長野1区の若林健太氏、8万8千円のマルコメ味噌代

中選挙区時代の旧・長野1区から参議院に転じた若林正俊氏は、第1次安倍内閣で環境大臣として初入閣します。

▲若林正俊氏の大臣歴

環境大臣在任中、「なんとか還元水」の松岡農水大臣が自殺したため、数日ながら農水大臣の臨時代理を兼任します。正式に松岡氏の後任に座った赤城氏も収支報告書不記載や二重計上が発覚して2か月で辞任、若林氏が正式に兼任大臣に就任しました。

内閣改造でいったんは任を免れましたが、後任の遠藤氏も政治とカネの問題が発覚して1週間で辞任に追い込まれます。結局、若林氏は3度目のリリーフ登板を託され、福田内閣の改造まで約1年間を農水大臣として過ごすことになります。

2009年の総選挙で敗れた自民党は麻生氏が辞任表明しますが、後継総裁を決められないまま国会が開催されます。鳩山氏が選出された首班指名選挙では、自民票は当時自民党両院議員総会長だった若林氏に投票されています。

同年、秘書で長男の若林健太氏は翌2010年参議院選挙候補者の公募に応じて、後継者となります。健太氏は国政選挙で2勝2敗です。

▲若林健太氏の国政選挙

自民党アンケートによれば、若林氏の5年間の不記載額は368万円です。資金管理団体「健政会」の収支報告書は1月31日付で訂正されています（立憲民主党で愛知13区選出の大西健介氏も同名の「健政会」です）。

▲若林氏の不記載額

全額がいわゆる「プール金」でキックバックはなかったということです。支出についてはほどほどに追加記載されています。塩谷氏と同じような訂正パターンです。

追加記載された支出は人件費だったり、飲食代だったり、果物代だったりします。追加分では安倍昭恵氏を支払先とする香典が含まれています。領収証をつけられないような気がしますが…。

「健政会」収支報告書（令和4年分）

追加分ではなく元々の記載では10月分の賃料を2度お支払いのようです。

一般的に賃料は前払いですので、10/25支払いのものは11月分と思われます。末松信介氏の収支報告書では関西電力の住所が間違っていましたし、結構アバウトだということがわかります。

それにしても家賃2万7500円はずいぶんな格安物件ですが、選挙用の臨時事務所だと思われます。12月分の支払いがありません。

より興味深いのがマルコメ味噌です。パーティーでの支出です。

高野豆腐なら田楽でしょうし、きのこも味噌焼きかと思われます。マルコメ株式会社の本社は長野市です。北陸新幹線から工場が見えます。下りなら左手、長野駅の手前です。

先代は勝共推進議員ではありませんでした。健太氏は共同通信のアンケートに「街頭演説を聞きに来る等の支援があった」、「ごみ拾いのイベントへの参加要請があり、冒頭あいさつを行った」と回答し、旧・統一教会（統一協会）との自民党「点検」でも氏名公表されています。

長野1区は長野県北東部です。長野市内には全国有数規模の長野家庭教会がありますが、選挙区内にはもう1つ信州中野家庭教会があります。

ストビューでは看板・表札類は確認できません。所在としては長野市に隣接する人口1.1万人の小布施町（おぶせ-まち）です。小布施町は長野県最小の町で、その北にあるのが中野市です。今の教会名は「信州中野」ですが、かつては「信野教会」だったようです。

「信野」の読みは「しなの」ではなく「しんの」のようです。今は接続できない教会サイトのアドレスが「ffwpu-shinno.org/」です。教団名称変更後に教会名が変わっています。

「長野北」や「北信」でよさそうな気もしますが、「中野」では東京・中野区の教会とかぶります（中野教会は閉鎖）。苦心の末のネーミングなのか、教会長の姓だったのかは判断しかねます。通称なのかもしれませんが、かつては地名ではない◯◯教会が見受けられます。

長野駅から車で30分ほどです。2019年10月の台風19号で新幹線車両が浸水被害を受けたJR東日本の長野新幹線車両センターは千曲川の対岸です。教会所在地は千曲川の堤防が決壊しても洪水を心配する標高ではありません。