ながらスマホの悲劇

在香港日本国総領事館による一連の注意喚起では、上水(じょうすい)の衝突で死者が出たことは触れられていません。11月13日正午ごろ、上水駅前でデモ隊と反デモ隊がレンガを投げ合うという衝突が起き、70歳男性が死亡しています。

上水付近
上水付近(Google Earthプロ)

上水は深圳との「国境」まで約3.5キロの至近距離です。中国「国境」近くのストリートビューはおおむね1キロほどのところで行き止まりになります。そこから先は許可がなければ立ち入れない「香港辺境禁区」です。

埋め込んだのは2009年5月のストビューです。上水駅の隣が「国境」の羅湖駅です。羅湖駅でも駅舎の外に出ることは地域住民以外は許されていません。羅湖駅から深圳駅に続く専用通路で出入境手続ができるようになっています。

上水は実質的に「国境」の町であり、観光客が訪問できる香港最北の町と言ってもいいのかもしれません。ずいぶん怪しげな施設であるらしい新屋嶺拘置所も香港辺境禁区内にあります。

さて、動画を見ると70歳男性は双方の最前線に立ってスマホ撮影中だったようです。レンガが頭を直撃した数秒前、前からも後ろからもレンガが飛びかっていますが避ける様子はありません。

危険な状況で自ら視界を塞いでいたわけです。報道を総合すると、デモ隊と道に置かれたレンガを片付けようとする反デモ派との間で衝突が起きたようです。50人以上の負傷者が搬送され、翌14日の朝に彼は亡くなっています。


区議会議員選挙を受けて

こちらの動画は37秒ほどでリピートされますが、この動画だけでは何もわかりません。 そもそも投票日当日に撮影されものなのか、バスが停まっているのが投票所の前なのか、 渡しているポチ袋には何が入っているのか、ポチ袋を渡しているのが建制派(親中派)なのか、 決定的な動画であるとは言えません。

ただ、こういうことはあっても不思議ではないと私は理解しています。 私は選挙自体が延期という名の中止になるのだろうと考えていました。 監視団が張り付いていて操作ができないなら、この結果になることは十分に予見できたはずです。

監視に慣れていても選挙には慣れていなかったのかもしれませんが、小選挙区制では452議席中388議席も起こり得る話です。香港政府あるいは中国政府にどんな目算があって選挙を認めてしまったのか、今のところ首を傾げるばかりです。

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