2019年の降水量上位10地点
2019年の降水量1位は伊豆半島の天城山でした。年間降水量の上位10地点は次のとおりです。 3位の船戸は2位・鳥形山の近くで、7位の色川は6位・尾鷲の近くです。
- 5552.0ミリ 天城山(静岡県)
- 5075.5ミリ 鳥形山(高知県)
- 4977.5ミリ 船戸(高知県)
- 4923.0ミリ 魚梁瀬(高知県)
- 4745.0ミリ 箱根(神奈川県)
- 4662.0ミリ 尾鷲(三重県)
- 4471.0ミリ 色川(和歌山県)
- 4434.5ミリ 屋久島(鹿児島県)
- 4340.5ミリ 八丈島(東京都)
- 4201.0ミリ えびの(宮崎県)
天城山とは特定の山を指すのではなく、標高1406メートルの万三郎岳(ばんざぶろうだけ)などの総称です。天城の地名の由来としては「雨木」が転じたとする説もあるようですが、「甘木」説のほうが有力のようです。アメダスの観測地点は雨量のみの観測です。
ストビューで雨量計を確認することはできませんが、衛星写真なら観測地点と思われる区画を特定することができます。1976年の観測開始ですが、2週間程度の欠測が過去に3回あります(1989/09/19~10/03、1994/02/21~03/11、2001/01/27~02/09)。
年間降水量が6000ミリに達した1998年にも1週間ほどの欠測があります。2015年には統計としての継続性に問題が生じない範囲で観測地点が移動しているそうです。2014年の衛星写真ではこの地点に観測施設は見当たりません。
アメダス天城山の標高は1066mとされていますが、地理院地図では標高1050mの等高線より低いとことにあります。20mぐらいサバを読んでいるようです。
上位10地点の月別降水量
2019年の年間降水量上位10地点の累積グラフです。
6月から10月にかけて首位が毎月入れ替わる熾烈なデッドヒートを繰り広げていたようです。3強は次のように入れ替わっています。カッコ内は両地点の降水量の差です(端数は切り捨て)。
06月 屋久島(353)天城山(471)えびの
07月 えびの(50)屋久島(7)天城山
08月 魚梁瀬(333)えびの(120)鳥形山
09月 鳥形山(62)魚梁瀬(123)船戸
10月 天城山(61)鳥形山(92)船戸
前半戦をリードした屋久島は7月から失速して、12月に盛り返したものの8位でした。えびのは7月の1200ミリで屋久島を逆転しましたが、10月以降は伸び悩み10位に終わりました。魚梁瀬は8月に1400ミリ近くを加え、9月には伏兵・鳥形山が1000ミリで逆転します。
9月末時点では高知勢が3強を占めていましたが、この情勢を一変させたのが台風19号です。10月には4位の天城山がトップに躍り出て、箱根は圏外からランクインします。10月末時点では200ミリ差に4地点がひしめく接戦でした。
最終的には11月と12月にも着実に積み上げた天城山が逃げ切りました。この降水量の集約はとても面白かったので、2020年もやりたいと思っているところです。
▲2020年も先行したのは屋久島で、4月に天城山が2ミリ差で逆転、5月に屋久島が返り咲き、6月以降はえびのが首位をキープしました。2020年の天城山の降水量は全国3位でした。
2020年と2021年の観測値
2021年のアメダス天城山の降水量は全国唯一の5000ミリ台でした。
2020年 | 5191.0ミリ | 3位 | /1293地点 |
2021年 | 5378.0ミリ | 1位 | /1293地点 |
平年値 | 4552.6ミリ |
なお、鹿児島県・徳之島の天城町にはアメダス天城がありますが、ここは徳之島航空気象観測所です。
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