「地獄に堕ちろ!」の国境警備隊
2月24日のロシア軍によるウクライナ侵攻で黒海のズミイヌイ島駐在の国境警備隊は全滅したと伝えられていました。
ウクライナのゼレンスキー大統領によると、スネーク島の守備に当たっていた兵士全員が戦死したと報告されているという。同大統領は、「国境警備隊の全員が英雄的に死亡したが、降伏しなかった。彼らには死後、ウクライナの英雄勲章が授与されることになる」と述べた。
CNN>全滅したウクライナ軍守備隊とされる音声明るみに、ロシア海軍に「消え失せろ」(2/25)
降伏を呼びかけるロシア軍の無線に対して「F*** it as well」で応じたとされています。どうやら通信が途絶しただけで、「全員が英雄的に死亡した」わけではなかったようです。
海軍は「ズミイヌイ島の兵士たちは捕虜になった」というロシアメディアの報道を引用。「我々はウクライナの島の防衛者たちが生きている可能性があると強く信じています」と述べて生存の可能性を喜んだ。その一方で、ウクライナ海軍は、ウクライナが人道的救助の目的で島に送った船をロシア軍が拿捕したことも報告している。
HUFFPOST>ロシア軍艦に「くたばれ」。死亡が報じられた島の警備隊員13人、生きていた。ウクライナ海軍が報告(3/1)
交戦中の報道というのはこんなものなのでしょう。
ズミイヌイ島(スネーク島)
Google Earthプロでズミイヌイ島を検索すると「蛇島」と表示されます。アメリカやイギリスのメディアは「スネーク島」と呼んでいます。そうすると、「ズミイヌイ」とはウクライナ語もしくはロシア語で「蛇」の意味なのだと推測されます。
Google翻訳にかけてみました。
「Острів」が「島」のようです。
一般的に「蛇紋岩」「蛇紋石」は「じゃもんがん」「じゃもんせき」と読み、「じゃもんいわ」「じゃもんいし」とは言いませんが、そこまで求めてはいけないものかもしれません。
ため池にヘビがいた?
Wikiには次のような記述があります。オスマン・トルコ時代も「Ilan Ada(蛇の島)」だったそうです。
島の白みがかった岩壁の様子から、古代ギリシア人はこの島をレウケ島(Λευκή;「白い島」)と呼んでいる。今日の「蛇の島」という名は、ジェノヴァが黒海を支配していた14世紀に、ジェノヴァの船乗りが島のため池で多くの爬虫類を見つけたことに由来するとされる。
Wikipedia>ズミイヌイ島
衛星写真ではその「ため池」が見当たりません。14世紀のため池ですので、残っていると期待するほうが間違っているものかもしれません。黒海は淡水湖ではなく、地中海とつながる内海です。
Wikiによれば島の面積は0.17km2ということです。この規模ならロシア側からすれば補給路を断絶すればいいだけのことです。
日本の蛇島
日本にも西伊豆や佐世保や島根県大田市など複数の蛇島がありますが、いずれも小さな無人島です。
出雲市神西沖町には「蛇島」バス停があります。2018年6月撮影のストビューです。
トカラ列島の臥蛇島(がじゃじま)は1970年まで有人島でした。Wikiには次のような記述があります。
臥蛇の名前については、海東諸国記に「掛蛇島」、清汪楫録に「臥蛇また外蛇」と記されている。その名が示すとおり、島を沖から眺めると、蛇が伏せた様な形をしている。
Wikipedia>臥蛇島
人間が蛇を見るときは見下ろすことがほとんどです。たいていは伏せている蛇です。私は樹上の蛇を見たことが1度だけありますが、「蛇が伏せた」という形状をイメージできません。画像を探してみましたが、なるほどこれはたしかに蛇に見えるわいと納得感のあるものは見つかりません。
むしろ、どこをどう見立てれば蛇に見えるのか教えてほしいという画像ばかりです。まあ、定期航路のない無人島ですから、全景画像そのものが希少ですが…。
外部リンク
■臥蛇島プロジェクト>臥蛇島ってどんなとこ?
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