ウラ優勝校
第104回高校野球選手権大会は仙台育英が優勝しました。決勝戦敗退の下関国際に準決勝で負けたのは近江高校です。近江に準々決勝で負けたのは高松商でした。こうして地方予選まで辿った行き止まりのチームがウラ優勝校です。
(全国・決勝)仙台育英8-1下関国際
(全国・準決勝)下関国際8-2近江
(全国・準々決勝)近江7-6高松商
(全国・3回戦)高松商2-1九州国際大付
(全国・2回戦)九州国際大付2-1明徳義塾
(高知・決勝)明徳義塾8-7高知
(高知・準決勝)高知4-3中村
(高知・準々決勝)中村4-2高知工
(高知・2回戦)高知工8-0安芸・安芸桜ケ丘・室戸
(高知・1回戦)安芸・安芸桜ケ丘・室戸6-5高知丸の内・高知海洋・幡多農・清水
今年のウラ優勝校は4校の連合チームでした。
高知丸の内はその名のとおり高知城の近くです。追手前高校とは500mしか離れていません。海洋高校は土佐市です。浦ノ内湾の入口になります。幡多農は四万十市(旧・中村市)、清水は土佐清水市です。
浦ノ内湾と横浪半島
高知県立高知海洋高校は、1997年に室戸岬水産高校、清水高校漁業科、高岡高校宇佐分校を統合して発足しています。清水高校の普通科は存続しており、高岡高校(本校)もそのまま残っていますので、学校の数が減ったわけではありません。
1959年に高岡町が市制施行する際、富山県高岡市との重複を避けた結果、土佐市になっています。当時の高岡高校宇佐分校は前年の合併前まで宇佐町(うさ-ちょう)でした。OBに野村貴仁がいます。
萩岬と竜岬を結ぶ線から西が浦ノ内湾です。奥から入口が全く見えないこの形状で、長さが10キロに及ぶ湾はそうあるものではなく、橋が1本しかないのもマニア的には嬉しい話です。
明徳義塾高校がある半島は、どうやら「横浪半島」と言うようです。ただし、地理院地図には掲載されておらず、Google Mapにも「横浪半島」の表示はありません。Open Street Mapで検索しても「該当するものはありません」になります。
今では、半島の付け根に「よこなみアリーナ」があり、半島を貫く県道47号は「横浪黒潮ライン」と呼ばれています。明徳が台頭した1980年代、私はこの半島の名前を調べた記憶があります。そのときはわからずじまいでした。
水産系高校の実習船
さて、商業高校以上に瀕死の危機にあるのが水産高校です。高知海洋高校は「土佐海援丸」という実習船を持っています。全国の水産・海洋系高校の実習船を調べてみました。
【外部リンク】
■帆船日本丸・横浜みなと博物館>日本の練習船・実習船一覧
リンク先の一覧から岩手の「海翔」(177トン)を除き、鳥取の「若鳥丸」と沖縄の「海邦丸」を加えました。高校で使われている200トン以上の実習船ということになります。
若竹丸 | 692トン | 63.52m | 北海道 |
北鳳丸 | 664トン | 63.60m | 北海道 |
青森丸 | 660トン | 65.68m | 青森 |
りあす丸 | 499トン | 57.52m | 岩手 |
宮城丸 | 650トン | 64.13m | 宮城 |
鳥海丸 | 233トン | 44.82m | 山形 |
福島丸 | 665トン | 63.65m | 福島 |
鹿島丸 | 313トン | 47.23m | 茨城 |
千潮丸 | 499トン | 56.09m | 千葉 |
大島丸 | 681トン | 59.05m | 東京 |
湘南丸 | 696トン | 65.48m | 神奈川 |
海洋丸 | 322トン | 45.41m | 新潟 |
やいづ | 559トン | 65.24m | 静岡 |
愛知丸 | 299トン | 46.35m | 愛知 |
しろちどり | 499トン | 61.96m | 三重 |
みずなぎ | 258トン | 47.46m | 京都 |
但州丸 | 358トン | 49.87m | 兵庫 |
若鳥丸 | 516トン | 50.50m | 鳥取 |
神海丸 | 699トン | 68.02m | 島根 |
えひめ丸 | 499トン | 56.47m | 愛媛 |
土佐海援丸 | 486トン | 55.50m | 高知 |
翔洋丸 | 673トン | 64.37m | 香川・大分 |
海友丸 | 698トン | 61.01m | 福岡・長崎・山口 |
熊本丸 | 495トン | 54.87m | 熊本 |
進洋丸 | 646トン | 64.21m | 宮崎 |
薩摩星雲丸 | 645トン | 64.25m | 鹿児島 |
海邦丸 | 499トン | 56.97m | 沖縄 |
知床に沈んだカズワンは19トンです。秋田や北陸の水産系高校で実習に使われているのは沿岸漁業用のそのクラスの船のようです。500トン級の実習船の場合、建造費は15~20億円になるようです。年間のランニングコストもほぼ億単位です。
建造費20億で耐用期間を25年、維持費等のランニングコストを年1億とすると、年間1.8億円の経費です。2学級60人の3学年で180人が利用すると考えると、生徒1人当たり年100万円ということになります。意外と安いのかもしれませんが、他の高校にくらべて負担は大きいわけです。選択肢は残すべきでしょうが、圧縮されていくのは避けられそうにありません。
それにしても、気になるのが和歌山です。水産系の高校が現存しません。井脇ノブ子校長時代の和歌山国際海洋高(→国際開洋二高→和歌山南陵高)はいかにもそれらしい名称ですが、日高川町にあって海に面していません。
1948年まで和歌山県立水産学校があったようです。他県では旧制の水産学校が水産高校になっていますが、ひょっとすると和歌山では新制高校の水産系学科はなかったのかもしれません。
コメント
お久しぶりです。いや初めまして?
表の優勝は東北勢初優勝
ウラ優勝は連合チーム初のウラ優勝
表裏が同時に歴史が変わりましたね。
自分のページでもウラ優勝を公開してます。
私がまだ10代前半の頃、県代表校Aは1回戦でBに負けました。Bは2回戦でCに負け、Cは3回戦でDに負け、Dは準々決勝でEに負け、Eは準決勝でFに負け、Fは決勝でGに負けました。切り抜いていた地元紙の地方大会結果を辿ったのが最初です。
そんな楽しみ方もあるということで、どんどんやってください。