ラスボス・伊良部大橋とアメダス下地島

◆以前公開したページに加筆のうえ、分割・改題しました。次のように棲み分けます。
（1）このページ（宮古島周辺の5島、アメダス下地島）
（2）アメダス鏡原は宮古空港（宮古空港、アメダス鏡原）
（3）「宮古島台風」と命名された3つの台風（宮古島気象台、アメダス城辺）

宮古島の周囲には5つの有人島があります。このうち伊良部島と下地島は縮尺によっては1つの島のように見えますが、実は海峡で隔てられています。10ｍほどしか離れていないところもあり、川のように見えなくもありませんが、小豆島と同じように川ではなく海峡です。6本の橋が架けられています。

宮古島と3つの島の間は架橋されており、下地島を含めて4つの島には陸路で行き来することができます。大神島には1日4～5便の定期船が出ています。

5島の人口と最高標高は次のとおりです。沖縄県も宮古島市も人口は増えていますが、下地島を除く4島は減少傾向です。また、いずれもサンゴ隆起の島ですので標高が低いという特徴があります。川らしい川もありません。

▲5島の人口と最高標高

池間大橋（全長1,425m）は1992年2月、来間大橋（全長1,690m）は1995年3月の開通です。両者はそこまで長い橋でもなく、同一自治体をつなぐものでした。

伊良部大橋（全長3,540m）の架橋に向けて基礎調査が始まったのは1992年で、ルートが決まったのは2000年です。伊良部大橋は計画段階では自治体をまたぐものでした。5市町村が合併するのは2005年です。

それに、下地島空港の存在も影響したかもしれません。1994年以降は定期便が途絶えたものの、海路以外の交通手段があります。空港があれば、緊急時にも最低限の対応は可能です。どうせ橋が架けられていても風速25m/sで閉鎖されるわけです。

伊良部大橋は合併後の2006年3月に着工され、10年を歳月を経て2015年1月に開通します。無料で通行できる日本最長の橋であり、離島間を結ぶ日本最長の橋でもあります。3キロ超の道路橋としては国内4例目、鉄道橋を入れても5例目になります。緩やかな曲線の橋自体が観光資源です。

下地島空港は国際空港クラスの3000m滑走路を備えています。実需が見込めるから3000mなのではなく、民間航空会社の訓練用飛行場として建設されたからです。空港は1979年の供用開始で、1984年から1994年まで那覇空港との定期便が就航していました。

定期便が途絶えたあとはJALもANAも訓練施設から撤退し、自衛隊誘致の話が出たり普天間基地の移転先候補として取り沙汰されたりしましたが、2019年3月に空港ターミナルが完成し、成田や香港との定期便が就航します（香港便は7月）。

商用空港として動き始めた直後にコロナに見舞われて全便運休となり、ターミナルは1年で閉鎖されます。2022年1月現在、成田、羽田、神戸、那覇便が復活しています。

アメダス下地島は下地島空港内の観測施設です。正式名称としては「下地島航空気象観測所」で、2020年3月25日までの観測所名は「下地」でした。

アメダス下地島の2020年観測値は次のとおりです。年平均気温が全国10位、最低気温は全国14位、年較差は小さいほうから12位、平均風速も12位です。標高は8ｍで風速計の高さは9.7ｍとされています。

▲下地島の2020年観測値

2003年統計開始ですが、35℃以上は2014年以降に都合5回観測されています。2009年に廃止された伊良部島のアメダス伊良部では1980年8月20日の35.1℃が観測史上1位でした。

2021年の観測値は次のとおりです。年降水量がかなり落ち込みましたが、平年値は1879.7ミリです。