神戸海洋気象台から地方気象台への改称は2013年

震災で被災、1999年移転

神戸地方気象台の年表です。前史となる港務所での気象観測が始まったのは東京気象台と同じ年ですが、県立測候所が開設されるのは20年以上過ぎてからです。曲がりなりにも神戸港で観測していたことが測候所の開設を遅らせたのかもしれません。

1875年明治8年10月神戸市海岸通の港務所で気象観測を開始
1896年明治29年12月神戸市中山手7丁目宇治野山に「兵庫県立神戸測候所」創設
1920年大正9年8月神戸測候所の敷地内に「海洋気象台」が発足
1939年昭和14年11月兵庫県立神戸測候所を国営移管統合
1942年昭和17年8月「神戸海洋気象台」と改称
1995年平成7年1月阪神・淡路大震災で庁舎一部損壊
1999年平成11年9月現在地の神戸防災合同庁舎で観測・予報業務開始
2013年平成25年10月神戸海洋気象台から「神戸地方気象台」に組織改編
▲神戸地方気象台

高校野球中継で馴染みのある「神戸海洋気象台」の名称でしたが、「神戸地方気象台」に組織変更されたのは10年前です。

神戸地方気象台
神戸地方気象台(地理院タイルを加工)

阪神・淡路大震災後の1999年に海まで200mの現在地に移転しています。標高は5mとされています。移転前は標高58mの高台にありました。

神戸地方気象台

風速計はポートアイランド

庁舎の屋上設置と思われる高さ25.9mだった風速計は、2007年3月からポートアイランドに移転しています。高さは16.0mです。

せっかくですから、1999年以降の年平均風速をグラフ化してみました。やはり風速は設置箇所次第と言えそうです。

神戸の年平均風速
気象庁>神戸(兵庫県) 年ごとの値 主な要素

地震発生直後となる1995年1月17日午前6時の気温は3.4℃です。翌18日朝には氷点下を観測しています。神戸の冬日は当時で年10日ほどです。欠測はありませんので、業務は粛々と遂行されていたわけです。

移転で統計切断

移転前の年平均気温のMAXは1998年の17.3℃でした。移転後の23年でこれを8回超えています。去年まで5年連続です。

神戸の年平均気温の推移
気象庁>神戸(兵庫県) 年ごとの値 主な要素

2023年の年平均気温を9月までの実績と10月以降の平年値で推計値を算出すると17.86℃になります。今年は年平均気温の新記録となりそうです。

高台から海の近くに移転したわけですから、夏の夜の気温がより顕著に上がるはずです。2023年の熱帯夜は69日で観測史上1位でした。

神戸の熱帯夜
気象庁>神戸(兵庫県) 年ごとの値 詳細(気温・蒸気圧・湿度)

2023年の夏日は10月26日までで127日です。神戸では11月でも最高気温25℃以上の夏日になることもあり得ますが、新記録には届かないものと思われます。下のグラフは2022年までです。

神戸の夏日日数
気象庁>神戸(兵庫県) 年ごとの値 詳細(気温・蒸気圧・湿度)

2020~2022年の観測値

神戸地方気象台の2020年から2022年の観測値は次のとおりです。日最高気温38℃台は1994年に3回記録されているだけで、移転後の38℃台はありません。移転前に3回あった真冬日も移転後は観測されていません。

年降水量1614.5ミリ765位/1293地点
年平均気温17.6℃80位/922地点
年最高気温37.4℃200位/922地点
年最低気温0.2℃64位/922地点
年較差37.2℃802位/922地点
年平均風速3.6m/s123位/921地点
年日照時間2185.8時間57位/841地点
▲神戸地方気象台の2020年観測値
年降水量1637.0ミリ775位/1293地点
年平均気温17.5℃92位/921地点
年最高気温37.4℃78位/921地点
年最低気温-2.4℃103位/921地点
年較差39.8℃702位/921地点
年平均風速3.6m/s129位/920地点
▲神戸地方気象台の2021年観測値
年降水量1160.5ミリ1014位/1285地点
年平均気温17.5℃81位/916地点
年最高気温36.8℃199位/916地点
年最低気温-0.5℃67位/916地点
年較差37.3℃804位/916地点
年平均風速3.6m/s129位/915地点
年日照時間2310.0時間24位/842地点
▲神戸地方気象台の2022年観測値

移転後の最深積雪は4センチです。移転前は1945年に17センチを観測したことがあります。

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