1998年2月12日に夏日を観測した宮崎地方気象台

「最多夏日は東京143日、大阪158日、札幌91日」と題する固定ページを公開したところですが、裏テーマは、もっとも早い夏日やもっとも遅い夏日を探すことでした。目下のところ、私が把握している範囲では本土でもっとも早い夏日は1998年2月12日の宮崎です。

1883年1月1日に宮崎測候所として観測を始めた宮崎地方気象台は、2000年5月に中心市街地の宮崎市和知川原（わちがわら）から2キロほど離れた同市霧島に移転しています。

宮崎駅から西に伸びる道路は通称「高千穂通り」です。大分方面から南下した国道10号線は宮崎山形屋前の橘通3丁目交差点で西に曲がり、大淀川に架かる宮崎大橋を渡って山形屋の本拠・鹿児島方面に向かいます。この交差点は東京で言えば銀座4丁目交差点です。

1998年は気象台移転前です。2月12日の15時16分に最高気温25.1℃を観測しています。当日の毎正時の観測値は次のとおりです。宮崎で気温が上がるのは西風のときです。朝8時の湿度は92％ですが、午後3時には50％まで急落しています。

今年4月1日の日最高気温全国1位はアメダス油津の28.7℃でした。朝5時には湿度100％でしたが、午後3時は23％です。

移転前の気象台敷地には今はマンションが建っているようです。

▲宮崎地方気象台

移転後の宮崎地方気象台です。ソメイヨシノの標本木は敷地内にあります。

2000年の移転で統計断絶の赤線が入っていますが、これを無視して年平均気温をグラフ化しました。

周辺環境からすれば移転後のほうが気温は若干低くなるものと思われますが、近隣の観測地点でも年平均気温の1位は1998年です。極端な差はないのかもしれません。

▲年平均気温TOP3

2023年12月16日12:09には25.6℃を観測し、1890年12月3日以来133年ぶりの12月の夏日となりました。宮崎ではもっとも遅い夏日です。

夏日と真夏日は次のような推移です。東日本ほど顕著な増加というわけではありませんが、去年の真夏日は85日で観測史上2位でした。

猛暑日と熱帯夜の推移は次のとおりです。熱帯夜は1990年代から鮮明に増えているようです。

2021年から2023年の観測値は次のとおりです。

▲2021年の観測値

▲2022年の観測値