.0 mm |
5/6 | 3.0 mm | 3.0 mm | 5.5 mm |
5/7 | 2.0 mm | 2.5 mm | 1.0 mm |
5/8 | 0.0 mm | 0.0 mm | – |
【2023/02/07追記】脱走したニシキヘビは5月22日の夕方、逃げ出したアパートの天井裏で見つかりました。1990年の事例もそうですが、それほど遠くには逃げないもののようです。以下は、蛇とは関係なく単に地名(「名瀬」と「上矢部」)の話です。
名瀬小は「なせ」と「なぜ」
名瀬小学校は鹿児島県の奄美市にもあります。奄美大島の名瀬市(なぜし)は2006年に笠利町、住用村(すみようそん)と合併して今は奄美市です。横浜市戸塚区の名瀬町は濁らずに「なせちょう」です。2019年4月撮影のストビューを埋め込みました。

ほかに真名瀬、松名瀬、矢名瀬、乙名瀬などの地名はありますが、「名瀬」単体では沖縄県座間味村に「なじ」と名付けられた岩礁があるだけです。

上流・下流の上下関係
一方の「上矢部」の地名は相模原市中央区と大分県宇佐市にあります。いずれも読みは「かみやべ」です。一般的に地名の「上下関係」は川の上流・下流で決まります。
大分県宇佐市の場合、寄藻川(よりもがわ)上流に上矢部があり、下流に下矢部があります。横浜市戸塚区には上矢部町と矢部町がありますが、下矢部町はありません。柏尾川の上流が上矢部町です。原則どおりです。
相模原はJR横浜線矢部駅の南側が矢部1~4丁目で、駅の北側に矢部新町と矢部新田を挟んで上矢部1~5丁目があります。下矢部はありません。

不思議なことに、地図では左下の矢部駅から上矢部方面は下り坂になります。淵野辺1丁目の標高点は119mですが、上矢部2丁目の標高点は10m低い109mです。これは地名の常識に反します。地図をよく見ると、都県境を越えた町田市に「矢部町」があります。

都県境を流れる川は偶然にも境川です。相模原市上矢部は同市矢部と対になるのではなく、町田市矢部町の「上」だったわけです。やはり上流・下流の「上下関係」が反映された「上矢部」なのでした。
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