スーパー残暑、11月最高気温を3.8℃更新のアメダス広瀬

11月1日から7日にかけて、日本列島はスーパー残暑に見舞われました。この間、11月の最高気温が更新されたのは延べ653地点、タイ記録が延べ69地点です。

▲11月最高気温の更新

重複がありますので11月の最高気温が更新されたのは、実数では514地点、タイ記録が33地点でした。それでも全観測地点の半数を超えています。更新幅が3.2℃以上だったのは9地点です。

▲11月最高気温を3.2℃以上更新した観測所

にかほでは夜11時台に27℃に達しています。21時10分には気温21.6℃で湿度61％ですが、23時30分は気温27.2℃で湿度37％です、

11/7の東京や11/2の前橋は100年ぶりの記録更新でしたが、11/5の福岡と熊本では114年ぶりとなる新記録です。

▲古い記録を更新した観測所

さて、日本の気候では8月上旬が気温のピークです（沖縄は7月末）。2月から7月にかけては、上旬より下旬のほうが気温が高いわけですから、連日の記録更新はそれほど珍しくありません。次第に寒くなるはずの11月に同一地点で連日の記録更新というのはちょっと異常です。

1日だけならいざ知らず、きのうより今日、今日より明日が暑いなら、桜も咲きたくなるものかもしれません。牛久、中津川、龍ケ崎の3地点では最高気温が1週間のうち4回更新されています（中津川は観測開始が2010年）。

▲牛久

▲中津川

▲龍ケ崎

山口県岩国市のアメダス広瀬では去年まで11月の最高気温は25.3℃でしたが、11月2日はこれを3.8℃も上回る29.1℃を観測しています。11月の夏日は過去2回しかありませんでした。今年は11月の夏日が5回です。

▲アメダス広瀬の11月夏日

錦川の源流は周南市（旧・鹿野町）です。菅野ダムで北東方向に転回し、広瀬からは錦川鉄道・錦川清流線とともに岩国市街地に向かい瀬戸内海に注ぎます。岩国城の前で錦川に架かる橋が錦帯橋です。

1日10往復の錦川清流線の終点が錦町（にしき-ちょう）駅です。2006年の8市町村合併で錦町は岩国市になりました。旧・岩国市以外の7町村は「〇〇ちょう（そん）」が「岩国市○○まち」に置き換えられており、アメダス広瀬の所在地は「岩国市錦町（にしき-まち）広瀬」です。

アメダス広瀬は2度移転しているようです。2002年まで錦中学校付近、2005年まで岩国高校広瀬分校付近です。

Google Mapでアメダス広瀬を検索すると妙なところにピンが刺さりますが、「こっち」が正解です。標高は97ｍとされています。

年平均気温は次のように推移しています。

10月までの実績と11月・12月の平年値で今年の年平均気温を算出すると15.1℃になります。新記録ペースです。

今年の夏日は10月末で143日でした。11月に5日プラスして148日となり、ちょうど去年に並びました。さすがにもう広瀬での夏日はないでしょうから、次のグラフは2023年までとしました。

2020年から2022年の観測値は次のとおりです。最高気温38℃台は過去4回観測されており、そのうち2回が2020年です。最低気温のマイナス10℃台も4回ありますが、直近では2011年です。

▲アメダス広瀬の2020年観測値

▲アメダス広瀬の2021年観測値