人口12万人のデルナ
東日本大震災では地震発生1週間後(3/18)の死者数は6900人台でした。今年3月11日時点では行方不明者と災害関連死を含めて2万2215人です。
9月10日の洪水で7000~8000人が死亡したと伝えられているのがリビアのデルナです。市長は2万人に及ぶ可能性に言及しているようです。デルナの人口はNHKニュースによれば12万人ということです。
洪水を引き起こした豪雨をもたらしたのは「ストームダニエル」と名付けられた低気圧です。いわゆる台風(タイフーン、サイクロン、ハリケーン)ではありません。インド洋で発生したサイクロンがリビアを襲ったのではなく、温帯に属する地中海で発生した低気圧です。
デルナの年降水量はWikiによれば274ミリです。4月~9月の乾季は半年で22ミリに過ぎません。今回の24時間雨量は400ミリだそうです。雨の多い日本でも24時間400ミリは災害レベルです。
1970年代に建設された2つのダムが決壊したようです。乾季の終わりですから、ほぼ空っぽの状態だったものと思われます。内戦でメンテナンスが行われていなかったというのは、おそらくそのとおりなのでしょう。むしろインフラは破壊される方向に向かうのが内戦です。
ただ、決壊しなくても受け止められる量ではなかったのかもしれません。1.5年分に相当する雨が24時間で降るという想定はなかなかできないものと思われます。
日本で雨の少ない地域での豪雨としては、1976年台風17号によって小豆島のアメダス内海(うちのみ)で日降水量790ミリを観測したことがあります。平年値の8か月分相当です。
日降水量としては当時の歴代2位でした。今でも5位であり、日降水量歴代1位は2019年台風19号の箱根で922.5ミリです。1976年の小豆島では39人の死者が出ています。島だけに長い川はありません。洪水というより土砂崩れによる犠牲でした。
Google Earth画像
さて、Google Earthプロにリビアの最新画像がUPされていました。まずはビフォーです。
アフターに緑はほぼありません。海も濁っています。
拡大してみます。河口付近のビフォーです。
まだ生々しいアフターです。
決壊したダム
橋は5本流されたということですので東西の往来ができないわけです。河口から3~5本目のビフォーになります。
アフターです。川の左手では建物も消失しています。
決壊した下流側のダムです。
ダム湖に水が残っていません。
宇野沢氏の解説動画です。
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