アイヌ語の「シリ」は島あるいは山
北方領土を除いて北海道には有人離島が5つあります。そのうち3つ(奥尻、利尻、焼尻)が「~シリ」です。国後を考えても「シリ」がアイヌ語で「島」を意味しているのだろうと見当がつきます。
そうすると、網走や後志(しりべし)や知内(しりうち)の立場はどうなるのかということになりますが、アイヌ語の「シリ」には「島」や「陸地」だけでなく「山」や「大地」の意味もあるそうです。
焼尻島は羽幌(はぼろ)港の西25キロの日本海に浮かぶ小さな島です。2020年9月末現在の人口は178人、お隣の天売島(てうりとう)が280人です。2010年9月末には焼尻島291人、天売島380人でした。
アメダス焼尻(焼尻地域気象観測所)は焼尻島の南東部にあります。海岸線から100mほどですが標高は30m以上です。
アメダス焼尻
2020年の観測値は次のとおりです。年最高気温が低いほうから全国8位でした。対馬海流の影響で最低気温はそこまで下がりません。
年降水量 | 1148.5ミリ | 1084位 | /1293地点 |
年平均気温 | 8.5℃ | 771位 | /922地点 |
年最高気温 | 28.3℃ | 915位 | /922地点 |
年最低気温 | -11.4℃ | 686位 | /922地点 |
年較差 | 39.7℃ | 677位 | /922地点 |
年平均風速 | 5.2m/s | 30位 | /921地点 |
年日照時間 | 1689.3時間 | 491位 | /841地点 |
2021年の観測値は次のとおりです。
年降水量 | 967.0ミリ | 1229位 | /1293地点 |
年平均気温 | 9.0℃ | 752位 | /921地点 |
年最高気温 | 31.6℃ | 874位 | /921地点 |
年最低気温 | -13.4℃ | 691位 | /921地点 |
年較差 | 45.0℃ | 349位 | /921地点 |
年平均風速 | 5.3m/s | 29位 | /920地点 |
7月30日に31.2℃、8月7日に31.6℃をマークして、観測史上1位を2回更新しました(統計開始1977年10月)。年平均気温は観測史上2位です。
巨大ガードレール
道道255号線沿いの内陸側に設けられた巨大ガードレール風の柵?が気になります。2014年8月撮影のストビューを埋め込みました。
この奥がもしキリンの牧場なのだとすれば有効な柵かもしれませんが、羊クラスなら下から行き来できますので意味はありません。それに日本にはキリンを食用にする習慣がありません。もし柵の向こうがヌーディストビーチだとすれば、スカスカで目隠しの役には立ちそうにありません。
そもそも海は反対側です。北緯44度の焼尻で、道路脇には赤と白のスノーポールも設置されています。大型トラックが頻繁に行き交う道でもなさそうですので防音壁でもないはずです。
そうすると、やはり防風林的なものであろうと考えられます(塩害防止が主目的なのかもしれません)。島の反対側はこの光景です。
どうやら風と雪の重さで高い木が育たない植生のようです。防風林は現実的ではないというのが実情なのだろうと思われます。
高木は育たない
アメダス焼尻の日最大瞬間風速は10/23で今年(2020年)4勝目です。2019年は0勝でしたので、全国有数の強風地帯ということではなさそうですが、離島の環境では最大瞬間風速は高くなりがちです。
焼尻で最大瞬間風速の観測が始まった2008年11月以降、日最大瞬間風速35m/s以上は3回記録されていますが、同じ期間に本土の羽幌では2017年11月11日の34.9m/sが最高です。
残念ながらすでに冬季に入っており、10月以降はフェリーが1日1便のみですが、この船は羽幌9:00発で焼尻10:00着のあと手売に向かい、羽幌に向かう便は12:20に焼尻を出港します。実質2時間弱になりますが、焼尻島をレンタチャリで1周して日帰りが可能です。
フェリーターミナルを降りると、すぐにレンタサイクルがあります。結構利用されているようで、頭が黒い羊の牧場が島の名物です。
なお、焼尻で信号機は見つかりませんでした。ヒグマはいないようですが、マムシは手売ほどではないにせよ生息しているそうです。診療所は焼尻支所の近くにあります。
コメント