豊川下流に6キロ移転したアメダス新城

アメダス新城

アメダス新城(しんしろ)は2002年12月の開設です。アメダス鳳来(ほうらい)から豊川(とよわ)下流に6キロほど移転しています。観測期間21年間で日降水量のレコードは224.0ミリでしたが、6月2日はその1.87倍に当たる419.5ミリでした。

アメダス新城
アメダス新城(地理院タイルを加工)

「鳳来」時代の日降水量1位は1982年8月3日の315ミリです。ということは、今回は50年に1度レベルの雨だったのかもしれません。雨量のみの観測所・アメダス作手(標高532m)でも従来の日降水量1位・261ミリの1.5倍となる392ミリでした。

新城市は2005年に鳳来町(ほうらい-ちょう)、作手村(つくで-むら)と合併しており、移転前の観測所は鳳来町にありました。飯田線の本長篠駅付近になります。豊川の源流は標高1153mの段戸山(だんど-さん)南斜面です。

豊川中流域のアメダス新城は市街地の外れにあり、周囲は畑です。

アメダス新城

愛知県アメダスの最高気温

愛知県内各観測所の最高気温を調べてみました。アメダス新城は豊田とともに県内3地点目の40℃が期待?される地点です。

標高観測地点最高起年月日統計期間
5愛西40.31994/08/051979/01~
51名古屋40.32018/08/031890/07~
75豊田39.82022/07/011979/01~
53新城39.62018/07/232002/12~
81鳳来 廃止39.42001/07/24~2002/12
47岡崎39.32018/07/231979/01~
10東海 廃止39.21994/08/05~2012/10
32大府38.92018/08/062012/10~
55蒲郡38.71995/08/191979/01~
6伊良湖38.42013/08/111947/01~
16南知多38.31994/08/051979/01~
3豊橋37.92020/08/162005/12~
14豊山 廃止36.92004/07/28~2003/01
4セントレア36.12013/08/102005/02~
505稲武35.52018/07/231979/01~
▲愛知県観測所の最高気温

38℃以上は21年間で5回あります。

39.6℃2018/7/23
38.4℃2013/8/11
38.3℃2021/8/8
38.3℃2020/8/16
38.1℃2020/8/17
▲新城の38℃以上

風向はいずれも西北西のようです。

西北西の風で高温に
西北西の風(地理院タイルを加工)

2020年~2022年の観測値

2020年の観測値は次のとおりです。降水量も日照も多い地域です。

年降水量2312.5ミリ348位/1293地点
年平均気温15.8℃289位/922地点
年最高気温38.3℃80位/922地点
年最低気温-5.6℃436位/922地点
年較差43.9℃376位/922地点
年平均風速1.6m/s663位/921地点
年日照時間2143.3時間85位/841地点
▲アメダス新城の2020年観測値

2021年は最高気温で全国26位でした。最低気温も9年ぶり2回目のマイナス8℃台で、年較差は46℃台に達しています。暑くて寒いメリハリは人間にとっては歓迎できないかもしれません。

年降水量2714.5ミリ193位/1293地点
年平均気温15.6℃302位/921地点
年最高気温38.3℃26位/921地点
年最低気温-8.2℃481位/921地点
年較差46.5℃280位/921地点
年平均風速1.6m/s681位/920地点
▲アメダス新城の2021年観測値

2022年は38℃に届きませんでした。

年降水量2668.5ミリ136位/1285地点
年平均気温15.6℃297位/916地点
年最高気温37.8℃84位/916地点
年最低気温-5.7℃389位/916地点
年較差43.5℃395位/916地点
年平均風速1.6m/s667位/915地点
年日照時間2215.1時間75位/842地点
▲アメダス新城の2022年観測値

鳳来寺山のブッポウソウ

移転前のアメダス観測所「鳳来」は、車で山頂まで行ける鳳来寺山の麓です。鳳来寺山は紅葉スポットでもありますが、ブッポウソウのエピソードで有名です。

ちょうど今の季節、夜間か薄暗い森で「ブッ・ポウ・ソウ(仏法僧)」と啼く鳥がいます。長らくこの啼き声の主は、赤い嘴と足を持つ青緑色の渡り鳥と思われており、そのままブッポウソウの名前が付いています。体長はツバメより大きく、ハトよりやや小さな夏鳥です。

鳳来寺山でNHKラジオがブッポウソウの啼き声を全国に生中継したのは1935年6月だそうです。この放送をきっかけにして、「ブッ・ポウ・ソウ」が本当はフクロウ目フクロウ科のコノハズクの啼き声であることが判明しました。

標高695mの鳳来寺山は奥三河の入口です。やがて、鳳来寺山からコノハズクは姿を消してしまいます。2007年6月、「みんなのうた」で「鳳来寺山のブッポウソウ」が放映されます。シンセサイザーの第一人者・冨田勲の作詞・作曲です。

楽曲では鳴き声を間違われたことにコノハズクがすねて、鳳来寺山から出て行ったかのような設定になっています。ブッポウソウと同じ時期の夏鳥であり、しかもコノハズクが夜行性であることから、なかなか気づきにくかったというわけです。

コノハズクは愛知県の県鳥で、愛知県警のマスコットは「コノハ警部」です。フクロウとはいえ、それほど大きくなく、国内のフクロウでは最小の20センチ程度ということです。

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