ブライトリングを3個作った首都圏の気象レーダー

2023年2月10日、南岸低気圧による関東地方の大雪で気象レーダーのブライトリングが話題になりました(頁末リンク【1】参照)。リングの中心となったレーダーは次の3か所です。

新横浜(国交省・鶴見川流域センター)

新横浜のレーダーは日産スタジアムから見えます。新横浜駅とは反対側(小机駅側)です。レーダーは地上からの高さが56.5m、海抜高度が61.5mとされています。鉄塔の間近まで行けますが、もちろん上に登れるわけはありません。

日産スタジアムから見た新横浜レーダー

レーダーの手前に見えるのは国交省の鶴見川流域センターです。2階には展示ルーム「わくわく水族館」があります。入場無料ですので、それに応じたレベルの水槽です。物販から開演までの時間をつぶすには物足りませんが、歩きを入れて1時間ぐらいは引っ張れます。

小机駅から徒歩5分の新横浜レーダー
新横浜レーダー(地理院タイルを加工)

横アリから歩くと片道30分ほどですので季節との相談も必要です。小机駅からは徒歩5分です。火曜定休の施設です。

船橋(国交省・船橋防災センター)

船橋レーダーはJR総武線の車窓から見えます。下り電車なら、東船橋駅を出てすぐです。陸橋をくぐる前に右手の海側に鉄塔が見える瞬間があります。高さは70.0m、海抜高度が87.9mです。

国交省・船橋レーダー
船橋レーダー(地理院タイルを加工)

船取県道の陸橋下にある中野木交差点から見た船橋レーダーです。市街地で高さ60mを超えると、原則として赤4段・白3段の紅白塗装になるのは航空法による要請です。

船取県道・中野木交差点から見た船橋レーダー

柏(気象大学校・東京レーダー)

一般的には「東京レーダー」と呼ばれている気象大学校のレーダーは敷地の北東端に設置されています。気象庁所管の場合、小樽にあっても札幌レーダー、佐賀にあろうと福岡レーダーです。管区気象台がレーダーを持たないのは具合が悪いのかもしれません。

東京気象レーダーは柏駅から徒歩15分ほどです。東武野田線の線路沿いになります。柏駅から春日部・大宮方面に向かう電車なら、出発してすぐのカーブを曲がって踏切を2つ超えたところです。鉄塔ではなくSRC造ですので、ビジュアル的には新横や船橋に見劣りしなくもありません。

気象大学校の東京レーダー

東京レーダーでよく話題になるのは神栖方面に伸びるおなじみの2本線です(末尾外部リンク【2】)。ブライトリングよりはるかに高い頻度で見られます。支障になっているのは、柏駅東口の再開発で建てられた2つのタワーマンションです。

ザ・柏タワー99.99m29階建2010年築柏2-10-2
ライオンズタワー柏98.59m27階建2016年築柏1-7-1
▲レーダー障害になっているマンション

位置関係は次のとおりで、レーダーとの距離は1キロ少々です。東京レーダーは地上から55mでアンテナ標高が74mですから、地盤面標高は19mです。

東京気象レーダーと2つのタワマン
2棟のタワマン(地理院タイルを加工)

2つのタワマンはどちらも2~3mほどとはいえ地盤面標高が東京気象レーダーより高くなっています。アンテナ標高74mに対して、タワーのてっぺんの標高は120m超です。

雨雲が線状に途切れるだけなら、脳内で接続再生すればいいわけです。美しくないとしても、たいした問題ではなかろうというのが私の理解です。長野レーダーは茨城県全域をカバーしていますので、気象庁的には線上部分のデータがないわけでもないようです。

それより私にはささやかな疑問があります。末尾外部リンク【3】では、東京レーダーは2006年竣工になっていますが、私はそれ以前に見たことがあるような気がするのです。

奥華子がTEPCOひかりのCMソングを歌ったのはインディーズ時代です。たまたま総武線のどこかの駅頭で見たことがあります。メジャーデビューは2005年7月で、「ガーネット」は2006年です。私が東京レーダーに気づいたのはメジャーデビュー後の2005年秋だと思われます。

まあ、私は気象レーダー塔の完成形を知らなかったわけですし、外観的にはほぼ出来上がっていたのかもしれません。竣工2006年と言っても2005年度なら話の整合性はとれそうです。

【外部リンク】
【1】■ウェザーニュース>雨雲レーダーにリング状の模様「ブライトバンド」が出現 2023/02/10
【2】■東京新聞>気象レーダー 県境に謎の2本線 2021年3月9日
【3】■りんかい日産建設株式会社>施工実績 東京気象レーダー観測所レーダー塔

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