尾瀬のウラ、人口密度が日本一低い檜枝岐村

福島県檜枝岐村（ひのえまた-むら）は、日本でもっとも人口密度の小さい基礎自治体として有名です。2019年の統一地方選で檜枝岐村では村長選と村議選が無投票でした。村長選は1963年と2007年が無投票ではなかったようです。

▲檜枝岐村の村長・村議（年齢は選挙時）

檜枝岐村は5つの市町村に隣接しています。北は只見町、東が南会津町、南東が栃木県日光市、南が群馬県片品村、西が新潟県魚沼市です。

Google Mapで檜枝岐村から各市町村役場までルート検索してみました。

▲Google Mapのルート検索

檜枝岐村から只見町に行く場合、いったん南会津町を経由する必要があります。車で直接行ける道はありません。日光市との間には未舗装の林道があります。2014年6月撮影のストビューです。

除雪車の目印になる赤白のポールはありませんので冬季閉鎖の道路です。結局、日光市に行くにも南会津町経由です。

片品村との県境は尾瀬です。県道1号線に指定されている路線は木道です。2019年9月撮影の大江湿原のストビューです。

片品村とも直接車で行き来することはできません。南会津町と日光市を経由することになります。

魚沼市とは樹海ラインと呼ばれる国道352号線で接続されています。奥只見湖付近はいわゆる酷道であり、ガードレールがなかったり沢と平面交差したりします。事故を起こしたら簡単に救急車は来ません。冬季（11～6月）閉鎖ですので、Google Mapの所要時間は只見町経由です。

檜枝岐村の生命線は国道352（401）号線の福島側です。1日の降雪が1ｍ近くに達することもあり、もし頼みの国道の除雪が滞ると村ごと孤立することになります。

水系的には檜枝岐村と南会津町と只見町は阿賀野川水系、日光市と片品村は利根川水系、魚沼市は信濃川水系です。

2020年国勢調査速報値による人口密度の小さい自治体TOP10は次のとおりです（双葉町を除く）。「増減率」は2015年国勢調査からの人口増減率、「密度」が人口密度（人/km²）、「平均」は平均年齢、「老齢率」は65歳以上の比率です。

▲人口密度の小さい自治体

檜枝岐村は人口が少ないほうから13位、世帯数が12位ですが、平均年齢や老齢人口比率はそれほど高くありません。産業が観光にシフトしている中で人口減少率全国8位、そこにコロナ禍というのは深刻かもしれません。

檜枝岐村の財政力指数は2020年で0.35です。只見町が0.25、南会津町が0.23、片品村が0.25ですので、奥只見ダムの恩恵だと思われます。人口密度が低くても、山林に囲まれた狭い谷に居住地域が集中しており、利用できる土地は限られています。

村役場付近以外には、キャンプ場などの観光施設があるだけで、集落と呼べるレベルの建物群は見当たりません。200世帯の8～9割は役場付近に集中しているものと思われます。標高は村役場で930ｍ台です。村役場は2階建ての新庁舎が2021年3月に完成しています。

名物は山椒魚の唐揚げや天ぷらです（オオサンショウウオではありません）。とくに美味ということはありませんが、衣から足がはみ出していると（私には）心理的に抵抗があります。燻製は結構なレベルでグロです。燻製にすると見た目ではトカゲやイモリとの区別ができません。