そろそろ梅雨入り
今日6月11日は東海地方では雨の予報です。大規模漏水を起こした矢作川・明治用水頭首工から北に10キロ弱にあるのがアメダス豊田です。実は、アメダス豊田は私がGoogle Mapとストリートビューで最初に訪れた観測所です(リアルでは南信濃でした)。
39.7℃ | 2018/7/18 |
39.6℃ | 2018/8/03 |
39.6℃ | 2018/7/23 |
39.5℃ | 2018/7/22 |
39.2℃ | 2018/8/05 |
39.1℃ | 2018/8/06 |
39.1℃ | 2018/7/24 |
39.1℃ | 1994/8/05 |
2018年夏、連日の39℃台にどんなところに設置されているのだろうと興味を持ったわけです。こんなところでした。
山口県下関にも同名同音のアメダス豊田があります。
猿投町
アメダス豊田の所在地は豊田市高町です。この付近は西加茂郡猿投町(さなげ-ちょう)だったところです。1967年に豊田市に編入されていますので、アメダス観測所が設置された1970年代にはもう豊田市でした。標高は75mです。
「猿投町 由来」で検索してみました。
【外部リンク】
■中日新聞>【地名の由来14】猿が投げられたから「猿投」?
景行天皇が猿を海に投げ込んだところ、その猿は山に逃げ込み、その山が「猿投山」と呼ばれるようになったということです。
猿を投げた場所が「猿投山」と呼ばれるようになったということなら話としては理解できます。海から上がった猿が逃げ込んだ山は、「海猿山」とか「水猿山」と呼ぶべきではないかと思う次第です。
サ・ナゲは狭薙(さ・なぎ)の転にて、大雨のたびに表層が崩れる山を表現した地名と推察される。猿投山は花崗岩の山で、表層は降雨で侵食されやすい花崗岩の風化した眞砂が覆っている。
株式会社葵エンジニアリング>猿投地区の沿革
私は断然こちらを支持します。読みに対する言及を避けるのは大喜利だと理解しているからです。
アメダス豊田の観測値
アメダス豊田の2020年と2021年の観測値は次のとおりです。2021年の最高気温39.0℃は全国で8位タイです。
年降水量 | 1696.0ミリ | 712位 | /1293地点 |
年平均気温 | 16.0℃ | 261位 | /922地点 |
年最高気温 | 38.8℃ | 51位 | /922地点 |
年最低気温 | -4.2℃ | 338位 | /922地点 |
年較差 | 43.0℃ | 429位 | /922地点 |
年平均風速 | 1.4m/s | 743位 | /921地点 |
年日照時間 | 2182.5時間 | 59位 | /841地点 |
年降水量 | 1719.0ミリ | 719位 | /1293地点 |
年平均気温 | 15.9℃ | 266位 | /921地点 |
年最高気温 | 39.0℃ | 8位 | /921地点 |
年最低気温 | -6.8℃ | 382位 | /921地点 |
年較差 | 45.8℃ | 310位 | /921地点 |
年平均風速 | 1.4m/s | 763位 | /920地点 |
平時なら気温や日照が注目される観測地点ですが、今の焦点は何と言っても降水量です。2020年と2021年、それに平年値(1991-2020年)の月降水量をグラフ化しました。
明治用水の復旧工事
明治用水の復旧具合は、現状では工業用水については50%制限、農業用水は4日に1日の供給です。工事は、主に(1)右岸の取水口側に水を集めて水位を高くする工事と、(2)左岸漏水部を露出させるための工事が行われています。
(1)はポンプを使わずに自然取水することを目的としています。ポンプは電柱から直接電源をとるように切り替えられており、給油用タンクローリーの出番は減っているようですが、水害の季節はこれからが本番です。各地のポンプ車をいつまでも明治用水に張り付けておくわけにもいかないのが実情でしょう。
(2)は状況把握のために不可欠です。最終的にどんな工事が必要で、この夏をどう乗り切るのか、現状を確認しないことには話が始まりません。今日の雨はそこまで影響しなさそうですが、6日にはアメダス豊田で31.5ミリの雨が降り、積み上げていた土のうは崩れました。
まとまった雨が降るたびに工事は中断し、話がますますややこしくなります。カラ梅雨で台風がしばらく来なければ年内復旧の目もあるのでしょうが、あまり期待できそうにありません。もっとも心配なのは、今後洪水レベルの雨が降った場合です。
取水口付近の水位を上げるために流路を狭くしているわけですから、容易にあふれてしまうことになります。これが漏水部に流れ込み穴がさらに拡大すれば、堰そのものが傾くことで水門を開閉できなくなるという最悪のシナリオも考えられます。
土のうが上手い具合に流されて絶妙にジャストフィットするという結果オーライもあり得なくはないでしょうが、それもこれも上流部を含めた雨次第です。穴の現状把握だけは梅雨入り前に済ませたかったところです。
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