世界各国の人口1万人当たり新型コロナ死亡者数

日本の新型コロナによる死亡者数は少ないと盛んに喧伝されますが、これは見方によります。

（1）欧米にくらべればたしかに死亡者は少ない
（2）感染者数に対する死亡者の割合は世界中位
（3）人口に対する死亡者の割合は低い、ただアジアではむしろ高い

5/15 19:32のJohns Hopkins大の数値では、日本は感染者数で36位ですが、死亡者数では28位です。（2）の観点からは日本はどちらかと言えば死亡者が多い国の部類に属します。

日本より感染者が多く日本より死亡者が少ないのは、サウジアラビア、チリ、カタール、シンガポール、ベラルーシ、アラブ首長国連邦、バングラデシュ、ウクライナ、イスラエル、オーストリアと10か国ありますが、日本より感染者が少なく死亡者が多いのはインドネシアとフィリピンだけです。

5日ごとに各国の致死率等をチェックしてきましたが、今回は死亡者の対人口比を求めてみました。規定打席は感染者数1.6万人以上の37か国とし（前回の規定打席は感染者1万人以上の42か国）、人口順で21か国を加えました。

なお、これまで各国の人口についてはGLOBAL NOTEの数値を用いていましたが、5/1付で2019年の数値に更新されていますので、今回の致死率等も新しい数値を使って算出しました。

感染者数では激しく順位が入れ替わりました。ロシアは5日前の5位から2位へ、イギリスが4位から3位へ、ブラジルは前回8位から6位へ、インドが14位から12位へ、パキスタンが21位から19位へ、カタールは28位から25位へ、それぞれ順位を上げました。

米英の感染者増加数はようやく鈍化傾向が見え始めました。ロシアとブラジルは頭打ちですが高値安定です。中南米と中東、インド、パキスタンは拡大基調にあります。ヨーロッパはかなり落ち着いています。

致死率ではベルギー、フランス、イギリス、イタリアの順で変化はありません。規定打席未満のハンガリーが12.9％です。日本も4％台に達しました。ベルギーは病院に搬送されず介護施設で亡くなったコロナ疑い例を陽性が出ていなくても死亡者数にカウントしており、その数はおよそ半数ということです。

「人口比」は人口1万人当たりの死亡者数です。今回初めて算出してみました。ベルギーが7人台、スペインとイタリアが5人台、イギリスとフランスが4人台、スウェーデン、オランダ、アイルランドが3人台です。規定打席未満ではサンマリノが12人台、アンドラが6人台です。ハンガリーは0.4人台です。

アジアや中東は概してこの数値が低く、日本は0.053人ですが韓国の0.051人を上回りました。人口の多い中国は0.032人で、インドはまだ0.019人です。感染者が増えても死亡者は増えないシンガポールは0.036人、規定打席未満の香港は0.005人、台湾は0.003人です。

なお、スペインでは6万人の抗体検査で5％の感染率だったという報道がありました。スペインの人口1万当たりの感染者数は48.9人です。つまり0.5％ですので、実数はその10倍ということになります。スペインの致死率11.9％は実際の感染者が10倍いるのなら1.19％に下がるわけです。

また、感染者ゼロでロックダウンを延長したレソトはついに新型コロナ感染者が1人出ています。タジキスタンは800人です。この結果、5大陸で感染者ゼロは北朝鮮とトルクメニスタンの2か国だけとなりました。

感染者数で世界5位に浮上したロシアは致死率0.9％

世界でもっとも厳しい外出禁止措置と言われていたロシアが新型コロナ感染者数で世界5位になりました。1週間ごとの新規感染者数は次のとおりです（累積感染者数のグラフではありません）。 この定点観測は4日または5日おきにシリーズ15回目です。8回目...

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2020.05.10