奥尻島北端・賽の河原にあるアメダス奥尻

奥尻島のアメダス2地点

奥尻島にはアメダス観測所が2か所あります。北端の稲穂岬にあるのがアメダス奥尻で、南部の奥尻空港がアメダス米岡です。

奥尻島
奥尻島(地理院タイルを加工)

地理院地図には奥尻港から瀬棚港への航路が記載されていますが、2019年3月限りでこの航路は休止されており、2021年10月時点のフェリー航路は江差オンリーです。

奥尻町の人口は9月末時点で2,443人で世帯数が1,499世帯です。同じ北海道の滝上町が2,437人で1,366世帯(9月末)、南富良野町が2,364人で1,327世帯(7月末)、幌延町が2,247人で1,237世帯(9月末)、雨竜町が2,222人で1,076世帯(9月末)です。

1世帯当たりで奥尻町は1.63人、滝上町と南富良野町が1.78人、幌延町は1.82人、雨竜町は2.07人になります。奥尻は1人世帯の比率がかなり高いわけです。今後は老齢人口も減少するという段階に入るようです。

賽の河原公園

アメダス奥尻は標高5mで風速計の高さは6.5mです。住所的には「稲穂」という穏やかな地名ですが、一帯は「賽の河原公園」と呼ばれています。右上に見えるのは東屋で、左の道路の西側は海です。海が荒れた日の雨量計の中は少ししょっぱいかもしれません。

2018年8月撮影のストビューです。

地理院地図で「賽の河原」を検索すると、奥尻のほかに青森県むつ市の恐山、新潟県では阿賀野市と佐渡市と糸魚川市、山梨県韮崎市、神奈川県箱根町の芦ノ湖、それに国後島がヒットします。本物は誰も見たことがないはずなのに、それらしい雰囲気でそう名付けられたところが数か所あるわけです。すべて東日本ですが、4つ確認できる「三途川」も東日本限定です。

アメダス奥尻

アメダス奥尻の2020年観測値は次のとおりです。岬の突端ですので平均風速が全国8位です。年較差は小さいほうから道内2位です(1位えりも岬)。

年降水量921.5ミリ1192位/1293地点
年平均気温10.9℃674位/922地点
年最高気温30.9℃878位/922地点
年最低気温-7.5℃538位/922地点
年較差38.4℃752位/922地点
年平均風速6.2m/s8位/921地点
年日照時間1679.6時間500位/841地点
▲アメダス奥尻の2020年観測値

今年の8月8日には観測史上1位の32.4℃が観測されています。アメダス奥尻は1977年の開設で1999年8月10日に33.2℃を観測していますが、2000年1月におそらく移転したものと思われます。継続性のある観測値としては2000年1月28日以降の数値が用いられています。

アメダス奥尻の平均風速と最大風速
アメダス奥尻の平均風速と最大風速

つまり、このようなグラフを作るのは本来はNGです。

アメダス米岡

奥尻空港は1974年開港で、800m滑走路から1500m滑走路に延長されたのが2006年です。函館便が1日1便で、2021年10月31日から土日祝には丘珠便が運行されることになっています。空港所在地が奥尻町字米岡ですので観測所名も米岡です。

アメダス米岡

アメダス米岡は標高49m、風速計の高さ10.4mとされています。2020年の観測値は次のとおりです。標高のせいか、平均気温はアメダス奥尻より低くなっています。

年降水量767.5ミリ1243位/1293地点
年平均気温10.3℃705位/922地点
年最高気温31.7℃852位/922地点
年最低気温-9.8℃635位/922地点
年較差41.5℃551位/922地点
年平均風速5.9m/s12位/921地点
▲米岡の2020年観測値

航空気象観測所ですので2003年の観測開始です。2021年8月7日に32.5℃を観測して、最高気温は2年連続で塗り替えられました。

島南端の岬は1993年7月の北海道南西沖地震で100人を超える死者・行方不明者が出た青苗地区です。震源地からの波と北海道に反射した波で往復ビンタを受けてしまったようです。

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