「福地」とはどういう意味なのか?
「一般社団法人南北米福地開発協会」という、名前だけではなかなかピンと来ない名称の団体があります。国税庁の法人検索サイトでは「ナンボクベイフクチカイハツキョウカイ」とフリガナが振ってあります。
パナマ地峡で合体したアメリカ大陸は南北に長いため、カナダからチリまでその全体を指す場合には「南北米大陸」と呼ぶことがあります。「大陸」を略されると日本語としてはわかりにくくなります。
天宙平和連合もそうですが、韓国語→(英語→)日本語という翻訳の問題があるため、日本語としてはやや不自然な団体名になるのだろうと私は感じています。
さて、「福地」という地名は北海道と四国を除く各地に存在します。読みは「ふくち」とは限りません。「ふくじ」と濁る場合もあるようですし、高梁市の「福地」は「しろち」です。
(青森)南部町立福地小学校 | (奈良)宇陀市 福地岳 |
(秋田)横手市 福地簡易郵便局 | (兵庫)太子町 福地簡易郵便局 |
(宮城)石巻市 福地山 | (岡山)高梁市立福地小学校 |
(長野)伊那市 福地簡易郵便局 | (福岡)直方市立福地小学校 |
(岐阜)八百津町 福地簡易郵便局 | (鹿児島)名瀬市 福地川 |
(愛知)西尾市立福地中学校 | (沖縄)東村 福地ダム |
「洞天福地(どうてんふくち)」という四字熟語は道教関連のようです。本来の意味はこうだったのでしょう。
福地とは、かつての中国で神仙(仙人)になるための修行に最も相応しい土地、あるいは神仙が住む土地として理解された。
東洋大学>山田利明「理想の大地―福地の思想」
どちらかと言えば、「耕作に適する土地」(歴史民俗用語辞典・weblio辞書)、「すぐれた地。福相をもった地」(日本国語大辞典・コトバンク)の意味で使われているものと思われます。
協会が開発している「福地」とは日本ではありませんが、多くの日本人が関わってきた歴史があるようです。
国立オリンピックセンターで古参信者が講演
「一般社団法人南北米福地開発協会」の主たる事務所所在地は「川崎市高津区溝口3丁目11番15号 岩崎ビル4B」とされています。東急溝の口駅と高津駅の中間付近、旧大山街道沿いです。

1階の岩崎酒店さんはコロナ禍の2021年8月閉店ということです。5階と6階は酒屋さんらしく「糀ホール」と名付けられていますが、酒屋さんらしからぬ140席の音楽ホールだそうです。レンタル用のスペースです。3階と4階が賃貸に出されているようです。
「一般社団法人南北米福地開発協会」のWebサイトを覗いてみました。ニューヨークに北米事務局が、パラグアイの首都・アスンシオンに南米事務局があるということです。
9月30日には「第26回パンタナール1dayセミナー」が開かれるようです。会場は代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターです。予定されているプログラムは次のとおりです。会費は昼食付で2000円です。
★柴沼邦彦講師による「レダプロジェクト提唱者の思想と開拓の歴史」
★中田欣宏・代表理事による「レダプロジェクトの現状と今後のビジョン」
★藤生輝彦・青年局長による青年局報告
Google先生の検索窓に「柴沼邦彦」氏のフルネームを放り込んでみました。家庭連合Web教会のYouTubeチャンネルなどがヒットします。柴沼氏は1970年の合同結婚式に参加した「777双」の古参信者です。
旧・統一教会(統一協会)は昨年暮れに解散請求しないように求める嘆願書2万3486通を文化庁に郵送しています。小山田秀生氏とともに嘆願書提出の呼びかけ人になったのが柴沼氏です。中田氏もやはり「777双」です。2007年にパラグアイで誘拐された太田洪量氏も「777双」です。
なお、前回のセミナーは今年4月29日に開催済みのようです。国立オリンピックセンターは文科省が所管する独立行政法人国立青少年教育振興機構の運営です。
レダ・プロジェクト
協会Webサイトには2019年4月発行の「レダ・プロジェクト」と題するパンフレットがPDFで公開されています。このパンフには次のように記述されています。
★文鮮明・韓鶴子夫妻が提唱したプロジェクトで団体名も命名
★日本人の弟子が30年以上従ってきた
★8万ヘクタールの土地は「日陽園」と名付けられている
もちろん、教祖夫妻の写真も掲載されています。全国霊感商法対策弁護士連絡会やWikiのリストには入っていませんが、この団体を旧・統一教会(統一協会)の関連団体と解することに何ら問題はないはずです。
世間的には関連団体扱いされていて、川崎市高津区を選挙区としている山際大志郎氏は2019年10月14日に京王プラザホテルで開かれた「レダ開拓20周年記念式典」で来賓挨拶して(その記憶をなくして)います。
レダはパラグアイ川を隔ててブラジルと接しています。Google Mapではちゃんと日陽園もヒットします(「閉業」ではありません)。

