北流する天塩川、河口から10キロで南流に反転

半島に名前はない?

天塩川(てしお-がわ)は本流の長さとしては国内4位で道内2位です。

1信濃川367km日本海
2利根川322km太平洋
3石狩川268km日本海
4天塩川256km日本海
5北上川249km太平洋
6阿武隈川239km太平洋
7最上川229km日本海
7木曽川229km太平洋
9天竜川213km太平洋
10阿賀野川210km日本海
▲本流の長さTOP10

天塩川の源流は天塩岳付近です。岩尾内湖を経た天塩川は士別から下流は宗谷本線が並行し、基本的には北流します。名寄、美深、音威子府、中川と流れて、幌延で宗谷本線と離れて日本海に向かいます。いよいよ日本海に注ごうという500m手前で南流に転じるのが天塩川です。

天塩川
天塩川(地理院タイルを加工)

天塩川は河口部10キロ近くを南流します。その河口部の様子です。左が天塩川、白波が立っている右は日本海です。この道路は人工的に補強されていますが、人工的に築造された堤防ではありません。

天塩川と日本海

それなら命名「天塩川岬」

天塩川は天塩町と幌延町の町境になります。次の画像では手前が天塩町で、天塩川の向こう岸(上の画像の道路)が幌延町です。奥にうっすら見えるのが日本海になります。

天塩川河口部

汽水湖ではありがちとはいえ、河川ではきわめて特徴的な半島(岬)状の地形を形成しています。10キロ足らずのうえに名所的な施設は絶無ですから、とくに名前はついていないようです。私は勝手に「天塩川岬」と呼んでいます。

天塩川河口部
天塩(地理院タイルを加工)

天塩大橋から天塩河口大橋まで14キロほどあります(直線11キロ)。ほかに橋はありません。天塩河口大橋から半島先端部まで約5キロです。先端部滞在中に大規模地震が起きたら、(覚悟を決めるという選択肢はないでしょうから)必死に橋まで戻るしかありません。

天塩河口大橋

幸いにも道北は長崎とともに日本ではもっとも地震が少ない地域です。とはいえ、間違って川を泳いできたヒグマに遭遇してしまったときは逃げ道がありません。車なら閉じこもってタイマン勝負を避けられますが、バイクでは持て余すことになりそうです。

地図で見るとワクワク感がありますが、実際には何もありません。天橋立をレンタチャリで走っても、心細さもなければ面白味にも欠けます。それでも私が天塩や幌延で生まれていたら、小学校高学年で突端部を目指したはずです。

アメダス天塩

アメダス天塩は平地の畑の中です。標高は9mとされています。2023年5月のストビューではまだプロペラ式の風速計です。2009年10月から風速計の高さが10mに変わっています。

アメダス天塩

アメダス天塩の年平均気温の推移は次のとおりです。

アメダス天塩の年平均気温
気象庁>天塩(留萌地方) 年ごとの値 主な要素

9月までの実績と10~12月の平年値で2023年の年平均気温を算出すると7.94℃になります。観測史上1位になることは確実のようです。

最高気温25℃以上の夏日の日数は次のとおりです。10月下旬ですから、もう夏日になることはないはずです。2023年は夏日46日で去年の40日を当然のようにクリアしています。

アメダス天塩の夏日
気象庁>天塩(留萌地方) 年ごとの値 詳細(気温・蒸気圧・湿度)

2020~2022年の観測値

アメダス天塩の2020年から2022年の観測値は次のとおりです。沿岸部とはいえ、年最低気温は毎年マイナス20℃台です。

年降水量822.0ミリ1227位/1293地点
年平均気温7.4℃821位/922地点
年最高気温32.3℃816位/922地点
年最低気温-25.5℃869位/922地点
年較差57.8℃60位/922地点
年平均風速4.3m/s76位/921地点
年日照時間1532.3時間643位/841地点
▲アメダス天塩の2020年観測値

2020年の降水量は10月から11月にかけて10日ほどの欠測があります。

年降水量852.5ミリ1271位/1293地点
年平均気温7.5℃823位/921地点
年最高気温33.8℃694位/921地点
年最低気温-24.4℃871位/921地点
年較差58.2℃65位/921地点
年平均風速4.2m/s83位/920地点
▲アメダス天塩の2021年観測値
年降水量937.5ミリ1218位/1285地点
年平均気温7.6℃815位/916地点
年最高気温31.6℃791位/916地点
年最低気温-23.6℃867位/916地点
年較差55.2℃56位/916地点
年平均風速4.3m/s73位/915地点
年日照時間1608.1時間707位/842地点
▲アメダス天塩の2021年観測値

最深積雪は2013年1月の120センチです。最低気温マイナス30℃台は1985年1月に2回観測されています。

ちなみに、「赤穂の天塩」は「あましお」と読みます。「塩屋の天塩」は「てんしお」なのだそうです(いずれも商品名です)。「テシオにかけて育てる」は「手塩」です。

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