アメダス空白地帯、安芸と備後の国境が三原

アメダス空白地帯

三原市は広島県内7位の人口を抱えています。

2021/042000/10平成の大合併
福山市467,837378,7892003年に内海町と新市町、2005年に沼隈町、2006年に神辺町を編入
呉市220,342203,1592005年に音戸町、倉橋町、蒲刈町、安浦町、豊浜町、豊町を編入
東広島市188,465123,4232005年に黒瀬町、河内町、豊栄町、福富町、安芸津町を編入
尾道市135,53692,5862005年に御調町と向島町を、2006年に因島市、瀬戸田町を編入
廿日市市117,03573,5872003年に佐伯町と吉和村を、2005年に大野町と宮島町を編入
三原市92,66982,0812005年に本郷町、久井町、大和町と合併
▲広島県の人口2~7位の市

三原付近のアメダス観測所は次のように配置されています。赤マーカーがアメダスです。アメダス世羅は芦田川水系でであり、世羅から東流する芦田川は府中を経て福山駅方面に流れます。

三原付近のアメダス
三原付近のアメダス(地理院タイルを加工)

厳密には、アメダス本郷(広島空港)は三原市になりますが、三原市中心部はちょうどアメダス空白地帯になっています。アメダス福山(旧測候所)が福山市中心部ではなく尾道市境に設置されたことから、このような配置になったものと思われます。

アメダスは1974年11月1日に運用を開始して、現在、降水量を観測する観測所は全国に約1,300か所(約17km間隔)あります。 このうち、約840か所(約21km間隔)では降水量に加えて、風向・風速、気温、湿度を観測している

気象庁>地域気象観測システム(アメダス)

福山市松永の旧測候所から三原駅までの直線距離は16~17キロです。

天井川の決壊地点

7月8日朝に堤防が決壊したのは天井川が沼田川(ぬたがわ)に合流する地点の手前です。

天井川の決壊地点
天井川の決壊地点(地理院タイルを加工)

「天井川」と「沼田」の地名に、そんなことが起きても不思議はないと感じられますが、地図の左上にある「亀山」に心が動きます。この「亀山」はのフォルムをしたに違いありません。2013年10月撮影のストリートビューです。

残念ながら私の期待値には及びませんでした。こんなものなのかもしれません。亀山の麓に住宅が並んでいるのは、やはりそういう土地柄だからなのでしょう。

沼田川本流は東広島市の福富ダムからアメダス本郷付近を経て三原湾に注ぎます。天井川は三原市と竹原市との市境付近から東流して沼田川に合流します。天井川上流に近いアメダス竹原では7月8日の日降水量が観測史上2位の198.0ミリでした。

安芸と備後の「国境」

三原市中心部は備後ですが、天井川の決壊地点は安芸です。

備後と安芸の国境碑
備後と安芸の国境碑(地理院タイルを加工)

県立広島大三原キャンパスの北側に芸備国境碑があります。国境は点ではなく線です。沼田川河口から西野川と本谷川に挟まれた大峰山の尾根が芸備の国境線になるようです。

さて、芸備の国境は瀬戸内海の島にもあるわけです。今ではともに尾道市となっている因島は備後、生口島は安芸です。

佐木島
佐木島(地理院タイルを加工)

面白いことに、佐木島(さぎしま)は北半分が備後、南半分は安芸だったようです。1889年の町村制施行の際、北半分が本土の須波村から分かれて南半分の向田野浦村と合併、全島が豊田郡鷺浦村となっています。鷺浦村は1956年に三原市に編入されています。

トライアスロンが有名な佐木島へのアクセスは、三原港から高速船と旅客船、須波港からフェリー、尾道港から因島経由の快速船です。2021年6月末現在の佐木島の人口は641人ですが、誰がそんなに利用するのか心配したくなるほど運行本数は豊富です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました