当たらずと言えども遠からず

上陸12時間前(10/12 07:40)の天気予報です。

台風の接近に伴って、13日(日)明け方にかけて、四国から東北の広い範囲で潮位が高くなる見込みです。特に、東海地方では、過去最高潮位を50センチ上回る所もあり、記録的な高潮となるでしょう。沿岸施設では重大な災害の恐れがありますので、厳重に警戒して下さい。

tenki.jp>台風19号 非常に強い勢力で関東・東海に上陸へ

東海地方で過去最高潮位を50センチ上回った箇所はあったのでしょうか。台風19号で最高潮位が更新されたのは次の5地点です。

最高潮位更新地点
最高潮位を更新した地点(Google Earthプロ)

▼潮位、その日時、観測地点、従来の1位の潮位とその年月日を記載しました。

230cm(10/12 05:59)三宅島 193cm(2018/7/28)
172cm(10/12 16:11)小田原 123cm(2011/9/21)
200cm(10/12 15:05)石廊崎 183cm(2009/10/8)
170cm(10/12 17:35)清水港 150cm(2017/10/23)
182cm(10/12 17:04)御前崎 169cm(2004/10/9)

小田原が49cmオーバーでした。まあ、1cmぐらいは大目に見たいところです。小田原が東海地方だと言い切れるかどうかも微妙なところですが、東海地方の隣接地域ではあります。

台風19号が伊豆半島に上陸したのは19時前です。御前崎への最接近は17時半前後になります。当日の御前崎から焼津、清水、田子の浦の満潮時刻は16:56とされていました。干満差は1m程度です。

上陸直前の中心気圧は955hPaで、標準気圧は1013hPaです。低気圧の吸い上げ効果は1hPaで約1cmと言われています。吸い上げ効果だけでも、海面水位は50~60cm高くなるわけです。満潮が重なれば悠に1m超となります。

そこに波が押し寄せれば、雨で増水した河川は河口付近で溢れるしかありません。高潮被害は予見可能だと言っていいのかもしれません。予見可能だとすれば、不作為は「過失」となります。

焼津市成案寺川沿岸の水産加工センター団地などが被災しているようです。浸水そのものは防げないとしても、浸水することを前提に回避できた被害もあったのではないかと思えなくもありません。

静岡県内の住戸被害(全半壊、一部損壊、床上・床下浸水)は、焼津市で700棟超、伊豆の国市で600棟超、函南町で400棟超、沼津、静岡、牧之原、菊川の4市でそれぞれ100棟超とされています。

埋め込んだストビューは2015年2月撮影のものです。台風で倒れた看板です。上陸地点の近くになります。

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