青森&岩手の「戸」
青森&岩手の太平洋側県境付近に一戸町、二戸市、三戸町、五戸町、六戸町、七戸町、八戸市、九戸村があります。
寛永年間まで「四戸」もあったそうですが、二・三・九を残して解体再編され、その後「四戸」だけは復活し損ねたということです。二・三・五・六の並びから、四は三と五の間にあったと言われることが多いようですが、実際には三と八の間にあったようです。
つまり、「四戸」=南部町という理解でそれほどの誤りではなさそうです。今の五戸町浅水から南部町を挟んで八戸市島守に至る付近が「四戸」だったということです(外部リンク1)。
【外部リンク】
(1)■レファレンス協同データベース>「一戸」から「九戸」までの地名のうち、なぜ「四戸」だけがないのか。
(2)■写録宝夢巣>姓名ランキング
櫛引八幡宮は通称「四戸八幡宮」だそうです。これを「しのへ」と読むのか「よんのへ」と読むべきなのかは、わかりませんでした。ちなみに、櫛引八幡宮の西参道沿いの萬榮堂さんでは「元祖鶴子まんじゅう」を製造販売していますが、別に宗教チックな命名ではないはずです。
「一」~「九」がつく名字
日本ソフト販売株式会社さんの「写録宝夢巣」名字ランキング全国TOP2000(外部リンク2)で、「一」~「九」のつく名字を集めてみました。左が1000位以内、右は1001位~2000位です。
一 | 0 | 4 | 一ノ瀬、一戸、一瀬、 一色 | |
二 | 1 | 二宮 | 5 | 二瓶、二村、二階堂、 二木、二見 |
三 | 15 | 三浦、三宅、三上、三好、 三木、三輪、三谷、三井、 三村、三島、三原、三橋、 三田、三枝、三沢 | 7 | 三瓶、三角、三澤、 三田村、三野、三戸、 三森 |
四 | 0 | 1 | 四方 | |
五 | 2 | 五十嵐、五味 | 1 | 五島 |
六 | 0 | 0 | ||
七 | 0 | 0 | ||
八 | 2 | 八木、八田 | 5 | 八巻、八幡、八重樫、 八島、八代 |
九 | 0 | 0 |
三の圧勝で、八が続きますが、六・七・九は2000位までに登場しません。
「一」~「九」がつく市町村
現存する市町村名で「一」~「九」を含む基礎自治体は次のとおりです。
一 | 4 | 愛知)一宮市 | 岩手)一関市 | 千葉)一宮町 |
岩手)一戸町 | ||||
二 | 3 | 福島)二本松市 | 岩手)二戸市 | 神奈川)二宮町 |
三 | 30 | 東京)三鷹市 | 埼玉)三郷市 | 兵庫)三田市 |
静岡)三島市 | 新潟)三条市 | 広島)三原市 | ||
兵庫)三木市 | 香川)三豊市 | 広島)三次市 | ||
神奈川)三浦市 | 青森)三沢市 | 徳島)三好市 | ||
北海道)三笠市 | 埼玉)三芳町 | 栃木)上三川町 | ||
香川)三木町 | 宮崎)三股町 | 奈良)三郷町 | ||
福島)三春町 | 秋田)三種町 | 山梨)市川三郷町 | ||
宮城)南三陸町 | 青森)三戸町 | 山形)三川町 | ||
奈良)三宅町 | 鳥取)三朝町 | 福島)三島町 | ||
東京)三宅村 | 高知)三原村 | 鹿児島)三島村 | ||
四 | 6 | 三重)四日市市 | 千葉)四街道市 | 愛媛)四国中央市 |
大阪)四條畷市 | 高知)四万十市 | 高知)四万十町 | ||
五 | 8 | 青森)五所川原市 | 新潟)五泉市 | 長崎)五島市 |
奈良)五條市 | 秋田)五城目町 | 茨城)五霞町 | ||
宮崎)五ヶ瀬町 | 熊本)五木村 | |||
六 | 2 | 青森)六戸町 | 青森)六ヶ所村 | |
七 | 6 | 石川)七尾市 | 北海道)七飯町 | 宮城)七ヶ浜町 |
青森)七戸町 | 岐阜)七宗町 | 宮城)七ヶ宿町 | ||
八 | 21 | 東京)八王子市 | 大阪)八尾市 | 青森)八戸市 |
千葉)八千代市 | 熊本)八代市 | 埼玉)八潮市 | ||
滋賀)近江八幡市 | 京都)八幡市 | 千葉)八街市 | ||
福岡)八女市 | 愛媛)八幡浜市 | 岩手)八幡平市 | ||
沖縄)八重瀬町 | 茨城)八千代町 | 鳥取)八頭町 | ||
北海道)八雲町 | 岐阜)安八町 | 岐阜)八百津町 | ||
東京)八丈町 | 秋田)八峰町 | 秋田)八郎潟町 | ||
九 | 6 | 福岡)北九州市 | 鹿児島)南九州市 | 千葉)九十九里町 |
大分)九重町 | 和歌山)九度山町 | 岩手)九戸村 |
最多が三で八が続くのは名字と同じ傾向ですが、一と二がそれほど多くありません。八はやはり日本人的には縁起のいい数なのかもしれません。八幡で4票、八千代で2票です。
地理院地図で検索
地理院地図で「一条・二条・三条…」などが何件ヒットするか検索してみました。
◯条 | ◯宮 | ◯本松 | ◯本木 | ◯度 | ◯島 | ◯郷 | ◯軒 | |
一 | 2457 | 306 | 122 | 103 | 2 | 1 | 5 | 8 |
二 | 2287 | 80 | 97 | 100 | 4 | 40 | 12 | 61 |
三 | 2098 | 22 | 83 | 115 | 7 | 324 | 121 | 155 |
四 | 1791 | 12 | 6 | 6 | 2 | 2 | 32 | 56 |
五 | 1570 | 3 | 31 | 7 | 0 | 86 | 20 | 57 |
六 | 1277 | 0 | 27 | 27 | 0 | 16 | 74 | 81 |
七 | 1063 | 3 | 4 | 11 | 0 | 13 | 17 | 32 |
八 | 879 | 3 | 62 | 5 | 0 | 63 | 16 | 188 |
九 | 796 | 0 | 0 | 1 | 14 | 38 | 4 | 15 |
「~条」は、きれいに一>二>三…です。「~宮」もその系統です。一宮がなければ二宮も存在しない以上、そうなるのが当然です。これに対して、「~島」系は1や2では普通すぎて名称としては不適なのだと思われます。レア感が生じるのが3以降なのでしょう。
また、2つだけの場合は東・西や南・北で処理できます。あるいは、本(町)や新(町)という対処も可能です。一や二が増えない理由はそういうことかもしれません。三が多いのは接頭語として「み」を兼ねているケースもありそうです。四がスキップ対象でより目立つのかもしれません
ラッキーセブンの伝来は明治以降でしょうから、奇数で素数の七が人気に欠けるのは理解できますが、六はもっと多くてもよさそうです。
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