UPFから訴えられた大阪市議会の決議がセコい

別団体ではなかった?

12月16日に富山市に対して市議会決議の取り消しと損害賠償を求めて提訴したのは信者でした。12月23日には、大阪でUPF(天宙平和連合)の大阪支部が大阪市と富田林市に対して同様の訴訟を提起しています。

市議会の決議の取消しを市に求められても、市は困るのではないかと思われます。市に市議会決議を取り消す権限はないはずです。まあ、報道以上のことがわかりませんので、訴状を見ないことにはなんとも言えません。

UPFが提訴しているのもかなり新鮮です。教団とは別団体なのだという従来の主張が通用しないと諦めたのかもしれません。UPFは9月20日付で次のような「声明文」を出しています。

…岸田文雄首相は自民党総裁の立場で、当該団体との「関係を断つ」ことを基本方針として発表するに至りました。私たちも当該団体の「関係団体」として一括りにされ、「絶縁宣言」を受けた形になっています。
 私たちはこの発言を重く受け止める一方で、そもそも「社会的に問題が指摘されている団体」という定義が明確でなく、さらに、それよりも定義が不明確な「関連団体」との関係断絶を迫る自民党のこの度の決定には強い疑問と違和感を覚えます。

天宙平和連合>声明文

ここでは教団を「当該団体」と呼ぶことで距離感をアピールしています。今回はUPFが原告になり、請願権の侵害を主張しているようです。請願は議員の紹介が必須です。教団関連団体であることを理由に断られたという実績がなければ、損害賠償が認められるとは思えませんが、その辺りも訴状の中身次第です。

UPF

法人検索をかけてみると、UPF関係は2団体ヒットします。「UPF」とは「天宙平和連合」の英語略称ではなく、それが正式名称のようです。法人化している地方支部は大阪だけです。

一般社団法人UPF大阪大阪府大阪市阿倍野区阪南町5丁目
23番11号グランデマルマン30A
UPF-Japan東京都新宿区新宿5丁目13-2成約ビル5F
▲UPF

UPF大阪と教団施設との位置関係は次のようになります。大阪市の中心部からは外れていますが、大阪家庭教会と大阪同胞家庭教会を結ぶ絶妙の場所です。

UPF大阪支部
UPF大阪支部(地理院タイルを加工)

UPFは2005年に設立されていますが、その前身となる「世界平和超宗教超国家連合」は1999年設立です。似たような名前の団体が複数あります。

1999世界平和超宗教超国家連合IIFWP
1991世界平和宗教連合IRFWP
2017世界平和宗教人連合IAPD
1970公益財団法人 世界宗教者平和会議WCRP
▲類似名称団体

上の3つは統一教会(統一協会)系です。WCRPは現会長が庭野氏ですので立正佼成会系なのかもしれません。創価学会や生長の家や幸福の科学は入っていないものの、神道、仏教、キリスト系の諸宗教団体をほぼ網羅しており、バランスのとれた構成です。

WCRPをモデルにして統一教会系の諸団体が設立されたのだろうと思われます。下世話な見方をすれば、既存団体と肩を並べて対等なポジションを確保したいという思惑があるのかもしれません。

国連を2院制にして宗教者で上院を構成するというのが文鮮明氏の「妄想」のようです。今の国連がカインで、UPFがアベルという位置づけになるようです。

知らなかった?

さて、大阪市議会の決議文を探してみました。

本市会は、旧統一教会等の反社会的団体の活動に取り込まれることがないよう一線を画することを強く決意する。

大阪市>旧統一教会等の反社会的団体の活動とは一線を画する決議(2022/11/18)

結構なことだと思われます。が、問題はその前の段落です。

大阪市においては、阿倍野区にあった元大阪市の施設が、旧統一教会の信者が経営する企業に買い取られた後、旧統一教会に売却され、現在の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設となっている。この施設が大阪市内における一大拠点となり活動されていることに対して、その当時、知らなかったとはいえ旧統一教会の関係者への売却を判断した議会においても忸怩たる思いである。

大阪市>旧統一教会等の反社会的団体の活動とは一線を画する決議

大阪市議会はドサクサに紛れてこんな(↑)決議をしていたのでした。太字の部分は必要でしょうか? あとから付け足されたかのような文言です。

入札は2007年

大阪家庭教会

大阪家庭教会の施設は1996年築で、2006年に売却が決まり、入札にかけられたのは2007年、所有権移転は2008年です。株式会社優美は2020年に解散して、株式会社日本ジェイエスに合併しています。

1996市教職員互助組合「阪南パラドーム」が総工費20億円で竣工
20087.5億で株式会社優美が3月に取得、7月に教団が賃貸入居
2011株式会社優美から教団に売却(抵当権なし)
▲大阪家庭教会

住民説明会は2008年ですので、入札が実施された2007年時点では議会は「知らなかった」ということなのでしょう。淡々と「忸怩たる思い」を表明すればいいだけのことであって、「知らなかった」ことには触れないほうが潔さがあります。

2023/01/08追記

You TubeのUPF公式チャンネルに提訴時の会見動画が公開されています。会見は12/23ですが、動画の公開は今年です。「UPF大阪が大阪市・富田林市を提訴」

両市の全市議に対して請願を依頼し、返答がなかったということですので、断られた「実績」はあるようです。全議員なら共産党を含むことになりますが、UPFが共産党に請願依頼するという図柄はなかなか楽しいものがあります。ツーショットは保存されていないのでしょうか。

また、UPF大阪が一般社団法人として登記したのは12月だそうです。ひょっとすると、この訴訟の関係で法人化したのかもしれません。訴訟代理人の弁護士は富山と同一のようです。代表者は信仰ありということです。

請願を依頼されたからといって、議員側がそのすべてに応じる義務はなかろうと思われます。政治的スタンスが異なるなら、議員個人として助力できないという判断はあって然るべきです。決議に拘束された結果だと判断されるかどうかは微妙なところです。

「これまでに国が旧統一教会を反社会的団体と規定したことは一度もありません」との主張には同意できなくもありません。行政府の権限ではまったく足りませんので、本来は国会に調査特別委員会を設けて、国政調査に基づいてどの行為がアウトなのか議論されるべきです。

岸田・自民党総裁-茂木幹事長ラインは個々の議員の「点検」に任せて何が起きていたのかを調べることはせず、何が悪いのかを示すこともなく、「関係を断つ」という乱暴な結論だけを急ぎました。本線である安倍、細田、下村各氏らの問題はすべて棚上げされたままです。

国会で証人喚問という事態を避けたいのでしょうが、手続き上の瑕疵はどこまでも残ることになります。

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