地名の読み方に関しては郵便番号検索などに頼ることが多いのが実情です。ところが、郵便番号検索や地図サイトが間違っているのではないかと思われることもないわけではありません。たとえば、奈良県大和郡山市の「今国府」町については「いまごう」ではなく「いまご」ではないのかという疑念を私は抱いています。
西条市小松町
四国の左上の出っ張りは高縄半島と呼ばれています。「半島」には厳密な定義などありませんが、海岸線と接続部の比率は3:1以上ほしいと個人的には考えています。かなり緩めの半島が高縄半島です。北東の先端部に今治、西の付け根に松山、東の付け根に西条という配置です。
小松町は、2004年に西条市、東予市、丹原町と合併して今は(2代目)西条市です。小松町中心部から南に14キロには、西日本最高峰・標高1982mの石槌山がそびえています。石高1万石の小藩とはいえ寛永年間から廃藩置県に至る約230年に渡って、小松藩の陣屋は今の西条市小松町新屋敷に置かれました。
西条市立小松小学校や愛媛県立小松高等学校は、「養生館」と呼ばれていた小松藩の藩校の流れを汲んでいるようです。少し離れたところにある西条市立小松中学校を含めた3校の所在地は次のとおりです。
西条市立小松小学校 | 西条市小松町新屋敷甲280-1 |
西条市立小松中学校 | 西条市小松町南川甲208 |
愛媛県立小松高等学校 | 西条市小松町新屋敷乙42−1 |
「かぶと」って
3校の住所をNAVITIMEさんで検索してみました。
「甲」は「かぶと」と読むのでしょうか。末尾の「甲」を「かぶと」と読む地名はないわけではありません。2018年6月撮影のストビューは神戸市灘区の鶴甲(つるかぶと)2丁目交差点です。鶴甲山を削って宅地造成した地域です。
乙がある以上
島根県大山町の甲川は「きのえがわ」と読みますが、西条市小松町の場合には新屋敷乙や南川乙があることから、「甲」は甲乙丙…の「甲」であることは明らかです。123…、ABC…、アイウ…、いろは…に相当します。不動産登記簿ではいまだに「甲区」「乙区」は現役です。甲乙丙…の「甲」なら「かぶと」とは読まないだろうと思われます。
ただ、西条市はカブトガニの繁殖地でもあります。カブトガニの縁で「甲」をあえて「かぶと」と読むのかもしれません。
西条市Webサイトにはカブトガニの方言上の呼び名が掲載されていました。やはり「甲」を「かぶと」と読むのは無理がありそうです。
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