天井川トンネル付近のハザードマップを調べてみました。
宝達川(石川県道75号線)
JR七尾線の宝達(ほうだつ)駅から1キロ少々のところで、県道75号線が宝達川の高架?をくぐります。
ストリートビューでは高さ制限3.1mのトンネルです。川もコンクリートで固められているのでしょうから、それほど心配することはないのかもしれません。
宝達志水町のハザードマップでは土砂災害の危険はないとされる地域です。洪水バージョンは宝達川に関しては作成されていません。地震は最大震度6.5が想定されています。6強なら施工不良がなければ持ちこたえられそうですが、直下型の7ではヒビ割れぐらいは起きそうな気もします。
大沙川(滋賀県湖南市)
旧・東海道の大沙川(大砂川)隧道は「吉永のマンポ」という名前で呼ばれているようです。地理院地図には道路がありませんが(茶色の直線は私が加えたものです)、130mほど上流に新しいトンネルが整備されています。JR草津線も隧道になっています。
こちらが新しいトンネルです。
日本最古の石造隧道とされる「吉永のマンポ」です。
大沙川は野洲川の支流であり、源流から隧道までの距離がせいぜい1.5キロしかありません。かりに溢水が起きたとしても深刻な被害をもたらす水量にはならないものと思われます。
湖南市のハザードマップでは野洲川の氾濫は想定されていますが、大沙川は無印です。土砂災害の危険もないという判定です。ただ、旧・東海道のトンネルは外見的には震度7クラスなら崩落必至のように思えます。
跨線橋を流れる住吉川
JR神戸線は芦屋川と住吉川の下をくぐります。複々線区間です。
縦が住吉川、横がJRになるように方位をずらしました。あまり見かけない構造ですが、住吉川とJRが交差する付近では次のようになっています。
JRの線路を跨ぐ橋は構造的には3区分されるようで、西側の住吉駅寄りは住吉川橋、東側の摂津本山駅寄りは野寄(のより)橋と名付けられています。
住吉川も芦屋川も1938年の阪神大水害(細雪水害)で決壊しています。六甲山の各所で土砂崩れが起きて各河川に土石流が流れ込んだからです。当時から天井川でした。死者・行方不明者は715人、神戸市内の7割の家屋が被災したということです。
上流で塞がれた場合、普通の川なら塞がれて迂回した水はやがて川に戻り、通常ルートで海に運ばれます。天井川の場合、いったん川筋を外れると2度と戻ることはありません。堤防が一時避難場所になるだけです。
住吉川も芦屋川もハザードマップ的にはノーマークです。もちろん治山治水は進んだはずですし、上流部の土砂崩れまで考えたらキリがありませんが、どうやらハザードマップで無印だから安心というわけでもなさそうです。
【外部リンク】
■国土交通省>阪神大水害デジタルアーカイブ
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