奈良・榛原の踏切事故、車止めがあるのになぜ進入?

近鉄大阪線・榛原第2号踏切で軽が脱輪

事件や事故のニュースに接すると、その場所のストビューを覗いてみたくなります。初期の段階では断片的な情報しかありません。どうしてそうなった?と思うことはしばしばあります。

12月14日午後6時過ぎ、近鉄大阪線の榛原(はいばら)駅-室生口大野(むろうぐちおおの)駅間の踏切で70歳代女性が運転する軽自動車が脱輪して立ち往生、6両編成の名古屋発大阪難波行き特急電車と衝突して、近鉄大阪線は榛原-名張間で4時間近く不通となりました。

踏切事故現場
踏切事故現場(地理院タイルを加工)

夕方の事故ですので事故処理のニュース動画は暗く、周囲の様子がよくわかりません。警報機・遮断機付きの車両通行禁止の踏切ということです。2013年10月撮影のストビューです。

二輪はOKの自動車通行止めの標識が見えます。「小特除く」になっていますので、幅が広くない耕運機系は行けるようです。ただ、車止めのポールが見えます。軽自動車では物理的に入れないのではないかとも思われます。

なぜ入れたのか

現場は奈良県宇陀市榛原福地の結構ややこしい場所です。国道165号線と近鉄大阪線は並走しています。

榛原第2号踏切
榛原第2号踏切(地理院タイルを加工)

カーブしているのは高架の榛原バイパスです。踏切はちょうど川の合流地点に設けられています。緑の線はストリートビューです。踏切を確認できるのは上の角度からに限られます。これだけの情報では、立ち往生した軽自動車がなぜ踏切に進入できたのかわかりません。

(1)70代女性は手前の車止めを壊して踏切に突入した
(2)手前の車止めが壊れていたので踏切内に進入できた
(3)向こう側の車止めを壊して踏切に進入した
(4)向こう側には車止めがなかったか壊れていた

車止めは金属系の硬い素材のように見受けられます。車にダメージを与えないソフトな素材ではないようですので、軽自動車で手前の車止めを突破するのは難しそうです。(1)の可能性は低いと思われますが、(2)の可能性は排除できません。

すり抜けられそう

反対側(地図の右側)の踏切の様子はストリートビューがありませんのでわかりません。そもそも車止めが設置されていなかったのかもしれません。釈然としない思いで検索を続けていたら、動画が見つかりました。この動画は前半が反対側から、後半が国道165号側から撮影されています。

サムネでもわかりますが、反対側は軽なら車止めをすり抜けられそうです。「自動車はとおれません」の看板も設置されていますが、日没後ですので見えなかったのかもしれません。衛星写真は次のとおりです。東側の道路はUターン用なのかそこそこの広さがあるようです。

榛原第2号踏切

ということで、正解は限りなく(4)に近かったものと思われます。ポールは移設される運命にあるようです。

アメダス大宇陀

せっかくですので、近隣のアメダス大宇陀(おおうだ)を訪れてみました。観測施設は公園内に設置されています。榛原第2号踏切でも標高310m台ですが、アメダス大宇陀は標高349mとされています。風速計の高さは10mです。

2020年の観測値は次のとおりです。2020年8月5日の36.5℃は観測史上1位でした。気温の統計開始は1978年で36℃台は2回目です。標高がありますので、あまり気温は上がらないようです。

年降水量1736.5ミリ687位/1293地点
年平均気温13.6℃495位/922地点
年最高気温36.5℃348位/922地点
年最低気温-6.8℃492位/922地点
年較差43.3℃411位/922地点
年平均風速1.2m/s810位/921地点
年日照時間1748.8時間427位/841地点
▲アメダス大宇陀の2020年観測値

アメダス大宇陀の最大瞬間風速1位・24.9m/sは2018年9月4日に観測されています。関空橋のタンカー衝突事故が起きた台風21号です。

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