「時短なし、アルコールOK」で第5波を乗り切った奈良

緊急事態宣言もマンボウも出さずに

私はPCに向かっているとき、いつもYou Tubeを広告ブロックのうえ自動再生しています。この数日、ウザいと感じるのが自民党総裁選の特定候補者の動画です。ネトウヨさんたちが張り切っているのだろうとは思いますが、関連動画にその系統を確認したときは遠慮なくポイしています。

You Tubeブロック

第5波を緊急事態宣言もマンボウも使わずに乗り切ってしまったのが奈良県です。

奈良県の新規陽性者数の推移(奈良県内の最新感染動向

奈良県には緊急事態宣言もマンボウも出ていませんが、県独自の「奈良県緊急対処措置」を出しています。今月末が期限です。

国の緊急事態宣言の内容となる基本的対処方針のうち、本県の実情に適さない、経済への打撃の大きい、「飲食店等への時短要請」、「商業施設等への時短要請」、「飲食店における酒類の販売自粛要請」を除いた、ほぼ全ての項目を盛り込んでいます。

奈良県>第28回 新型コロナウイルス感染症対策本部会議

時短に効果はあるのか?

もともと奈良県では深夜・早朝まで営業している店舗が少ないという事情もありますが、飲食店に対する時短要請の効果に否定的な見解を示しています。

時短に効果は見られない
奈良県>第28回 新型コロナウイルス感染症対策本部会議

緊急事態なりマンボウなりを受け入れると、政府の基本的対処方針に明記されている時短要請を求めることになってしまいますので、荒井知事は頑なに拒んだわけです。

市郡別感染者数の推移
市郡別感染者数の推移(第28回 新型コロナウイルス感染症対策本部会議

奈良は8月11日から24日までの2週間、夏季集中対策として飲食店舗に対する午後8時までの時短営業を求めました。グラフの赤線が奈良です。期間中の奈良市は他市郡にくらべて増加の度合いが緩やかになったわけではありません。むしろ、期間後の下がり具合のほうが緩やかになっています。時短によって人が集中した逆効果の帰結とさえ思えてきます。

時短に感染抑制の効果はないのではないかと思われます。少なくとも時短に効果があるとは限らないとは言えそうです。ただ、時短していたからこそこの程度で済んだのだという解釈もできないわけではないのです。まあ、かなり強引ですけど…。

ワクチン接種との相関関係

ワクチン接種率と各市町村の人口当たり感染者数の関係がグラフ化されています。このグラフを見ると、絶大な感染抑止効果があるように見えてしまいます。

ワクチン接種と人口当たり感染者数
ワクチン接種と人口当たり感染者数(第28回 新型コロナウイルス感染症対策本部会議

奈良県各自治体の人口密度は高いほうから王寺町、上牧町、香芝市が4000人台、大和高田市、三郷町、生駒市、橿原市が3000人台、斑鳩町、奈良市、河合町、大和郡山市、広陵町が2000人台です。この12市町はすべて赤丸グループなのです。青丸の東吉野村は300人台、明日香村は500人台、高取町は800人台です。

つまり、ワクチン接種率と感染者数に相関関係があるのではなく、単に人口密度と感染者数に相関関係があるのかもしれないわけです。ワクチン接種率が高い自治体は人口密度も低いというのは全国的な傾向かと思われます。今回は仕方がなかったとしても、次回はリスクの高い地域に優先配分する必要があるのではないかと私は考えています。

なお、奈良2区選出の高市氏はパルスオキシメーターの全戸配布を掲げています。5000万台近くのパルスオキシメーターを何年で確保する見込みなのか聞いてみたいところです。私は今年1月にパルスオキシメーターを入手しました。品薄でしたが、自覚症状がないまま急変して重症化するのが新型コロナ特有の症例ということですので、持っていたほうがよかろうと判断したわけです。

一家に一台のパルスオキシメーターが完備されたとしても、自分や家族の症状が悪化しつつあるとわかるだけのことです。それで症状が改善されるわけではありません。政治に求められているのは、症状が悪化する前に医師につなぐ体制を整備することです。そのバラマキは不要なだけでなく、現実味がありません。

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