「国際救援友好協会」と「国際救護親善財団」は同じ

IRFF

Wikiには「国際救援友好協会」というページがあります。

国際救援友好協会(こくさいきゅうえんゆうこうきょうかい、IRFF; International Relief Friendship Foundation)は統一教会(統一協会)系の団体、ボランティア組織を標榜している。設立は1976年頃。1975年からは統一教会(統一協会)の重職を歴任してきた古参幹部の郭錠煥が主宰者となっている。

Wikipedia>国際救援友好協会(2022/12/18閲覧)

おやっ? 「Foundation」を「協会」と訳すものなのでしょうか。Google先生に聞いてみました。

Google翻訳

Wiki「統一教会関連の企業と団体」のページには、「国際救援友好協会(IRFF)」とともに「国際救護親善財団」が記載されています(2022/12/18時点、2行下)。日本ではたしかに「~協会」を名乗っていましたが、おそらくこの両者は同一団体です。

英文サイトには文鮮明・韓鶴子夫妻によって1976年に設立されたとの記述があります。

Founded in 1976 by Rev. Sun Myung Moon and Dr. Hak Ja Han Moon

INTERNATIONAL RELIEF FRIENDSHIP FOUNDATION

文鮮明氏の自叙伝では韓鶴子氏が1979年に設立したかのように書かれているそうです。別に深刻な間違いというわけでもありません。たくさんあって混同しているのか、(ゴーストライターが)ボケていたか、夫人を持ち上げる必要があったか、のどれかです。

実務上のトップだったのは郭錠煥氏ですが、郭氏は今は3男派です。今のIRFFがどちらに属するのかはわかりません。

We Are The World

IRFFは全国霊感商法対策弁護士連絡会の「統一教会関連団体リスト」には掲載されていません。ただ、「ご相談例」のページには「しんぜん会」や「野の花会」とともに関連団体として認定されています。

おそらく1980年代から90年代にかけての訪問販売による珍味売りをバージョンアップさせたものと思われます。もともと一部は寄付に回されるというトークを展開していたようです。それなら、それらしい団体を名乗って会員証を持たせたほうが話が早くなります。

最初から寄付を前面に出せば、コーヒー豆やハンカチ、靴下、手芸品が相場より高くても押し売りされる側は納得しやすくなります。

IRFF途上国に学校建設、ボランティア派遣フロンティア
野の花会福祉施設への寄付や慰問あゆみ
しんぜん会リフトカー、電動車いすの購入寄贈しんぜん

3団体はそれぞれに寄付?の目的が異なり、機関誌?も別々の名前です。共通点は団体名はあっても代表者の記載はないことです。これらの活動はここ10年ほどは確認できません。絶無ではないのかもしれませんが、あっても限定的なものと思われます。

IRFF神奈川県大和市中央林間3丁目
野の花会東京都杉並区下井草3丁目
しんぜん会東京都世田谷区松原6丁目

「カルト被害を考える会」の「統一協会の訪問活動」のページには、3団体の本部所在地が記載されています。ただし、これは20年前の情報です。あまり期待せずにストビューで訪ねてみました。

かつて統一教会(統一協会)のビデオセンターだったとされる建物が、今では別の宗教団体の施設になっていたり、地方議員の選挙事務所として使われていたりすることもあります。けっして無益な旅ではありません。

野に咲く花のように

IRFFはビルの3階ですので、ストリートビューでは様子を窺うことはできません。下井草の「野の花会」は2013年7月撮影のストビューで実店舗の佇まいを確認できます。

軒先テントには「福祉のお店 365日チャリティーの店 野花」と書かれています。外見的にはリサイクルショップです。だとすると、古物営業の許可が必要な業種です。このリサイクルショップは遅くとも2016年3月には閉店して空き室になっています。

松原6丁目の「しんぜん会」は小田急線梅ヶ丘駅北口の徒歩1分です。郵便局の手前になります。最古2009年9月から2018年9月までのストビューでは、やはりリサイクルショップのようです。ただし、屋号が「しんぜん」ではありません。

2020年12月のストビューでは空き室で、2021年5月以降のストビューでは、カフェとヘアサロンの併設店舗です。3団体とも店仕舞いしたのでしょうか。ひょっとすると、そうではないかもしれません。

各地の地方教会ではチャリティー名目のバザーを定期的に開いているようです。売れ残り品の処分や出品が貧相になりそうなときのフォローなど、古物商と提携したほうが何かと都合がいいはずです。最低限の需要はあるのですから、せっかくの免許を失効させずに片手間でも店舗営業を継続する価値はあるはずです。

昔の名前で出ています

梅ヶ丘駅から11駅先の川崎市多摩区に「福祉ショップしんぜん」という屋号のリサイクルショップがあります。駅から2分ほどです。同じ小田急線の駅近物件です。2020年10月以前のストビューでは「早稲田育英ゼミナール」ですが、2021年5月のストビューから「福祉ショップしんぜん」です。

梅ヶ丘川崎市多摩区
~2018/09リサイクル
2020/02空き室~2020/10進学塾
2021/05~珈琲&髪2021/05~しんぜん

梅ヶ丘は2020年2月の時点で退去済みです。この時点で川崎市多摩区は進学塾でした。梅ヶ丘の店舗がダイレクトに川崎市多摩区に移転して「しんぜん」を名乗ったわけではありません。

しんぜん会
しんぜん(地理院タイルを加工)

つまり、川崎市多摩区の「福祉ショップしんぜん」さんは、かつて統一教会系の団体だった「しんぜん会」と同じ名前を名乗っているだけです。教団との関係については「疑わしい」の範囲にとどまります。

関係なければ、わざわざこの名前はつけないだろうと思われます。リサーチ不足でたまたま一致しただけのことでしょう。一方で、関係があるのだとしても、さすがにこの名前だけは敬遠するのが普通ではなかろうかとも思う次第です。反省があるならこの名前は使えないはずです。

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