人口減少下で増殖する未来大学や未来高校

羅臼町立知床未来中学校

アメダス羅臼がどこにあるのか探していたら、近くに羅臼町立知床未来中学校があるのに気づきました。知床未来中は羅臼町内唯一の中学校です。

知床未来中
知床未来中(地理院タイルを加工)

2018年に春松中と羅臼中が統合したようです。知床中でいいんじゃないかと思わなくもありませんが、学校名の「ミドルネーム」は公立でも流行りのようです。

2020年国勢調査の速報値で羅臼町の平均年齢50.7歳は1718市町村中900位台、老齢人口比率26.9%は1300位台です。顕著に老齢化が進んでいるわけではありません。ただ、人口は4,722人で2015年から5年間の人口減少率12.8%が76位タイです。ピークの1965年国勢調査では8,931人でした。

全国の未来大学、未来高校、未来中学

「未来」のつく学校が全国にどれだけあるのか調べてみました(通信制含む)。すでにミドルネームは「未来」単体では足りなくなっているようです。

2000公立はこだて未来大学函館市
2007東京未来大学足立区
2007未来高等学校松山市
2009飛鳥未来高等学校天理市
2011開智未来中学・高等学校加須市
2013東松島市立鳴瀬未来中学校東松島市
2015福島県立ふたば未来学園高等学校広野町
2016こころ未来高等学校長崎市
2016鳥取市立福部未来学園(高~幼)鳥取市
2017飛鳥未来きずな高等学校登米市
2018羅臼町立知床未来中学校羅臼町
2018北海道小樽未来創造高等学校小樽市
▲未来のつく学校

過去を美化するのも始末の悪い話ですが、未来が無条件に輝かしいものとは限りません。どちらかと言うと痛々しさを感じてしまうのは私だけではなかろうと思われますが…。

先駆となった公立はこだて未来大は、函館市立ではなく開校当時の1市4町が設立母体です(今は2市)。「はこだて」がひらがな表記なのは、ネームバリューを活用したい思惑とストレートに「函館」にはできない事情とが織り込まれているのでしょう。

ふたば未来学園高校

ふたば未来学園の「ふたば」も、双葉町だけでなく双葉郡8町村の意味のようです。人口と震災当時の高校は次のとおりです。大智学園は通信制の私立です。

2010年2020年震災時の高校
広野町5,4185,412
楢葉町7,7013,710
富岡町15,9962,128富岡
川内村2,8212,044富岡川内、大智学園
大熊町11,511847双葉翔陽
双葉町6,932双葉
浪江町20,9081,923浪江、浪江津島
葛尾村1,531420
▲双葉郡の人口と高校

双葉郡には分校2校を含む6校の公立校がありました。これらを統合する形で広野町に設立されたのが、ふたば未来学園です。2019年から中学校を併設して中高一貫校になっています。

ふたば未来学園
ふたば未来学園(地理院タイルを加工)

海岸から1.5キロの高台

2011年3月震災当時の衛星写真です。右上に見えるのが広野小学校になります。

ふたば未来学園2011(開設前)

2019年3月撮影の衛星写真です。標高50m以上の高台に開設されています。

ふたば未来学園2019

学校は広野小のように東西に長い校舎で建設されるのが一般的です。教室の窓は南向きで、廊下が北側に設置されるパターンです。ふたば未来学園はこの原則を逸脱しているのが新鮮です。

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