1893年に猛暑日24日の松山地方気象台

松山地方気象台の所在地は「松山市北持田町102」です。松山市駅から道後温泉に向かう途中です。市街地ですが容積率は200％の地域ですので、それほど高い建物を建てられる地域ではありません。標高は32.2ｍとされています。

観測露場には気温計や雨量計だけでなく、何が入っているのか百葉箱があります。ただのシンボルかもしれません。庁舎は1928年（昭和3年）築で文化庁の登録有形文化財として登録されています。風向風速については2006年から松山東高、2015年から桑原小での観測です。

▲松山地方気象台

松山地方気象台Webサイトには1890年開設時の所在地が「愛媛県温泉郡持田村」と記載されていますが、1889年の町村制施行時に「持田村」は消滅しています。ただ、現在地が北持田町で、松山東高は持田町2丁目ですので、至近距離の移転だったのだろうと推測されます。

松山地方気象台では最高気温35℃以上の猛暑日が今年は11日でした。1890年からの推移をグラフにすると次のようになります。

突出している1893年が気になりますので、2020年・2023年と比較してみました。2023年の年平均気温は10月までの実績に11月と12月の平年値で算出しました。

▲1893年、2020年、2023年の比較

1893年は真夏日と猛暑日が多かったものの熱帯夜は0日です。1893年の松山は、夜についてはしっかりと気温が下がっていたわけです。7月と8月の62日間の日平均気温は次のとおりです。

松山の年平均気温は次のように推移しています。今年は観測史上1位に並ぶ17.6℃が見込まれます。

松山では2018年12月4日に最高気温25.2℃が観測されており、これが松山では唯一の12月の夏日です。まだ夏日の可能性はありますが、グラフには今年も加えました。

9月と10月が7.5ミリだった注目の雨ですが、11月の降水量は20日まで42.5ミリで平年並みです（11月の平年値は71.3ミリ）。11月20日時点の石出川ダムの貯水率は62.3％で平年値の85.7％を下回り、16日から第1次取水制限が始まっています。水道用水についての制限はまだありません。

もともと雨の少ない地域ですので、普通に降ってくれればこの冬を乗り切れるはずですが、降るかどうかはわからないのが悩ましいところです。

松山地方気象台の最高気温は2018年8月7日の37.4℃で、37℃以上が観測されたのは5回です。2019年と2020年は最低気温が氷点下となる冬日がゼロでした。マイナス5.0℃以下は1981年以来ありません。2020年～2022年の観測値は次のとおりです。

▲松山の2020年観測値

▲松山の2021年観測値