◆2020/09/07付「なぜ沖大東島は南大東村でなく北大東村なのか」のページを分割しました。従来のページにはアメダス関係を集約したうえで「北大東は南大東より高温少雨で風は強い」と改題し、このページには人口・面積など地理関係を移しました。
大東島への空路は三角ルート
大東諸島には3つの島があります。北大東島、南大東島、それに沖大東島です。3島以外に小さな島は見当たりません。
北大東空港も南大東空港も1500m滑走路です。午後の定期便は、日本の航空路としては珍しい三角ルートで運行されており、曜日によって入れ替わります。北大東島-南大東島間は10キロほどですので、奄美大島-喜界島間より短いフライトになります。
(1)那覇→北大東島→南大東島→那覇
(2)那覇→南大東島→北大東島→那覇
(1)で直接北に降りようが、(2)の南経由で北に行こうが、運賃は同一です。ただし、ネット予約しようとすると、「ご指定の条件で飛行機の運行はございません」の画面になることがあります。2020年10月7日の那覇→北大東をNAVITIMEで検索してみました。
この日は(2)のルートで運行されるため、「那覇→北大東島」の便はありません。この検索結果は正しいのです。正しすぎると表現したほうがより的確かもしれません。この日は南大東島経由で北大東島に行くことができますので、「那覇→南大東島」と「南大東島→北大東島」ならネット予約可能です。
目端が効くことは常に歓迎されるわけではありません。下手にこの2枚を予約してしまうと、(システム上は乗り継ぎにならないため)余分な出費を迫られるという罠が仕掛けられています。電話予約するのが正解ということです。
面積と人口
島 | 自治体 | 面積 | 最高標高 | |
北大東島 | 北大東村 | 11.91 | 74.0 | 三角点 |
南大東島 | 南大東村 | 30.52 | 75.1 | 三角点 |
沖大東島 | 北大東村 | 1.15 | 31.1 | – |
やはり島の面積は減少していくもののようです。国土地理院の最新の面積調(2020/1/1)の数値を用いましたが、Wikiの各ページでは北大東島が11.93km2、南大東島が30.53km2、沖大東島が1.19km2と記載されていますので、微妙に減っています。
北大東村の人口は次のとおりです。平均年齢は40歳代半ばで65歳以上の老齢人口比率も20%台です。元の人口が少ないだけに5年間でマイナス6%の人口減少率はボディブローかもしれません。
人口(2020年国勢調査) | 590人 | 1725位 | /1740区市町村 |
人口(2015年国勢調査) | 629人 | 1720位 | /1740区市町村 |
5年間の人口増減率 | -6.2% | 1031位 | /1737区市町村 |
人口(1950年国勢調査) | 1,087人 | 54.3% | ←ピークの何% |
平均年齢 | 45.6歳 | 1561位 | /1740区市町村 |
老齢人口比率 | 21.5% | 1611位 | /1740区市町村 |
外国人 | 5人 | 1676位 | /1740区市町村 |
南大東村のほうが高齢化は進んでいますが、人口減少率はそれほどでもありません。南大東村は1島1村です。南大東島のほうが面積も人口も多いわけです。
人口(2020年国勢調査) | 1,285人 | 1688位 | /1740区市町村 |
人口(2015年国勢調査) | 1,329人 | 1688位 | /1740区市町村 |
5年間の人口増減率 | -3.3% | 656位 | /1737区市町村 |
人口(1960年国勢調査) | 3,404人 | 37.7% | ←ピークの何% |
平均年齢 | 46.4歳 | 1466位 | /1740区市町村 |
老齢人口比率 | 23.9% | 1485位 | /1740区市町村 |
外国人 | 31人 | 1464位 | /1740区市町村 |
リン鉱山があった北大東島と沖大東島
気になるのが沖大東島です。位置的には南大東島のほうが近いのに、なぜ北大東村に属しているのか不思議です。Wikipediaには次のような記述があります。
1946年6月12日、南大東島、北大東島に村制が施行された。大東諸島の村制施行に伴って沖大東島は北大東村に所属することになった。北大東村に所属することになった経緯ついては資料が残っていないが、リン鉱石の産地である北大東島、沖大東島とも、資源再開発を行うことを考慮したものと推測されている。
Wikipedia「沖大東島」
沖大東島は東証1部上場のラサ工業が所有しているそうです。戦前のピーク時には沖大東島の鉱山従事者は2000人以上だったとされています。北大東島にもリン鉱山があったことから、飛び地もどきの線引きになったようです。
リン鉱石は、日本ではやはり戦前に能登島西岸の半浦(はんのうら)などで産出されています。半浦や沖大東島のリン鉱床は主として海鳥の糞が堆積して化石化したグアノ鉱床と呼ばれるもので、ベルトコンベア世界一のブーカラーのように大規模な海成リン鉱層ではありません。
沖大東島は、現在では米軍の射撃訓練場になっており、所有者のラサ工業には国から借地料が毎年数億円単位で支払われているということです。航路もなく民有地であり上陸はできませんが、かりに上陸したところで不発弾を避けながら歩かなければならないことになります。
無人島で立入禁止なら管理の必要もありません。北大東村の負担にはならないわけです。
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