裏金を派閥に「返金」したらしい松川るい参議院議員

4年間で204万円の不記載

松川るい参議院議員の不記載額は自民党アンケートによれば4年間で204万円です。

20180
201910万
202058万
202148万
202288万
5年計204万
▲松川氏の不記載額

「松川るい後援会」の収支報告書は2月1日付で訂正されています。

2020(2/1付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額31,197,11431,877,114680,000
(前年からの繰越額)11,111,11411,211,114100,000
(本年の収入額)20,086,00020,666,000580,000
支出総額16,750,95416,750,9540
翌年への繰越額14,446,16015,126,160680,000
「松川るい後援会」収支報告書(令和2年分)
2021(2/1付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額36,798,16037,958,1601,160,000
(前年からの繰越額)14,446,16015,126,160680,000
(本年の収入額)22,352,00022,832,000480,000
支出総額17,004,12017,004,1200
翌年への繰越額19,794,04020,954,0401,160,000
「松川るい後援会」収支報告書(令和3年分)
2022(2/1付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額50,778,04052,818,0402,040,000
(前年からの繰越額)19,794,04020,954,0401,160,000
(本年の収入額)30,984,00031,864,000880,000
支出総額35,123,72035,123,7200
翌年への繰越額15,654,32017,694,3202,040,000
「松川るい後援会」収支報告書(令和4年分)

清和研に全額「返金」

私は不記載訂正を4パターンに類型化していますが、松川氏の訂正は支出の増額訂正なしで全額繰越とする(A)パターンに属します。不記載だった204万円については、清和研に返還したということです。「滞留金」ですから、いわゆるキックバックではなく中抜きだったものと思われます。

清和政策研究会からの滞留金204万円について、今般、清算手続き中の清和政策研究会の管理組織から返還口座の指定がなされたところ、3月14日、指定口座に全額を返還させて頂きました。最後に残った残金はしかるべき公的機関に寄付することとなっていると承知しております。

松川るい公式サイト>ご報告 2024/03/22

松川氏は2016年参議院選挙で定数4の大阪選挙区でトップ当選、2022年は得票を減らしましたが再選されています。

私自身は、昨年末に報道がなされて初めて、還付金などの派閥の慣習の存在を知りました。

松川るい公式サイト>ご報告 2024/03/22

このクラスの議員なら知らなかったとしても仕方がないものかもしれません。

報道を受け、事務所内で調査いたしましたところ、販売担当者より、コロナ期及び改選期に派閥のパーティ券を販売した後になってノルマ変更と不記載についての派閥事務局からの指示があり、指示に従った結果、既に振り込み済み代金の差額として当事務所に合計204万円の滞留金が発生してしまった、清和政策研究会に納める意図で販売した代金として全額使用せず保管していた等との報告がありました。

松川るい公式サイト>ご報告 2024/03/22

「派閥事務局からの指示」が公判中の松本被告なのか別の誰かなのかについては、明らかにされていません。

事務所代表として、こうしたことを全く把握できていなかったことを深く反省しております。以上のような経緯の説明を担当者から受け、私としては、元々清和政策研究会側が受領すべきお金であったことから、清和政策研究会側の準備が整い次第全額を返還すべきであると考えた次第です。

松川るい公式サイト>ご報告 2024/03/22

「返金」は最低ライン

この問題が長引くのは、不記載がいつから誰によってどういう理由で始まったか解明されていないからです。そのうえ、適当すぎる処分が混迷に輪をかけています。危機管理できない政権だということが明らかになっているわけです。

反省の弁を述べて収支報告書を訂正して終わりで納得できるはずがありません。「処分」の最低ラインは、派閥への返金か、個人所得としての納税です。204万円の松川氏は党からの処分は受けていませんが、この「返金」対応で話としてはようやくチャラになります。

5年間で2728万円の不記載だった萩生田氏が松川氏と同じように対応すれば、自民党への逆風はかなり収まるものと思われます。「不明」で訂正して終わり、が通用すると考えているらしい感覚が理解できません。

ところで、「松川るい後援会」の収支報告書には「鉄砲」さんへの支出が記載されています。

鉄砲
「松川るい後援会」収支報告書(令和2年分)

門真市御堂町の「鉄砲」さんはフグ料理店です。「会費」の支払いが発生するとは思えません。この程度のチェックもされることなく受理されるのが収支報告書です(しかも監査報告署付き)。

さて、松川氏は旧・統一教会(統一協会)との自民党点検では氏名公表されておらず、接点が報道されたこともありません。大阪孝成家庭教会2022年4月撮影のストビューでは市議補選候補との2連ポスターが玄関脇に掲げられていますが、松川氏側から提供されたものではないと思われます。

参議院大阪選挙区では3期連続「維新2、自民1、公明1」の議席配分です。自民党が複数候補を擁立したのは1962年が最後です。定数3の時代には、西川きよし氏初当選の1986年、宇野内閣の1989年、橋本内閣の1998年に空白区でした。

複数擁立でもない限り、あえて支援を受けることもないのだろうと考えられます。

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