苫東開発に消えた集落、苫小牧市の柏原

「柏原」の読み

地名としての「柏原」の読みは、次のように12通りあるようです。適切なのかどうかはまだわかりませんが、とりあえず6グループに分けてみました。グループ内の相違については、あまり深入りすることは避けたいと考えています。

  • (A)かしわばら
  • (A)かしわはら
  • (A)かしわばる
  • (A)かしわぱっら
  • (B)かしわら
  • (B)かしはら
  • (B)かしばら
  • (C)かしょうはら
  • (D)かいばら
  • (D)がいばら
  • (E)かせばら
  • (F)かやばる

2018年9月の北海道胆振東部地震で大規模停電の引き金を引いたとされるのが苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所です。日本最北の「柏原」は、苫東厚真と同じ開発地域にあります。火力発電所は臨海部であり、「柏原」は臨空部と呼ばれる地域です。

火力発電所は苫東地区と厚真町の境界の沿岸部にあり、その北の白い丸の一団は石油備蓄基地です。備蓄基地から柏原のマーカーまで建物はほとんどありませんが、もともとは1万ヘクタールの工業用地です。

苫小牧市柏原

1万ヘクタールとは10km四方です。国家プロジェクトである工業用地造成のために、農業や酪農を営んでいた入植者が札束で追い出された歴史があるようです。柏原小学校が廃校になったのは1971年ですから佐藤内閣末期です。

この苫小牧市柏原について、郵便番号検索をかけると「かしわら」です。これで何の問題もないはずですが、MapFan、Mapion、Yahoo!地図、goo地図、いつもNAVI、NAVITIMEのネット地図では「かしわら」とされています。

コトバンクの「日本の地名がわかる事典」でも「かしわら」です。苫小牧市Webサイトには「町名一覧表」が掲げられており、これも「字柏原」を「あざかしわら」としています。

行政当局が「かしわら」としているのですから、「HA」だろうが「BA」だろうが業務にはたいして影響のない郵便局はスルーするしかありません。ちなみに、角川日本地名大辞典では「かしわら」でした。

実はNAVITIMEのバス停検索では、柏原も柏原西も柏原西口も「かしわら」になります。これにこだわったら、ちっとも話が進まないと思った次第です。

外部リンク
 苫小牧市>苫小牧市 町名一覧表
 村影弥太郎の集落紀行>柏原

道路案内は「Kashiawabara」(21/09/13追記)

2021年9月13日に柏原で交通事故がありました。丁字路を直進していた白バイが右折しようとした大型トラックと衝突し、32歳の隊員がなくなっています。You Tubeの事故のニュースを5本閲覧しましたが(TBS、HTB、FNN、HBC、UHB)、すべて「かしわばら」と読んでいるように私には聞こえました。

死亡事故の交差点
事故のあった交差点(地理院タイルを加工)

事故現場のストリートビューには「Kashiawabara」の案内板があるのを発見しました。埋め込んだのは2021年8月撮影のストビューです。

HBCは「道道交差点」と言及していました。市役所は「かしわはら」だったはずですが、道は「かしわばら」ということのようです。こういうのがたくさんありそうです。

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