国頭村・アメダス奥の風速計を壊した2018年台風24号

気象庁Webサイトでは各観測ポイントにつき10分ごとの観測値が公表されています。2018年9月29日21時20分の沖縄県国頭村(くにがみそん)奥のデータは降水量3.0mm、気温23.3℃、西南西の風25.2m/s、最大瞬間風速49.3m/sです。

アメダス奥の観測値
2018/9/29アメダス奥の観測値(気象庁

ところが、21時30分以降の風速・風向の記録がありません。復活するのは翌々日となる10月1日の13時30分です。この間の降水量や気温は普通に掲載されていますので、計40時間に及ぶ空白は風速計が壊れたのではないかと思われます。

アメダス奥は沖縄本島では最北の観測所です。沖縄県内の観測所としてはもっとも標高の高い232mの場所にあります。あいにくストビューでは確認できませんが、衛星写真ではここに違いないと思われる地点が見つかります。住宅街からは離れたかなりの山中です。

アメダス奥と近隣の観測所
アメダス奥と近隣の観測所(地理院タイルを加工)

赤マーカーのアメダス奥の近くにある風速観測を伴う観測所は、青マーカーの名護市の旧測候所、紫マーカーの伊是名島(いぜなじま)のアメダス伊是名、鹿児島県のアメダス与論島(与論空港)です。このうち伊是名については、同日8:50からすべての観測値がブランクです。停電と思われます。

4地点の2018年9月29日の10分ごとの最大瞬間風速は次のとおりです。最大瞬間風速とは3秒間計12観測値の平均値です。

4地点の最大瞬間風速

2018年台風24号は同日18時に伊是名島の北20キロほどを通過しています。沖縄本島も与論島も進行方向右側の危険半円に入っていました。この台風は沖縄市・東南植物楽園に設置されていた高さ25mの観音像をなぎ倒しましたが、像が倒れたのは夜ですから吹き返しの風になります。

アメダス奥の風速計にアクシデントが生じたのも吹き返しの時間帯です。与論島のグラフからすれば、アクシデントがなければ奥の最大瞬間風速は60m/s前後に達したのではないかと思われます。21時台ならまだ余裕で暴風域です。

台風24号はJR東日本が初めて計画運休に踏み切った台風です(首都圏接近は30日の日曜夜)。風速50m/sを時速換算すると180km/hとなります。そして、風圧は風速の2乗に比例するそうです。何が起きても不思議ではないレベルの風が吹いていたということなのでしょう。

沖縄本島は国頭、中頭(なかがみ)、島尻(しまじり)に3区分されることがあります。与論島の北の沖永良部島にも国頭の地名があり、やはり島の北端です。読みも同じ「くにがみ」です。沖永良部島は今帰仁村(なきじんそん)を拠点とした北山(ほくざん)王国の支配下だった時代がありますので、その際に同じ地名がついたと考えるのが妥当なのでしょう。

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