2021年の年間最多勝、混戦の雨量は南大東

気象庁「毎日の全国観測値ランキング」から日最高気温、日最大瞬間風速、日降水量が全国1位だった観測地点をフォローしています。2021年の年間最多勝は、最高気温が波照間、最大瞬間風速はえりも岬、混戦の降水量については南大東が制しました。

▲2021年の日最高気温全国1位の回数

序盤は父島がリードしますが、3月9日に並んだ波照間が一気に抜き去り2連覇達成です。4月と5月で大差がついています。4位の大原は西表島の南部、5位の鏡原は宮古島空港です。最南端・波照間が北緯24度03.3分、鏡原で北緯24度46.9分、小笠原諸島の父島は北緯27度05.5分になります。

2019年も2020年も最高気温1位地点が20℃を切ったことはありませんでしたが、2021年は1月1日、1月10日、12月27日に10℃台の最高気温1位が出現しました。冬はそこそこ寒いようです。

▲2021年の日最大瞬間風速全国1位の回数

えりも岬の独走です。飛島が年末に追い込みを見せましたが、まったく届きませんでした。2020年は7勝だった石廊崎が5位に食い込んでいます。えりも岬や飛島は冬型ですが、4位の宗谷岬は夏もそれなりに強いようです。2020年は5月に3勝しています。

各地点の標高と観測史上1位の数値です。えりも岬の極値は2009年台風18号です。

▲標高と極値

▲2021年の日降水量全国1位の回数

降水量は観測地点が多いため分散します。8月に8勝に達した南大東が逃げ切りました。TOP5のうち離島が4地点を占めています。2020年と顔ぶれがかなり変わりましたが、トカラ列島の中之島は連続入賞です。

父島は多雨地域というわけではありません。年降水量の最多は1989年の1875ミリに過ぎません。近隣の観測所が母島のみですので、1位を取りやすいものと思われます。10月28日の父島は、日最高気温1位で日最大瞬間風速も1位、そのうえ日降水量まで1位という「3冠」を達成しました。

▲2021年10月28日の父島「3冠」

10月としては観測史上2位の降水量です。そこまで頑張らなくてもいいのに、と思わなくもありません。