雨量計が水没?したアメダス赤江は宮崎空港

2019-2020年度の空港別旅客数と着陸回数

新幹線の恩恵を受けない宮崎では空路への依存度が高く、宮崎空港は地方空港(下表の無印)としてはトップクラスの旅客数を誇っています。2019年度と2020年度の空港別旅客数と着陸回数は次のとおりです。

2019年度 
旅客数
2020年度 
旅客数
前年度比2019年度
着陸数
2020年度
着陸数
前年度比
東京国際81,707,53620,037,61324.5%225,697112,99150.1%
那覇20,613,6596,588,70432.0%79,29450,29763.4%
福岡23,035,5786,502,26828.2%88,85546,01651.8%
新千歳22,814,9506,436,34528.2%77,39637,04147.9%
大阪国際15,765,0295,812,33336.9%68,60640,46459.0%
成田国際39,541,2692,996,7787.6%129,83653,63941.3%
関西国際28,663,0142,256,0547.9%98,03528,90429.5%
中部国際12,590,3872,015,41216.0%56,31420,92937.2%
鹿児島5,769,1201,833,97031.8%34,25221,80563.7%
仙台3,718,1801,217,89032.8%29,06518,71964.4%
神戸3,292,2981,213,38036.9%16,42311,61470.7%
新石垣2,572,1211,160,48045.1%12,4458,80970.8%
宮崎3,236,450922,85028.5%21,84612,75858.4%
長崎3,159,036888,63428.1%15,5789,49060.9%
熊本3,273,381848,97625.9%21,29914,28867.1%
宮古1,757,952802,65045.7%8,3545,97671.5%
松山2,987,114769,30725.8%15,3158,48355.4%
広島2,999,981737,31224.6%12,1775,45744.8%
函館1,679,366586,44034.9%8,8726,25370.5%
大分1,834,984557,65130.4%11,1766,93362.0%
▲2019年度と2020年度の空港別旅客数と着陸回数(国土交通省>空港管理状況

年度単位ですのでコロナ前とコロナ後の比較にもなります。新石垣空港や宮古空港の旅客数がそれほど減っていないのは、生活路線の要素があるからなのでしょう。鹿児島空港は離島便の乗り換えで9位を確保しています。

宮崎ブーゲンビリア空港

宮崎空港はもともと海軍の飛行場です。特攻基地の1つでもあります。戦後は航空大学校の本校が設置され、パイロット養成の役割を担ってきました。

1943年 海軍の赤江飛行場として開港
1954年 航空大学校が開校(1969仙台分校、1972帯広分校)
1990年 埋め立てで滑走路2500mに、新ターミナルビル開業
1996年 JR宮崎空港線が開業
2014年 愛称(哀称?)が「宮崎ブーゲンビリア空港」に

岬のように日向灘に出っ張った部分は埋立地です。西側にはJR日南線が走っていますので、海に向かって拡張したものと思われます。

宮崎空港

2017年で廃止されたアメダス青島は宮崎空港から8キロほど南です。下の地図の赤字は周囲のアメダス観測地点です。

赤江と青島
赤江と青島(地理院タイルを加工)

アメダス青島では500ミリの実績

アメダス青島は踏切の傍に設置されていました。埋め込んだのは2013年3月撮影のストビューです。2018年4月のストビューでは電柱ごと撤去されており、雑草が茂っています。

このように平場のアメダス観測所を探すのはたいして難しい話ではありません。空港内の観測施設はそう簡単ではありません。空港の敷地はあまりにも広く、ストビューは限られています。衛星写真でたぶんこれだろうと絞ることはできますが、ストビューがないとなかなか特定できません。

アメダス青島では2001年10月16日の日降水量が539ミリです。当日は宮崎気象台でも217ミリを観測しています。宮崎では1939年の同じ10月16日に587.2ミリの日降水量が観測されています。ということは、赤江でも1日500ミリの雨が降っても不思議ではないわけです。

アメダス赤江の2021年9月16日の時間降水量は次のように推移しています。左から時刻、降水量、気温、風速、風向です。19時以降の降水量が欠測です。

気象庁>アメダス赤江の2021/09/16の時間降水量

10分降水量では18:40以降が欠測になっています。測定不能のため、この日の日降水量は347.5ミリでストップしました。

雨量計が水没で故障?

宮崎空港に設置されている気象台の雨量計は、16日午後7時前から観測ができなくなっています。
雨量計は滑走路脇に設置されていて、管理する福岡航空地方気象台によりますと、今回の大雨で水没し、故障した可能性が高いということです。
こうしたケースは珍しく、機器を交換する作業を進めているということです。
宮崎空港では16日の夕方から激しい雨が数時間続き、雨量計のデータが途切れる直前の16日午後6時40分までの1時間には54ミリの非常に激しい雨を観測していました。

NHK>宮崎空港 大雨で滑走路冠水 水が引かず欠航 現在は通常どおり(9/17)

宮崎空港では滑走路の水没で17日午前8時20分到着予定の大阪便が引き返したそうです。降水量は17日も終日欠測のままですので「交換する作業」はまだ完了していないようです。

2020年の赤江の観測値は次のとおりです。日最高気温1位だったのが2019年は1回、2020年は3回、2021年も9/17時点で5回あります。

年降水量2159.0ミリ432位/1293地点
年平均気温18.4℃54位/922地点
年最高気温37.3℃215位/922地点
年最低気温-2.6℃222位/922地点
年較差39.9℃664位/922地点
年平均風速4.2m/s80位/921地点
▲アメダス赤江の2020年観測値

風速計の高さは7.6mとされています。海に近いほうに設置されているのかもしれません。

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