パラグアイとはどういう国でしょうか。去年12月に改訂された在パラグアイ日本国大使館の「安全の手引き」は、次のような書き出しで始まります。
パラグアイは、ボリビア、アルゼンチン及びブラジルと国境を接することから、違法薬物の流通経路となっています。
在パラグアイ日本国大使館>安全の手引き
なにも冒頭でなくてもよかろうと思いますが、いきなりこんなふうに書かれてしまう国のようです。もちろん、「一般社団法人南北米福地開発協会」の活動内容には違法薬物の栽培・製造・運搬・売却などはありません。協会Webサイト「活動の紹介」のページに掲載されているのは次のとおりです。
★植樹活動
★環境保全牧場
★農業試験場
★学校等への支援
★国際協力青年ボランティア
★教育施設の建設
★魚の養殖研究
パラグアイとブラジルの国境
次のような記事もあります。レダに滑走路っぽいものはありますが、この記事の末尾で現地教会の弁護士は「我々は違法行為には一切関与していない」と語っていますので、念のため。もし関与が事実なら完全にゲームオーバーです。
【外部リンク】
ブラジル日報>南米麻薬密売組織が違法滑走路=パラグアイの旧統一教会〝楽園〟に 2023年8月12日
パラグアイとブラジルの国境はこんな感じです。パラグアイから橋を渡ってブラジル側の検問を通過する場面のストビューです。

2ケツのバイクはストビューの次のコマではもう通り過ぎようとしています。指名手配犯でもない限りフリーパスのようです。

次の画像は右下がブラジルで左上がパラグアイですが、川の両岸に船が見えます。対岸への行き来はほぼノーチェックだろうと思われます。

お次の画像は右下がパラグアイ、左上がブラジルです。道路は両国国境のブラジル側を通っています。

Google Mapの国境線(黄色)の位置が正しいなら、下のストビューでは道路に並行した右の塀や標識の辺りを国境線が通過しているはずです。赤いバイクはパラグアイの家から出てきて、今まさに国境線をまたいでいるところになります。これでは出入国審査などあり得ません。

こういう環境ですので噂なら昔からあります。
柴沼邦彦(しばぬま くにひこ、1945-)1970年「777双」。1983年からヨーロッパで宣教、1999年から南米パラグアイ・レダ開拓摂理を担当。「国家メシヤ事務局」局長(2012)。「南北米福地開発協会」会長(2014)。「特別巡回師」(2015-22)。「尾瀬聖和家庭会」理事長(2021)。
中田欣宏()「株式会社ハッピーワールド」代表取締役(2011)。「地球の緑を育てる会」東京支部長(2014)。「777双家庭会」会長(2015)。ラトビア国家メシヤ(2018)。
中田実()1970年「777双」。パラグアイ「レダ基地」所長=現地法人「南北米福地開発財団」理事長(2017)。
飯野貞夫(いいの さだお、1941-)1975年「1800双」。鹿児島教会長、福岡教会長、本部文化部長、家庭局長。「国家メシヤ事務局」会長代理(2012)、「南北米福地開発協会」会長(2013)。「特別巡回師」(2015-17)。
佐野道准()1975年「1800双」。現地法人「南北米福地開発財団」副理事長(2014)。「南北米福地開発協会」理事(2016)。
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