台風で消失した灯台

2019年台風19号では三重県紀北町の長島港大石灯台と高知県四万十町興津の灯台が消失しています。2018年台風24号では奄美大島・名瀬港の灯台が流されており、2018年台風20号では神戸市・和田岬灯台上部のLEDが流出しています。また、2017年12月の暴風雪では留萌港の灯台が消失しています。

海面近くに設置された灯台は日常的に潮を浴びており、台風では風と波のダブルパンチに晒されるわけですから、流出や損傷はある程度は織り込み済みのものと思われます。

近年台風で消失した灯台
近年消失した灯台(地理院タイルを加工)

三重県紀北町 長島港大石灯台

高さは8.3mだそうです。紀伊長島のアメダス観測所では2019年10月12日に観測史上2位の最大瞬間風速28.9m/sを観測しています。設置場所の沖40mの海底で見つかったということです。2014年9月撮影のストビューを埋め込みました。中央の岩にかろうじて灯台らしきものを確認できます。

高知県四万十町 浦分港防波堤灯台

四万十町興津の浦分港防波堤灯台は高さ9.5mです。浦分港最寄りのアメダス観測地点は内陸の窪川で、沿岸部では佐賀になりますが、10月12日の風速は目立つものではありません。波による流出と思われます。2014年1月撮影のストビューです。

鹿児島県奄美市 名瀬港防波堤灯台

2018年台風24号はJR東日本が初めて計画運休を実施(通過翌朝は平常運行できずに混乱)したときの台風です。与論島では56.6m/sを観測していますが、名瀬はたいした数値ではありません。流出した灯台は左手の赤い灯台です。高さ11mの繊維強化プラスチック製だそうです。2012年4月撮影のストビューです。

神戸市兵庫区 和田岬防波堤灯台

2018年8月の台風20号では和田岬灯台上部のLEDや太陽光パネルが消失しています。最寄りのアメダス観測点は神戸空港ですが、最大瞬間風速は8月23日に42.2m/s、翌24日が36.5m/sです。灯台頂上部の部品であることから風が原因と思われます。

2018年12月撮影のストビューで灯火部分がないことを確認できます。なお、和田岬の古い灯台は6キロ先の須磨海浜公園に移設保存されていますが、この場所にあった灯台ではないはずです。

北海道留萌市 留萌港防波堤灯台

2017年12月の低気圧で消失したのは右手の白い灯台です。埋め込んだ2014年8月のストビューでは確認できますが、最新2018年5月のストビューではもちろん見当たりません。留萌では984.3hPaが観測された2017/12/25でも最大瞬間風速は観測史上4位の34.4m/sですので、直接的には波の影響によるものと思われます。

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