大東島への空路は三角ルート
大東諸島には3つの島があります。北大東島、南大東島、沖大東島です。

北大東空港も南大東空港も1500m滑走路です。午後の定期便は、日本の航空路としては珍しい三角ルートで運行されており、曜日によって入れ替わります。
(1)那覇→北大東島→南大東島→那覇
(2)那覇→南大東島→北大東島→那覇
(1)で直接北に降りようが、(2)で南経由で北に行こうが、運賃は同一です。ただし、ネット予約しようとすると、「ご指定の条件で飛行機の運行はございません」の画面になってしまいます。10月7日の那覇→北大東をNAVITIMEで検索してみました。

この日は(2)のルートで運行されるため、「那覇→北大東島」の便はありません。この検索結果は正しいのです。正しすぎると表現したほうがより的確かもしれません。実際には南大東島経由で北大東島に行くことができます。「那覇→南大東島」と「南大東島→北大東島」なら予約できます。この2枚を予約すると、余分な出費を迫られるという罠が仕掛けられています。電話予約するのが正解ということです。
大東島には3つのアメダス観測所
南大東島には地方気象台があります。台風10号通過時の9月5日20時から6日3時までの気圧は次のとおりです。台風10号は6日0時過ぎに南大東島にもっとも接近したわけです。南大東では5日21:38に51.6m/sの最大瞬間風速を観測しています。
5日20時 | 955.4 hPa |
5日21時 | 950.9 hPa |
5日22時 | 948.8 hPa |
5日23時 | 946.1 hPa |
5日24時 | 941.4 hPa |
6日01時 | 941.9 hPa |
6日02時 | 948.2 hPa |
6日03時 | 953.4 hPa |
北大東島空港と南大東島空港には航空気象観測所があります。北大東は9月5日08:56に36.0m/sの最大瞬間風速を観測しています。実は、北大東では5日11:00頃から6日20:40頃にかけて欠測になっています。南大東空港の観測所は「旧東」の名称ですが、やはり5日10:40頃から6日18:50頃にかけて欠測です。停電か通信障害によるものと思われます。

南大東空港は島の北東側にあり、気象台は島の南西側です。ストビューの360度写真で気温計を確認することができます。奥に見えるのが雨量計で、露場の隣はサトウキビ畑です。画像が粗いのではっきりしませんが、風向風速計は建物の屋上に設置されているものと思われます。
リン鉱山があった北大東島と沖大東島
北大東島 | 人口600人 | 11.93平方キロ | 北大東村 |
南大東島 | 人口1300人 | 30.53平方キロ | 南大東村 |
沖大東島 | (無人島) | 1.19平方キロ | 北大東村 |
気になるのが沖大東島です。位置的には南大東島のほうが近いのに、なぜ北大東村に属しているのか不思議です。Wikipediaには次のような記述があります。
1946年6月12日、南大東島、北大東島に村制が施行された。大東諸島の村制施行に伴って沖大東島は北大東村に所属することになった。北大東村に所属することになった経緯ついては資料が残っていないが、リン鉱石の産地である北大東島、沖大東島とも、資源再開発を行うことを考慮したものと推測されている。
Wikipedia「沖大東島」
沖大東島は東証1部上場のラサ工業が所有しているそうです。戦前のピーク時には沖大東島の鉱山従事者は2000人以上だったとされています。北大東島にもリン鉱山があったことから、飛び地もどきの線引きになったようです。
リン鉱石は日本ではやはり戦前に能登島西岸の半浦などで産出されています。半浦や沖大東島のリン鉱床は主として海鳥の糞が堆積して化石化したグアノ鉱床と呼ばれるもので、ベルトコンベア世界一のブーカラーのように大規模な海成リン鉱層ではありません。
沖大東島は、現在では米軍の射撃訓練場になっており、所有者のラサ工業には国から借地料が毎年数億円単位で支払われているということです。航路もなく民有地であり上陸はできませんが、かりに上陸したところで不発弾を避けながら歩かなければなりません。
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