四万十川上流のアメダス窪川は四万十町

2020年8月17日付「四万十市のアメダス江川崎、四万十町のアメダス窪川」のページを分割し、四万十川とアメダス窪川関係をこのページに移しました。従来のページは加筆のうえ「四万十川中流のアメダス江川崎は旧・西土佐村」に改題しました。

四万十市と四万十町、どっちが先?

渡川(わたりがわ)が四万十川(しまんとがわ)に改称されたのは、橋本大二郎知事時代の1994年です。知事は県庁内に四万十川流域振興室を開設して行政側からブームを後押ししました。

もともとのきっかけは、1983年9月に初回放映されたNHK特集「土佐・四万十川 清流と魚と人と」です。四万十川に「日本最後の清流」という金看板を与えたこの番組は10回以上再放送され、四万十川は全国的知名度を獲得しました。県立大正高校が四万十高校に改称したのは1999年です。

その知名度にあやかりたい思惑からか平成の大合併では四万十市と四万十町が誕生し、観光客の立場からすれば紛らわしいことになっています(土佐市と土佐町と中土佐町も併存しています)。

2003/9/10中村市・大方町・佐賀町・西土佐村の合併協議会で
「四万十」の新市名が決定(→2町離脱で破談)
2004/8/10窪川町・大正町・十和村の合併協議会で
「四万十」の新町名が決定
2004/8/16中村市・西土佐村の合併協議会で
「四万十」の新市名が決定
2005/4/10中村市・西土佐村が合併して「四万十」が発足
2006/3/20窪川町・大正町・十和村が合併して「四万十」が発足
▲四万十市と四万十町

先に決めたのは四万十のようで、これを踏まえた「四万十」も四万十側の新町名の最終候補に残っています。ただ、2004年8月10日の時点では四万十側の合併の枠組みは崩れており、四万十は宙に浮いた状態でした。

貼り合わせ看板

国道56号線には次のような行先案内板が掲げられています。「蜷川」も自治体名ではありませんから、単に「窪川」と「中村」でいいはずです。この際、ややこしさを強調して惑わせてやろうという魂胆かもしれません。

四万十町(旧窪川)

「四万十市(旧中村)」はビス?止めされているようです。自治体としての中村市や窪川町は廃止されましたが、中村駅も窪川駅も現存しており、地名としての「中村」や「窪川」が消滅したわけではありません。

渡川水系

さて、河川名としては四万十川になったわけですが、水系名としては今も渡川水系のようです。以前は下流域が渡川で、上流域が四万十川と呼ばれていたのだろうと思われます。

四万十川(渡川水系)
四万十川(地理院タイルを加工)

津野町の不入山(いらずやま)を源流とする四万十川は南流しながら窪川付近で西に転じて、大正付近で梼原川が、江川崎で愛媛県から広見川が合流します。中村では北から後川が、西から中筋川が合わさり太平洋に注ぎます。「四万川」という支流もあり、流域には「十川」の地名もあります。

アメダス窪川は、吉見川という小さな川との合流地点にあります。デッドスペースの有効活用になっています。合流地点ですから洪水のおそれはありそうですが、とくに嵩上げはされていないものと思われます。標高は205mとされています。

アメダス窪川

土佐くろしお鉄道の車窓から風速計を確認することができます。

1976年開設ですが、現在地に移転したのは1992年2月のようです。

アメダス窪川

アメダス窪川の2020年観測値は次のとおりです。やはり降水量はそこそこです。

年降水量3020.0ミリ136位/1293地点
年平均気温15.4℃330位/922地点
年最高気温37.1℃246位/922地点
年最低気温-4.4℃356位/922地点
年較差41.5℃551位/922地点
年平均風速1.1m/s842位/921地点
年日照時間2057.0時間145位/841地点
▲アメダス窪川の2020年観測値

2021年は年降水量が2桁順位に入っています。標高の関係もあるのでしょうが、最低気温は結構低めです。

年降水量3267.0ミリ65位/1293地点
年平均気温15.3℃334位/921地点
年最高気温34.2℃636位/921地点
年最低気温-6.8℃382位/921地点
年較差41.0℃630位/921地点
年平均風速1.2m/s822位/920地点
▲アメダス窪川の2021年観測値

2022年は窪川では少ない2500ミリ台ですが、それでも全国では15%以内です。

年降水量2551.5ミリ160位/1285地点
年平均気温15.2℃337位/916地点
年最高気温35.1℃462位/916地点
年最低気温-6.5℃434位/916地点
年較差41.6℃532位/916地点
年平均風速1.2m/s800位/915地点
年日照時間2041.3時間256位/842地点
▲アメダス窪川の2022年観測値

最高気温38℃台は6回ありますが、そのうち4回は江川崎で4日連続40℃台をマークした2013年です。

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