肱川(ひじかわ)
2018年7月のいわゆる西日本豪雨で、ダムの緊急放流により5人が死亡したのが西予市(せいよ-し)野村町です。私は肱川を「ひじ-がわ」と読むのだと思っていましたが、清音の「ひじ-かわ」が正解のようです。
気になるのが由来です。Wiki「肱川」には3つの説が掲げてあります(外部リンクA)。
(1)流路が肱のように屈曲しているから
(2)泥土やぬかるみを「ひじ」と呼ぶから
(3)大洲城築城の際、人柱にした「おひじ」という乙女を弔うため
観光用に語られる伝説は(3)です。肘は曲がったり伸びたりします。「肘のように可動する」ではなく「肘のように屈曲」が理由なら後付けと思われます。それっぽいのは(2)です。
肱川の支流の数は474本とされています。琵琶湖への流入河川より多く全国5位です。源流から河口までの直線距離は20キロ足らずですが、反時計回りに大きく迂回するため本流の延長は100キロを超えます。
築造されているダムは上流が野村ダム、中流が鹿野川ダムです。鹿野川ダムは11月1日午後3時に貯水率0%になり、24日22時現在も0%のままです。野村ダムは37.6%です(外部リンクB)。
野村ダム | 8,356千㎥ |
鹿野川ダム | 39,198千㎥ |
大きいほうの鹿野川ダムが0%ですから深刻ですが、貯水率0%になるのは珍しいことではないようです。流域人口は約10万人です。
【外部リンク】
(A)■Wikipedia>肱川
(B)■リアルタイムダム諸量一覧表>肱川水系 野村ダム、鹿野川ダム
アメダス宇和
アメダス大洲は2つのダムの下流です。ここで雨が降ってもダムが満たされるわけではありません。野村ダムより上流のアメダス宇和の降水量は次のとおりです。
松山もそうですが、10月までの降水量としては平年並みです。9月と10月が少ないため、渇水の問題が生じているわけです。台風は来なければ来ないでまた厄介です。
今のアメダス宇和は肱川の支流沿いです。ピンの下に見える矩形が観測露場になります。
年平均気温と夏日日数
アメダス宇和は2度移転しています。標高は次のとおりです。
1975/5/1~ | 250m |
1987/3/30~ | 208m |
2009/2/17~ | 200m |
年平均気温は次のように推移しています。今年10月までの実績と11月・12月の平年値で今年の年平均気温を試算すると15.6℃になります。
夏日の日数は次のとおりです。11月の夏日は過去3回しかありませんでしたが、今年は11月2日から5日まで4日連続で夏日でした。
2020~2022年の観測値
アメダス宇和では最高気温38℃台が2回あります。最低気温の氷点下二桁も4回あります。最高気温は松山より高く、最低気温は松山より低いわけです。2020年~2022年の観測値は次のとおりです。
年降水量 | 2211.5ミリ | 405位 | /1293地点 |
年平均気温 | 15.7℃ | 301位 | /922地点 |
年最高気温 | 37.1℃ | 246位 | /922地点 |
年最低気温 | -3.5℃ | 284位 | /922地点 |
年較差 | 40.6℃ | 614位 | /922地点 |
年平均風速 | 2.2m/s | 415位 | /921地点 |
年日照時間 | 1988.0時間 | 209位 | /841地点 |
年降水量 | 2093.0ミリ | 475位 | /1293地点 |
年平均気温 | 15.6℃ | 302位 | /921地点 |
年最高気温 | 36.0℃ | 302位 | /921地点 |
年最低気温 | -5.3℃ | 297位 | /921地点 |
年較差 | 41.3℃ | 604位 | /921地点 |
年平均風速 | 2.1m/s | 482位 | /920地点 |
年降水量 | 1323.0ミリ | 827位 | /1285地点 |
年平均気温 | 15.7℃ | 278位 | /916地点 |
年最高気温 | 36.0℃ | 331位 | /916地点 |
年最低気温 | -5.7℃ | 389位 | /916地点 |
年較差 | 41.7℃ | 527位 | /916地点 |
年平均風速 | 1.9m/s | 538位 | /915地点 |
年日照時間 | 2043.5時間 | 252位 | /842地点 |
アメダス宇和の年降水量は平年値で松山の2倍近くになります。瀬戸内気候とは言えないようです。
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