群馬と茨城と山梨にある県立中央高校

「○○中央高校」でなく、「○○」がつかない「△△県立中央高校」は3校あります(ありました)。

群馬県立中央中等教育学校

群馬県立中央高校は1963年の創立です。1978年の第50回選抜高校野球で完全試合を達成した投手が指導者となって1985年に赴任、3年目の1987年夏に群馬県大会を制して甲子園初出場を果たしています。中央高校は2009年から6年制の群馬県立中央中等教育学校に改編されています。

群馬県
群馬県(地理院タイルを加工)

学校所在地は高崎市新保田中町ですが、校庭の一部は前橋市川曲町にまたがっています。必ずしも群馬県の中央に位置するわけではなくやや南寄りという印象を私は受けてしまいますが、「県央」あるいは「中毛」と呼ばれる地域です。

県央
県央(地理院タイルを加工)

明和県央高校は私立、県央学院は予備校です。県央クリニックも民間病院ですが、水質浄化センターは県の施設になります。上毛新聞社による地域区分では、前橋市、高崎市、伊勢崎市、玉村町の4自治体が「県央」地域です。

中央高校は、なぜ「中央」と名付けられたのでしょうか。

群馬県は前橋市と高崎市それぞれから男子校と女子校の要望があったものの、予算の関係で1校しか許されなかった。そこで共学校を両市の境界上に設置した。

Wikipedia>群馬県立中央高等学校(2021/11/11閲覧)

市境に設置した以上、前橋や高崎を冠することはできません。そこで「中央」を引っ張り出したということなのでしょう。

茨城県立中央高校

茨城の中央高校は1987年に当時の美野里町(みのりまち)に設立されています。

茨城県立中央高校
茨城県立中央高校(地理院タイルを加工)

地理的に茨城県の「中央」であることに異論はまったくありませんが、なぜ美野里高校ではなかったのかという疑問はあります。境高校や八千代高校は町名がそのまま高校名です。東海村にも東海高校があります。何よりも中央高校開校の1年前に美野里町の隣町・小川町に小川高校が開校しています。

川町と野里町と里村(たまりむら)で2006年に合併したのが「小美玉市(おみたまし)」です。小川高校は2010年に生徒募集を停止し、2012年に中央高校に統合されています。今は小美玉市立小川南中学校です。

中央高校の隣接高校
隣接高校(地理院タイルを加工)

東茨城郡の茨城町にあるのは茨城東高校です。東茨城郡ですので茨城県の東部ではありますが、茨城町では西部です。茨城西高校はありません(大阪府立茨西高校は実在します)。

山梨県立中央高校

山梨県立中央高校は1971年に開校しています。玉穂町・田富町・豊富村が合併して中央市が成立したのは2006年です。所在は中央市ではなく甲府市になります。山梨県の県央部であることは否定できません。

山梨県立中央高校
山梨県立中央高校(地理院タイルを加工)

甲府警察署は甲府市中央1丁目にありますが、中央高校の所在地は甲府市飯田です。甲府駅から徒歩20~25分です。定時制・通信制の高校ですので、甲府市の中央ではなく山梨県の中央ということになります。

実は名古屋市立中央高校も定時制・通信制であり、大阪市立中央高校も定時制を統合した単位制高校です。どうもこちらの方面では中央を名乗りたがる傾向があるようですが、その理由や起源がわかりません。

山梨と茨城の中央高校は意外な共通点がありました。両校とも校歌が谷川俊太郎の作詞です。群馬の中央高校校歌は草野心平の作詞で、中等教育学校になっても継続使用されています。

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