伊賀市上野忍町(しのびちょう)で発砲事件

上野忍町

5月10日午前11時30分頃、三重県伊賀市の病院駐車場で発砲事件があり、名張市が本拠の絆会二次団体・由仁総業の組長が3発撃たれたということです。この病院には駐車場が2つあり、事件が起きたのは外来専用ではなく、料金を払えば一般車も停められる駐車場です。

犯人は徒歩で逃走したということですので、被害者がこの病院に通うことはリサーチ済みだったものと思われます。絆会関係なら、先日の豊中の事件とは無関係ということになります。

同乗していた被害者の奥さんは先に降りていたそうです。被害者が1人になるのを待っていたのだとすれば、少なくともロシア軍より良心的なヒットマンだと言えるかもしれません。

伊賀市
伊賀市周辺(地理院タイルを加工)

三重県と言っても伊賀や名張は淀川水系です。とくに名張は完全に関西圏と言い切ってよさそうです。両市合わせた人口は約16万人です。コロナ前のGWに伊賀上野で泊まったことがありますが、伊賀牛すき焼きの帰りにもう1杯飲める店は上野市駅周辺に見つかりませんでした。

犯人を捉えていたであろう防犯カメラです。2021年12月のストビューを埋め込みました。

姫路市忍町

事件が起きた病院は伊賀市上野忍町(しのびちょう)にあります。上野市が伊賀町など3町2村と合併したのは2004年です。旧・上野市は上野城の城下町であり、伊賀流の地元でもあります。同じ城下町の姫路にも「忍町」がありますが、読みは「しのぶまち」です。

姫路市忍町
姫路市忍町(地理院タイルを加工)

姫路市忍町は駅の姫路城側です。姫路城は御幸通り(地図の「姫」の字)を北上したところです。忍町ではありませんが、赤丸で囲んだ城南交番は竹中組の事務所跡です。山口組四代目の竹中組長が吹田市・江坂のマンション玄関で待ち伏せていた一和会組員に撃たれたのは1985年です。

石川県輪島市の忍町(しのぶまち)や千葉県銚子市の忍町(しのびちょう)は忍者由来ということではなさそうです。岩手県遠野市には「遠野物語」の柳田国男が通った忍(しだ)峠が、小樽市には忍路(おしょろ)があります。

埼玉県行田市には忍(おし)中学校があり、熊谷から流れる忍川もあります。地勢由来で、忍城を建てた忍氏も地名から忍氏を名乗ったようです。

葛城市忍海

ひときわ興味をそそるのは、奈良県葛城市の近鉄御所線・忍海(おしみ)駅です。よりによって奈良で海とは?

葛城市忍海
葛城市忍海(地理院タイル

忍海小学校、忍海郵便局、忍海駐在所もありますが、どうやら渡来人由来の地名のようです。

都が藤原京(694~710)にあったころ、葛上郡と葛下郡にはさまれて忍海郡が設置されていたことは確かで、忍海の名が使用されたのは鉄生産技術を持って朝鮮から渡来した人たちの集団である忍海氏の本拠地であったことによるものと推測されます。忍海氏のオシヌミが何を意味するのか明らかではありませんが、海に関係していたものと思われます。

葛城市>忍海(おしみ)

奈良市には忍辱山町(にんにくせんちょう)という読めない地名があります。「忍辱山」は当地に所在する円成寺(えんじょうじ)の山号です。「忍辱」とは、苦悩を耐え忍んで心を動かさない徳目を意味する仏教用語のようです。そちらの業界の苦悩はまだ続きそうです。

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